2020年度公募 seeds-0280 - 【中部】 花粉触媒昆虫の減少や農家の人手不足の代替手段としての「全自動花粉交配技術」の開発
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VISION

ビジョン

花粉触媒昆虫の減少や農家の人手不足の代替手段としての「全自動花粉交配技術」

花粉を活性化できる機能性泡沫材料と、効率的かつ効果的に射出可能な専用授粉機の開発

地球温暖化や農薬散布の影響により、花粉媒介昆虫の減少が大きな社会問題となっています。また、梵天等を利用した従来の花粉交配方式では、目的としない花への授粉、それに伴う果実の摘果、廃棄により農家へ多大な負担がかかっています。これらの問題を解決すべく本研究では、花粉媒介昆虫に依存しない泡沫材料とスプレー技術を組み合わせた新しい花粉交配法を提案します。「全自動花粉交配技術」の構築を最終目的とし、花粉を活性化できる機能性泡沫材料と、高価な花粉粒子を必要最低限に効率的かつ効果的に射出可能な専用受粉機の開発に取り組みます。

花粉媒介昆虫に依存しない新しい「花粉交配技術」により、果実の品質低下や収穫量減少に立ち向かう

ミツバチ等の花粉媒介昆虫の減少は大きな社会問題となっています。例えばイチゴの結実には欠かせないミツバチですが、養蜂家の減少や農薬によるミツバチへの悪影響などで、花粉交配用のミツバチの供給量はここ数年減少し、価格も高騰してきています。ミツバチの減少により、受粉がうまく行われず、果実の奇形や変形という品質低下や不受精による収穫量の激減に繋がってしまいます。このような問題からも明らかなように、花粉媒介昆虫に依存しない新しい「花粉交配技術」の開発は社会的ニーズが極めて高いと言えます。

USE CASE

最終用途例

花粉を活性化できる機能性泡沫材料と、効率的かつ効果的に射出可能な専用授粉機の開発

USE CASE 01施設園芸等の狭所での手動の授粉作業が必要となるケースでの専用授粉機の開発

APPLICATION

APPLICATION

手動専用授粉機の開発

ビニールハウスなどの施設園芸や低木栽培など、狭所での授粉作業が必要となるケースで、手動で機能性泡沫材料(シャボン玉)を噴霧できる専用授粉機を開発します。

MARKET

MARKET

ビニールハウスなどの施設園芸や低木栽培など

ビニールハウスなどの施設園芸や低木栽培などにおいては、ミツバチ等の花粉媒介昆虫の価格の高騰や数の減少により、果実の品質低下や収穫量の減少の問題が起きています。

USE CASE 02広大な敷地を持つ果樹園等での大規模授粉作業が必要となるケースでの専用授粉機の開発

APPLICATION

APPLICATION

ドローン投下型専用授粉機の開発

広大な敷地を持つユリ農家、果樹園等での大規模授粉作業が必要となるケースで、ドローン噴投下型で機能性泡沫材料(シャボン玉)を噴霧できる専用授粉機を開発します。

MARKET

MARKET

広大な敷地を持つ果樹園(リンゴ、ナシ農家)等

広大な敷地を持つリンゴ、ナシ農家等の果樹園では、ミツバチ等の花粉媒介昆虫の価格の高騰や数の減少により、果実の品質低下や収穫量の減少の問題が起きています。

STRENGTHS

強み

機能性泡沫材料により、従来の花粉交配技術対比、花粉の活性化と大幅な花粉量削減を実現

STRENGTHS 01

機能性泡沫材料により、高品質な果実の結実を実現

従来の花粉交配技術である梵天法や溶液授粉と比較して、当該泡沫材料がナシ花粉を最大で20%活性化でき、花粉量を1/30000まで削減できることが明らかになっています。また当該泡沫材料を利用した実際の授粉作業を行った結果、結実はもちろん、果実の品質にも問題ないことも分かっています。

TECHNOLOGY

テクノロジー

液だれをしない確実な授粉と、溶液保存による花粉の活性低下を防止できる機能性泡沫材料の射出機構

TECHNOLOGY 01

花粉の活性化と高価な花粉粒子の効率的な射出機構技術

花粉を封入した機能性泡沫材料は、花粉を活性化すると同時に雌しべ柱頭に付着後、液だれが起こらないために確実に授粉することが可能となります。また本射出機構によって花粉粒子そのものは射出直前まで乾燥状態を保持するため、溶液保存による活性低下を防止できます。

PRESENTATION

共同研究仮説

「全自動花粉交配技術」を実現するための機能性泡沫材料と専用授粉機

共同研究仮説01

機能性泡沫材料と専用授粉機の実装と高度化

想定している共同研究

花粉の活性度を保持する機能性泡沫材料とその射出機構については本研究をベースに「噴出直前に花粉と泡沫材料を混合し、噴出させる専用授粉機のハード開発」、および「噴出対象となる花を識別するAI等の開発」について、共同研究させていただきたいと考えています。

LABORATORY

研究設備

花粉の状態を高解像に観察可能な蛍光顕微鏡

LABORATORY 01

蛍光顕微鏡

花粉菅形成の観察や花粉管長の測定の際に利用します。

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EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

都英次郎 北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科
経歴

大分県出身。
九州大学大学院工学研究科博士課程修了(化学システム工学)。工学博士。

専門は、生物工学、材料化学、ナノテクノロジー、ナノメディシン。
材料とバイオを使ったゲームチェンジングテクノロジーを生み出すべく、
様々な研究手法を組み合わせた学際的研究を進めています。

研究者からのメッセージ

世界規模の食糧問題に挑戦

環境破壊等により、ミツバチなど、花粉を媒介する自然界の生物が激減しています。また、農家の人手不足は重要な社会問題となっています。これらの問題を解決すべく、これまでシャボン液に花粉を混ぜ果樹を授粉させる技術などを開発してきました。当該技術の一端は、世界中の情報メディアにおいて注目の技術としてクローズアップされています。世界の食料問題を解決する究極の全自動花粉交配技術を是非一緒に開発しましょう!