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難発現・難機能選抜な産業用酵素を改良するための進化工学プラットフォームの開発 【用途例】診断・食品加工・洗剤などに使われる酵素の大腸菌発現と機能の迅速改良
産業用酵素の中には、生きた細胞を利用した進化分子工学スキームに適用できないものが多数存存在します。たとえば、❶生体構成分子を「分解」するプロテアーゼやリパーゼといった発現毒性のある酵素、❷還元的である細胞内では形成できないジスルフィド(S-S)結合を持つ酵素、❸細胞膜を通過しない、あるいは通過しても細胞内生理ネットワークとコンフリクトする化合物を基質とする酵素が挙げられます。本研究によって、進化工学の適応範囲をこれら難発現・難機能選抜酵素まで広げることで、多くの有用な産業用酵素の市場競争力を向上させる改良が可能になると期待されます。
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中赤外デュアル光コム光源による多成分ガス計測技術の開発 【用途例】非接触リモートでの計測が可能な多成分ガス計測装置
カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現には、地球温暖化の原因物質の発生源を把握し適切な対策を組み合わせるとともに、工場エネルギー管理システムの最適化による省エネルギー化を進める必要があります。そのためには、センサーが不要な光による非接触リモートで簡便・小型な装置による多成分ガスの計測技術が求められています。
本研究では、中赤外域の光を高度に利用し、多成分・高速な計測が可能な中赤外デュアル光コム分光装置を簡便・小型な構成で開発し、非接触リモートでの多成分ガス計測技術の実現を目指します。本研究開発により、カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現への貢献を目指します。
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超音波溶着時の振動計測によるCFRTPの発熱・接合メカニズムの解明 【用途例】超音波溶着接合を、自動車・航空機・風車などの炭素繊維強化熱可塑性樹脂部品の接合に適用することを目指す
現在、成形性に優れた繊維強化熱可塑性樹脂の製造・成形技術の開発が進んでおり、航空機・自動車産業への適用に向けた次のステップとして、複合材料の接合技術の確立が望まれています。接合技術の中でも最速かつ省エネルギーの超音波溶着接合が注目されています。しかし、超音波溶着接合は、十分解明されていない発熱メカニズムと界面摩擦熱による急激な昇温速度から、安定した溶着と品質予測が難しいという課題があります。本研究では、実際に生じている振動を直接計測することで、超音波振動がどのように発熱に寄与するかを解明し、従来難しかった複合材料の超音波溶着接合を実構造に適用するための技術の確立を目指しています。
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超音波推進システムによる液中自走式ロボット
【用途例】・水域調査(海洋と河川環境、水産資源と藻場、ダム・発電施設、工場パイプライン)
・災害防止・調査
我々が提案した超音波振動子による液中自走式ロボットは、超音波振動子と液体の境界面の微小振動を推進力発生源とする、全く新しい液中自走式ロボットである。推進力発生のメカニズムから定量的に明らかにするとともに、推進力源となる振動子の振動姿態や周波数に対する応答など、基本的な特性について検討する。単純構造、高推力、小型化と低コストの利点がある。複数の振動面を用い、本技術では多自由度水中ドローンやパイプ内ロボットなどの創成を目指している。将来的に、5GやIoTなどの技術で遠隔操縦支援システム(ARメガネ)を検討し、広範な液中作業や調査などに威力を発揮することが期待される。
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未来のデータセンター向け高降圧大電流磁気部品と電源モジュール 【用途例】高降圧直流電力変換が必要なあらゆるアプリケーションに適用可能
今後急増するデータセンターで爆発的に増加するCPU・GPUなどの演算器への電力供給の損失を減らします。電源供給に伴う損失はデータセンターの全消費電力のうち7%を占めているとされ、これを削減することで低炭素社会の実現に貢献します。また、本事業で確立する高降圧電源技術は、データセンターと同じく48V電源規格の普及が進む電気自動車における情報処理・通信機器へ電源供給技術にも応用可能です。さらに将来の普及が見込まれる直流送電で必要になるとされる400V近い直流高電圧から48Vなどの生成にも適応可能であり、あらゆる電源供給における場面で損失の低減に寄与します。
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マダニの内在RNA干渉およびRNA増幅機構を利用したRNA殺虫剤の開発やバイオテクノロジーへの応用 【用途例】様々な病原体を媒介するマダニを制御するRNA殺虫剤
現在の害虫防除は化学農薬に依存していますが、環境への影響や耐性の獲得から、化学農薬の使用低減が目指されています。細胞のRNA干渉機構を利用したRNA農薬は、種ごとに標的配列が異なることから環境への影響が少ないと考えられています。本課題で細胞のRNA干渉機構を理解することで、効果的かつ抵抗性を獲得しにくい薬剤開発に貢献したいと考えています。RNA干渉機構は抗ウイルス機構として機能することから、ウイルス制御にも寄与できると考えられます。また、細胞、個体内で特定のRNAを増幅する機構の解明は、バイオテクノロジーへの応用も期待できます。
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単一細胞電気的特性測定とAI・動画像解析による細胞判別技術の開発 【用途例】非侵襲かつ非標識測定による細胞自動判別、経時変化を測定
微生物や生体細胞は同一種であっても個体差があり、正確な細胞判別が困難な場合があります。本研究テーマでは、単一細胞電気的特性測定デバイスを用いて、エレクトロローテーションによる細胞の電気的特性に基づいた挙動や形状をもとに動画像処理・AI解析技術により、細胞判別可能な自動化システムの開発を目指します。また、薬剤投与や細胞育種における細胞状態の時間変化解析による細胞性質の解明にも取り組みます。
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高強度・高靭性な熱可塑性CFRPと金属の異種接合及びそのプレス成形 【用途例】金属と熱可塑性CFRPのマルチマテリアル構造の実現及び軽量化
輸送機器分野をはじめとする機械構造物においては、軽量化に伴う燃費削減が喫緊の課題となっています。次世代航空機や空飛ぶ自動車などの構造部材には軽くて高強度、高靭性の素材が用いられます。生産性、リサイクル性の優れる熱可塑性CFRPは構造部材の候補の1つとなりますが、材料コストが高いためすべての金属材料と置き換わるのではなく、マルチマテリアル構造として用いられます。強固かつ信頼性の高い異種接合技術によって、機械構造材料の軽量化及びリサイクルに貢献します。
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温室の収益性を向上するの量子ドット波長変換フィルム 【用途例】太陽光波長制御による農業生産技術の革新
植物の波長反応の知見は、LEDを活用した人工光型植物工場に応用されています。温室においても生育促進や形態制御、病害虫抑制などを目的としてLEDを用いた補光技術が提案されています。太陽光の波長を制御できる量子ドット波長変換フィルムの特徴を活かして、多面的に温室栽培の収益性を引き上げる研究を展開しています。
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耐熱金属一体造形による低コスト・高効率電熱ヒータ:高温水素噴射による高性能宇宙推進機
【用途例】低コスト・高効率ヒータによる高温ガス源の宇宙・地上産業への応用
低燃費・大推力の特性は,燃料の節約による宇宙機の大幅な積載能力の向上と、目的地までの移動時間の短縮を実現します。宇宙推進の燃料には、これまで強い毒性を持つヒドラジンと呼ばれるものや、極めて希少かつ高価なキセノンといった特殊なものが用いられてきました。水素の燃料としての採用は、無毒・低コストのみならず、将来的に月面で採取した水から得た水素を宇宙空間で補給する新たな宇宙輸送システムの実現にも貢献します。これにより、あらゆるものを地上から運んできたこれまでの宇宙輸送の概念を刷新することができます。水素以外にも種々の流体を燃料として利用でき、メタンなども利用可能です。
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耐衝撃性オールバイオマスプラスチックの開発
【用途例】プラスチック製品など
脱炭素化に貢献するバイオマスプラスチックを環境調和型の高分子・添加剤により高機能化し、汎用樹脂の代替となるような実用的物性を備えた材料を開発します。実用化を目指すにあたり物性だけでなく作製プロセスの簡便性も重視しています。さらに、熱可塑性樹脂特有の高いリサイクル性にも着目した技術開発にも取り組みます。
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橋梁点検の自動化のためのUAV撮影と3D損傷認識手法の開発 【用途例】UAV撮影とAI損傷認識を活用してインフラ維持管理のDX
本研究では、UAV点検から損傷の認識そしてその可視化が全て自動的に行い、橋梁の維持管理を擬似バーチャル空間で行うことができるシステムの構築である。本研究のVisionとして
(1) 橋梁構造物のUAV自律制御により3次元モデルの構築および損傷認識に両方適応できる写真を自動的に行う。
(2) UAVより撮影された写真から、ピクセルレベルで損傷をで認識(AI)する。
(3) 静止画像から3次元モデルを構築するSfMを用いて、撮影された写真を橋梁構造の3Dモデル構築し、損傷を3次元モデルにマークする。
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”光るデバイス”を省エネ化する、乾電池で動く有機ELの開発 【用途例】省エネルギーな白色発光デバイスへ貢献
従来デバイスに対して駆動電圧を半減であるため、RGB単色素子をいずれも低電圧で駆動できます。実用的なデバイスとしてタンデム型などへ転用した際も低電圧化の利点が大きく働く。加えて、励起子拡散を利用することで、単素子による白色発光デバイスを目指しています。これにより乾電池で駆動可能な白色光源への応用へチャレンジします。
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原子ダイナミクス計算と熱流体解析を活用した凝固プロセスの設計 〜革新的軽金属材料の開発〜 【用途例】マグネシウム合金の航空機や新幹線車両の部材としての実用化を目指しています。
マグネシウム(Mg)の比重は鉄の約1/3、アルミニウム(Al)の約2/3と実用金属の中でも最も軽い。そのため、次世代軽量構造材料として輸送用機器部材への適用が期待されています。2001年に熊本大学で開発されたMg-Zn-Y系合金は、展伸加工することによって、延性を確保しながら、機械的強度が著しく向上するため、現在世界的に研究が行われています。一方で、Mg合金を航空機や鉄道車両の部材として使用するには、機械的強度だけでなく安全性、信頼性を確保する破壊靱性も極めて重要な材料特性であり、その改善が産業界から強く求められています。
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異径混繊複合紡糸技術による新規メルトブロー不織布開発のスマート化 【用途例】特殊ノズルを用いることによる混繊不織布の生産ラインの1本化、および混繊による新規特性付与
本研究では、MB法にて現在流通しているオレフィン系樹脂のひとつであるポリプロピレンに対して、耐熱性樹脂であるポリカーボネートを混繊させることによって不織布の低熱収縮性の向上が示されました。図に示すように熱処理前後で混繊不織布はほぼ形状が変わらず高い寸法安定性が確認されました。このように従来の単成分不織布には見られなかった新規特性を混繊によって実現することが可能です。ポリカーボネートに限らず、付与させたい特性のニーズに合わせて樹脂を変更することも可能であり、多岐にわたる特性を保持した新たな不織布の開発が期待されます。
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