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多数個の触覚センサを省配線で接続できる触覚センサシステムとマルチセンサプラットフォーム技術 【用途例】人間協調ロボットへの皮膚感覚付与やヒューマンインタフェースへの活用など
人と協調作業するロボットの手や腕などに人の触覚に相当する機能を付与することで、複雑な作業や安全な人との協調作業を実現することができます。そのためには、感度のよい触覚センサを多数個設置する必要がありますが、通常、配線の取り回しの煩雑化、応答性の低下、センサのノイズ増大などの問題が起きます。これらの問題に対応するため、我々は高感度のMEMS力センサと、その信号を読出しシリアルバス通信でネットワーク上に送信する機能を持つ独自のセンサ・プラットフォームLSIを集積化した2.5mm□サイズの触覚センサデバイスを作製しました。これにより、前述の課題を解決できます。現在、この触覚センサデバイスを用いて得られたセンシングデータを基にした機械学習により異物やテクスチャ識別を行っており、高い精度で識別が可能なことが分かってきました。考えられる様々な触覚デバイス・データ応用に参入し、ビジョン(視覚)センサ、マイクロフォン(聴覚センサ)に次ぐ第3の感覚センサである触覚センサの活用を広めていきたいと考えています。
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熱力学状態方程式とAI,人工ニューラルネットワークを組み合わせた新規ハイブリッド物性推算法 【用途例】化学プロセス設計・開発に必要不可欠な化学工学物性を必要最低限の情報で高精度に推算
化学プロセス設計・開発には密度や蒸気圧など多種多様な物性推算が必要不可欠です.しかしながら,物性測定は専門的な装置・技術を必要とし,その測定には長時間を要します.そのため,日々の研究開発の成果で生み出される化学物質に対して物性データは不足しているのが現状です.化学工学物性を予測する方法も培われてきました.熱力学状態方程式は多様な物性の推算を可能にする強力な理論式です.推算には状態方程式のパラメータが必要とされます.未知の物質に対してはグループ寄与法といった方法で推算する方法が報告されてきました.しかしながら,開発されていく化学物質の分子構造の複雑化など,予測できる適用範囲が追いついていません.既存の方法では1つの物質が持つ複数の官能基が相互しあった結果など,複雑化したパターンの表現をすることができません.複雑化したパターンの表現を得意とするのが人工知能(AI),中でも人工ニューラルネットワークである.化合物の分子構造を入力変数,熱力学状態方程式のパラメータを目的変数とした人工ニューラルネットワークを開発することで,新規開発されていく化学物質の多種多様な物性推算を実現します.
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そのまま放り込むだけ!高コストのプロセスを必要としない、微生物共生システムを応用した廃棄バイオマス資源化技術 【用途例】廃棄バイオマスからバイオ燃料、高機能化学品を生産
世界では年間1000億トンの廃棄バイオマスが発生していますが、その多くは適切に処分されておらず、深刻な環境汚染の原因となっています。もし、これらの廃棄バイオマスを有用物質にバイオ変換することができれば、廃棄バイオマスは「廃棄物」ではなく、有望な「再生可能資源」となり、環境汚染も防ぐことができます。しかし、これら廃棄バイオマスの多くは、一般的に工業利用されている微生物では分解することが困難であったり、前処理や糖化などの高コストのプロセスを必要とするなどの課題が現在も解決できていません。バイオマスからの有用物質生産を実現するためには、生産菌の性能だけでなく、原材料やプロセスコストの削減が重要となります。本研究開発では、廃棄バイオマスを前処理や糖化などの高コストのプロセスを必要とせずに嫌気分解することができる海洋性菌叢(共生系を有する様々な微生物の集合体)から、物質生産に最適化・安定化した微生物共生システム【合成菌叢】を人工的に構築することで、原材料やプロセスコストを大幅に削減した、革新的な廃棄物バイオリファイナリー技術の構築を目指しています。
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コミュニケーション時の行動リズムのシンクロ率から2者間の相性を定量化する技術 【用途例】客観的・簡易的・科学的根拠に基づいた人と人との相性評価を可能にする技術
コミュニケーションにおける当事者間の相性は客観性、簡易性、科学的根拠のある評価が難しいため、婚活業界、人材派遣や教育業界では効率の悪いマッチングが問題です。そのためコミュニケーション前に相手との相性を評価できるサービス、科学的根拠のある方法論で相性を推定するサービスの実現が必要です。そこで本研究開発は2者間の行動リズム同期(シンクロ率)から2者の相性を算出できるアプリケーションの実現を目指しています
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水管損傷、衝撃波、メンテナンス、洗浄、損傷検知、損傷抑制、癌治療、超音波造影剤、超音波診断、医用超音波、マイクロバブル 【用途例】水管の管壁洗浄と損傷抑制をリアルタイムに実現します
気泡と音(超音波・衝撃波)の融合によって、多様な革新的技術の開発を分野横断的に狙います。衝撃波の能動的制御による水管(ポンプやライフライン)の損傷低減と洗浄に資する技術、および、超音波医工学(超音波造影気泡の新設計指針、強力集束超音波による低侵襲腫瘍焼灼治療/衝撃波による結石破砕への気泡援用による治療増強効果予測とトランスデゥーサ開発)を柱とするものの、マグマやガラス製造時の発泡の制御、ロケットエンジン内の極低温キャビテーションの制御、海洋探査と水質浄化など、マクロからミクロまで、深海から宇宙まで、地球科学から医薬学までと、広範をカバーします。それでいて、これらの基盤となる学理が、提案者が専門とする「気泡と音の数理物理工学」に一極集約される意味で、多様な社会・産業に対して包括的な還元を行います。
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膜タンパクを高感度に認識する抗体誘導技術 【用途例】本技術を活用し、膜タンパクを認識する新たな抗体製品を開発する
本技術は、これまでに製造することができなかった膜タンパクに対する抗体(ポリクローナル抗体・モノクローナル抗体)を取得可能な新規免疫技術であり、本技術を共同研究先企業で活用(技術移転)あるいは本免疫技術で作製した抗体を販売することで、膜タンパクに対する新たな抗体を活用した抗体試薬・抗体診断薬・抗体医薬品の開発・販売が可能になる。
基礎研究において、特定の細胞を認識する抗体製品の需要は極めて高く、例えばフローサイトメトリーにおいては、蛍光色素を修飾した抗体をプローブとして特定の細胞を標識し、その細胞群の存在割合を解析するが、標識抗体として用いるのはほとんどが膜タンパクに対する抗体製品である。特に、ニッチな細胞集団はある特定の膜タンパクの発現が上昇していることが多く、特定の膜タンパクを高感度かつ特異的に検出できる抗体は、がん領域や免疫領域の研究を加速的に発展させることが期待できる。また、既存の抗体医薬は膜タンパクあるいは液性のサイトカインを治療標的としており、膜タンパクに対する特異性の高い抗体は、治療標的性を高め、予期せぬ副反応の発現を抑えることが可能となる。
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海洋プラスチックごみ問題解決に貢献へ 多糖類を基盤とした海洋生分解性バイオプラスチックの研究開発
【用途例】汎用プラスチックを海洋生分解性バイオマスプラスチックへの代替により
海洋プラスチックごみの解決策を提供
PEやPPのような汎用プラスチックは安価、軽量、自在な成形性による高い意匠性・デザイン対応性などの特性で、我々の日々の生活を豊かにしてきました。また、プラスチック産業は化学産業の中心を担い、包装産業などの製造業を支え、日本経済の発展に大きく寄与してきました。しかしながら、プラスチックの多くが自然環境中で生分解しないことにより、海洋プラスチックごみをはじめ、大きな社会問題として危惧されています。本研究ではデンプンと生分解性プラスチックとブレンドすることにより海洋生分解性バイオマスプラスチックを開発します。海洋生分解性を誘発するスイッチ機能、多糖類ブレンドプラスチックの開発、多糖類複合/ブレンドプラスチックの海洋生分解性評価の三つの項目を実施します。本研究の成果を基に、材料の複合化/ブレンドによる多糖類を基盤とする海洋生分解性プラスチックの実用化へとつなげることで、海洋汚染の低減と温室効果ガス排出量の大幅削減が達成できます。開発品の実用化により、プラスチックごみが海洋に流出しても生分解によりごみ量は増えることなく、将来的には海洋プラスチックごみの削減に大きく貢献します。
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人工衛星の自律的な画像認識と姿勢制御による効率的なリモートセンシング 【用途例】人工衛星の自律的な画像認識と姿勢制御による効率的なリモートセンシング
衛星から地上を観測する際に、雲などの観測対象の障害となり撮像を効率的に行えないことがあります。このような場合、一度、地上局に画像をダウンリンクして、撮像の目的を達成できたか地上局にて人間が確認したうえで、再撮像のコマンドを衛星に送信する必要があり、地上局での画像の取得に時間を要してしまいます。
そこで、本研究では人工衛星の姿勢制御技術と自律的な画像認識技術を融合させ効率的な衛星運用、さらにはリモートセンシングを達成します。本研究では多様な観測対象を認識するのではなく、雲などの観測の障害に絞って認識させることで、軽量なネットワークでの画像認識を行います。さらに姿勢制御技術と合わせて自律的に障害を避けて観測します。
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GaN-HEMTデバイスの高周波駆動による超小型系統連系インバータの開発
【用途例】エネルギーデバイスを電力系統へ接続する電力変換器を
次世代デバイスとその使いこなしにより高性能化します!
安心・安全な社会の実現のため,電気エネルギーの安定的な確保というのは重要です。近年,需要家サイドに設置される太陽光発電や,エネルギー貯蔵能力のあるEVの普及が進み,災害時に広域の電力系統に頼らないエネルギー供給が可能な環境が整ってきました。それら直流のデバイスを従来の機器で使用する,または複数をネットワーク化して利用しやすくするためには,電力を制御する電力変換器(=インバータ)が必要です。しかしこれまでのインバータではすでに従来型電源によって確立した電力系統に連系することしかできませんでした。災害時や移動先のような独立したネットワークにおいてこのようなエネルギーデバイスを利用するためには,自律的に連系ができる「プラグ・アンド・プレイ」が可能な電力ネットワークおよびインバータが必要です。そこで各エネルギーデバイス単位で最も標準的な電力ネットワークの規格ともいえる交流に変換すれば,高度なエンジニアリングを必要とせずに手軽に様々なエネルギーデバイスを利用することが可能になります。このことは,さらなる再生可能エネルギー利用につながるほか,レジリエントなエネルギーインフラの実現を後押しし,現代の社会的な要請に応えることができます。
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低環境負荷デバイス応用に資する高性能ナノカーボン電極材料の開発 【用途例】IoTデバイス向け自立型電源としての低環境負荷発電応用にむけて
ナノカーボン物質は、優れた電気伝導性、導電性、比表面積の大きさ、広い電位窓や汚染耐性など、金属材料を凌駕する電気化学特性を示すことから、次世代導電性材料として注目を集めています。構造柔軟性と伸縮性を併せ持つことから成形自由度も極めて高く、蓄電応用、透明導電膜、バイオ・医療など幅広い分野での応用が期待されています。
しかし、これほど魅力的な素材でありながらも、社会においては素材として上市されるにとどまっています。これはデバイスとしての機能を引き出すための段階である、改質・成形に関する研究開発が不十分なために他なりません。我々はナノカーボン物質の改質・成形に関する技術開発に注力するとともに、IoT向けデバイス利用に向けた性能評価も合わせて検討し、高性能ナノカーボン電極材料の創出を目指しています。
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フラストレイテッドルイスペアを利用したイオンペアセンサーの開発 【用途例】いつでも、どこでもイオンセンシング
IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を用いた自動化の発展を背景に、センシング技術の重要性は高まる一方です。なかでも、環境モニタリングシステムや生体センサーの需要にともなって、有害物質や代謝物などに含まれるカチオン(正電荷種)やアニオン(負電荷種)といった電荷を有する化学種(イオン種)を検出するイオンセンサーが注目を浴びています。
本研究では、イオンペアと相互作用を示す新規分子を基盤として、あらゆるイオン種に対するリアルタイムセンシング材料を開発します。
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熱機関を利用しない低品位なバイオマス・褐炭による高効率・低温作動の発電方法の開発 【用途例】高効率化によりバイオマス発電の普及に貢献
熱機関を利用した従来の発電方法によるバイオマス、褐炭からの発電効率は10~30 %程度と低く、バイオマス、褐炭発電が普及しない大きな一因となっている。発電効率が低い第一の原因は、天然ガスや高品位の石炭よりも著しく低い発熱量にも拘わらず、まず燃焼により熱エネルギーに変換する点にある。燃焼により熱エネルギーに変換すれば、そもそもエクセルギーの損失が大きいが、発熱量が低いため得られる温度レベルが低く、さらに損失が大きくなってしまう(図左)。したがって、バイオマス、褐炭を用いた発電を従来の実績を大きく上回る50 %以上の高効率とするためには、エクセルギー率の低い熱エネルギーへの変換に依存しない新たな変換方法の開発ができるかどうかに懸っている。
そこで私たちは、金属イオンを媒体にバイオマス、褐炭を適切な化学エネルギーに変換することでエクセルギー損失を小さく抑え、さらにその化学エネルギーを電気エネルギーに変換するプロセスを提案し(図右)、研究開発を進めている。
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省エネルギーで製造可能な電子デバイスを目指した、自己組織性を有するN型有機半導体材料の開発
【用途例】自己組織化により配向制御された高品質なN型有機半導体薄膜を
高速で製造することが可能
省エネルギーで製造できる有機半導体材料の中でも、分子が自発的に凝集構造を形成する自己組織化有機半導体材料に注目することで、溶液プロセスでの製膜性と良好な電気特性を有する有機半導体薄膜が作製できます。本研究開発では、特に実現が困難な高品質なN型の有機半導体材料の実現を目指します。この自己組織化を有するN型有機半導体材料では、移動度が高く、結晶粒界方向を制御でき、さらに分子配向制御が可能です。これらの特徴を利用することで、高効率の光電変換素子や熱電変換素子が省エネルギーで製造できるようになると期待できます。
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前処理・添加剤・接着剤フリー!プラスチックフィルム向けレーザ接着装置の開発 【用途例】接着が変わると何が変わる?幅広い分野・業種での利用を期待
接着技術は、モノとモノをつなぎ合わせる手法であり、精密機器から家電、大型機械まで様々な対象に利用されています。特に近年では、様々な業界において金属部品の樹脂化と合わせて、軽量化に利用されてきました。また、高強度・高耐性を有するスーパーエンジニアリングプラスチックの利用も軽量化を後押ししていると言えます。
一方で、高強度・高耐性を有する樹脂ほど接着が困難であり、質量の増加・耐性の低下を招く接着剤の利用や、性能低下を生じる添加剤による素材の可溶着化、工程の増加・管理が複雑となる特殊な前処理の導入が行われています。すなわち、「どこにでも使える優れた樹脂ほど応用方法・範囲が限定される」という矛盾を抱えていました。
そこで本研究では、本研究室の固有技術である、高強度樹脂フィルムを対象とした「前処理・添加剤・接着剤フリー」なレーザ接着技術を発展させ、この矛盾の解決を目指します。
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フレキシブル有機エレクトロニクスによるウェアラブル生体インターフェースの構築
【用途例】デジタルヘルスケア・AR/VR/MR技術に応用・融合が可能な
装着感の極めて小さいウェアラブルデバイス
世界の中でも「課題先進国」と呼ばれる日本が抱える社会課題のひとつは少子高齢化問題です。数値的には、生産年齢人口の割合低下(2060年には対総人口51.6 %)、高齢者の増加(2050年には対総人口40 %が65歳以上の高齢者)が予測されています(平成29年度国土交通白書より)。これによって具体化する社会課題は高齢化にかかわる医療・介護労働力需要増と社会保障費の増大であり、我々研究者には、新しい化学技術の開拓によってこの社会課題を解決するという使命が課されていると考えています。
本研究開発では、遠隔医療・日常的健康モニタリングのための新しいウェアラブルデバイスの姿を世界に示し、その実用化に向けて企業との共同研究開発を推進してきたいと考えています。
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