2022年度公募 seeds-2406 - 【近畿】 マダニの内在RNA干渉およびRNA増幅機構を利用したRNA殺虫剤の開発やバイオテクノロジーへの応用
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VISION

ビジョン

RNA研究を応用したRNA殺虫剤の開発やウイルス制御への貢献を目指す

マダニの内在RNA干渉・RNA増幅機構を解明し、RNA殺虫剤の開発やウイルス制御に貢献する

現在の害虫防除は化学農薬に依存していますが、環境への影響や耐性の獲得から、化学農薬の使用低減が目指されています。細胞のRNA干渉機構を利用したRNA農薬は、種ごとに標的配列が異なることから環境への影響が少ないと考えられています。本課題で細胞のRNA干渉機構を理解することで、効果的かつ抵抗性を獲得しにくい薬剤開発に貢献したいと考えています。RNA干渉機構は抗ウイルス機構として機能することから、ウイルス制御にも寄与できると考えられます。また、細胞、個体内で特定のRNAを増幅する機構の解明は、バイオテクノロジーへの応用も期待できます。

USE CASE

最終用途例

様々な病原体を媒介するマダニを制御するRNA殺虫剤

USE CASE 01化学農薬に代わる、少量のRNAを取り込ませるだけで強力な効果を示す殺ダニ剤の開発

APPLICATION

APPLICATION

RNA殺虫剤の開発

生物のRNA干渉機構を利用した殺虫剤の開発では、十分量のRNAを取り込ませることが課題となっています。RNA自己増幅機構を利用することで、効果的な殺ダニ剤を開発できると考えています。

STRENGTHS

強み

RNA増幅のメカニズムを理解することで、効果的なRNA殺虫剤をデザイン

STRENGTHS 01

新規のRNA増幅機構のメカニズムを解明

マダニ細胞では導入した二本鎖RNAが増幅されることを、細胞内で発現しているRNAを網羅的に解析することで明らかにしました。このようなRNA自己増幅機能はこれまでに見つかっておらず、今回提案する効果的な殺虫剤の開発以外にもバイオテクノロジーへの応用が期待できます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

細胞の内在RNA干渉とRNA増幅機構の解明

TECHNOLOGY 01

RNA干渉機構を含む小分子RNA機構

私たちの研究室では、マダニ細胞を用いて小分子RNA発現を網羅的に解析し、他の生物ではみられない新規の小分子RNA機構が存在することを見出しています。また、脊椎動物や昆虫には存在しないRNA依存性RNAポリメラーゼが、小分子RNA機構において重要な役割を持つことを明らかにしました。さらに、マダニの発生ステージ毎のRNA発現を網羅的に解析しており、どのような小分子RNA経路が機能しているかの解明を進めています。

PRESENTATION

共同研究仮説

RNA殺ダニ剤の開発やバイオテクノロジーへの応用

共同研究仮説01

RNA殺虫剤の開発

RNAのドラッグデリバリ―手法の確立

殺虫剤メーカーや農薬、化学メーカー等と、RNA殺虫剤・農薬のドラッグデリバリ―の手法を確立するための共同研究をできればと考えております。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

椎森仁美 奈良先端科学技術大学院大学(助教)
経歴

■経歴
2011年 – 2013年 日本学術振興会 特別研究員
2013年 – 2018年 ジョージア大学 博士研究員
2018年 – 2021年 医薬基盤・健康・栄養研究所 研究員
2021年 – 現在  奈良先端科学技術大学院大学 助教

■研究室

https://bsw3.naist.jp/courses/courses216.html

■業績等
https://researchmap.jp/masami_shiimori

研究者からのメッセージ

RNA研究を応用した薬剤の開発を目指します。

近年、新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン等、RNA研究の応用が進んでいます。本研究でも、細胞内でのRNA制御機構を理解することで、RNA殺虫剤の開発につなげたいと考えています。さらに、マダニの主要な抗ウイルス機構であるRNA干渉機構を理解することで、マダニ媒介性感染症を引き起こすウイルス制御の薬剤の開発にもつながることを期待しています。