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膜タンパクを高感度に認識する抗体誘導技術 【用途例】本技術を活用し、膜タンパクを認識する新たな抗体製品を開発する
本技術は、これまでに製造することができなかった膜タンパクに対する抗体(ポリクローナル抗体・モノクローナル抗体)を取得可能な新規免疫技術であり、本技術を共同研究先企業で活用(技術移転)あるいは本免疫技術で作製した抗体を販売することで、膜タンパクに対する新たな抗体を活用した抗体試薬・抗体診断薬・抗体医薬品の開発・販売が可能になる。
基礎研究において、特定の細胞を認識する抗体製品の需要は極めて高く、例えばフローサイトメトリーにおいては、蛍光色素を修飾した抗体をプローブとして特定の細胞を標識し、その細胞群の存在割合を解析するが、標識抗体として用いるのはほとんどが膜タンパクに対する抗体製品である。特に、ニッチな細胞集団はある特定の膜タンパクの発現が上昇していることが多く、特定の膜タンパクを高感度かつ特異的に検出できる抗体は、がん領域や免疫領域の研究を加速的に発展させることが期待できる。また、既存の抗体医薬は膜タンパクあるいは液性のサイトカインを治療標的としており、膜タンパクに対する特異性の高い抗体は、治療標的性を高め、予期せぬ副反応の発現を抑えることが可能となる。
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海洋プラスチックごみ問題解決に貢献へ 多糖類を基盤とした海洋生分解性バイオプラスチックの研究開発
【用途例】汎用プラスチックを海洋生分解性バイオマスプラスチックへの代替により
海洋プラスチックごみの解決策を提供
PEやPPのような汎用プラスチックは安価、軽量、自在な成形性による高い意匠性・デザイン対応性などの特性で、我々の日々の生活を豊かにしてきました。また、プラスチック産業は化学産業の中心を担い、包装産業などの製造業を支え、日本経済の発展に大きく寄与してきました。しかしながら、プラスチックの多くが自然環境中で生分解しないことにより、海洋プラスチックごみをはじめ、大きな社会問題として危惧されています。本研究ではデンプンと生分解性プラスチックとブレンドすることにより海洋生分解性バイオマスプラスチックを開発します。海洋生分解性を誘発するスイッチ機能、多糖類ブレンドプラスチックの開発、多糖類複合/ブレンドプラスチックの海洋生分解性評価の三つの項目を実施します。本研究の成果を基に、材料の複合化/ブレンドによる多糖類を基盤とする海洋生分解性プラスチックの実用化へとつなげることで、海洋汚染の低減と温室効果ガス排出量の大幅削減が達成できます。開発品の実用化により、プラスチックごみが海洋に流出しても生分解によりごみ量は増えることなく、将来的には海洋プラスチックごみの削減に大きく貢献します。
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人工衛星の自律的な画像認識と姿勢制御による効率的なリモートセンシング 【用途例】人工衛星の自律的な画像認識と姿勢制御による効率的なリモートセンシング
衛星から地上を観測する際に、雲などの観測対象の障害となり撮像を効率的に行えないことがあります。このような場合、一度、地上局に画像をダウンリンクして、撮像の目的を達成できたか地上局にて人間が確認したうえで、再撮像のコマンドを衛星に送信する必要があり、地上局での画像の取得に時間を要してしまいます。
そこで、本研究では人工衛星の姿勢制御技術と自律的な画像認識技術を融合させ効率的な衛星運用、さらにはリモートセンシングを達成します。本研究では多様な観測対象を認識するのではなく、雲などの観測の障害に絞って認識させることで、軽量なネットワークでの画像認識を行います。さらに姿勢制御技術と合わせて自律的に障害を避けて観測します。
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GaN-HEMTデバイスの高周波駆動による超小型系統連系インバータの開発
【用途例】エネルギーデバイスを電力系統へ接続する電力変換器を
次世代デバイスとその使いこなしにより高性能化します!
安心・安全な社会の実現のため,電気エネルギーの安定的な確保というのは重要です。近年,需要家サイドに設置される太陽光発電や,エネルギー貯蔵能力のあるEVの普及が進み,災害時に広域の電力系統に頼らないエネルギー供給が可能な環境が整ってきました。それら直流のデバイスを従来の機器で使用する,または複数をネットワーク化して利用しやすくするためには,電力を制御する電力変換器(=インバータ)が必要です。しかしこれまでのインバータではすでに従来型電源によって確立した電力系統に連系することしかできませんでした。災害時や移動先のような独立したネットワークにおいてこのようなエネルギーデバイスを利用するためには,自律的に連系ができる「プラグ・アンド・プレイ」が可能な電力ネットワークおよびインバータが必要です。そこで各エネルギーデバイス単位で最も標準的な電力ネットワークの規格ともいえる交流に変換すれば,高度なエンジニアリングを必要とせずに手軽に様々なエネルギーデバイスを利用することが可能になります。このことは,さらなる再生可能エネルギー利用につながるほか,レジリエントなエネルギーインフラの実現を後押しし,現代の社会的な要請に応えることができます。
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低環境負荷デバイス応用に資する高性能ナノカーボン電極材料の開発 【用途例】IoTデバイス向け自立型電源としての低環境負荷発電応用にむけて
ナノカーボン物質は、優れた電気伝導性、導電性、比表面積の大きさ、広い電位窓や汚染耐性など、金属材料を凌駕する電気化学特性を示すことから、次世代導電性材料として注目を集めています。構造柔軟性と伸縮性を併せ持つことから成形自由度も極めて高く、蓄電応用、透明導電膜、バイオ・医療など幅広い分野での応用が期待されています。
しかし、これほど魅力的な素材でありながらも、社会においては素材として上市されるにとどまっています。これはデバイスとしての機能を引き出すための段階である、改質・成形に関する研究開発が不十分なために他なりません。我々はナノカーボン物質の改質・成形に関する技術開発に注力するとともに、IoT向けデバイス利用に向けた性能評価も合わせて検討し、高性能ナノカーボン電極材料の創出を目指しています。
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フラストレイテッドルイスペアを利用したイオンペアセンサーの開発 【用途例】いつでも、どこでもイオンセンシング
IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を用いた自動化の発展を背景に、センシング技術の重要性は高まる一方です。なかでも、環境モニタリングシステムや生体センサーの需要にともなって、有害物質や代謝物などに含まれるカチオン(正電荷種)やアニオン(負電荷種)といった電荷を有する化学種(イオン種)を検出するイオンセンサーが注目を浴びています。
本研究では、イオンペアと相互作用を示す新規分子を基盤として、あらゆるイオン種に対するリアルタイムセンシング材料を開発します。
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熱機関を利用しない低品位なバイオマス・褐炭による高効率・低温作動の発電方法の開発 【用途例】高効率化によりバイオマス発電の普及に貢献
熱機関を利用した従来の発電方法によるバイオマス、褐炭からの発電効率は10~30 %程度と低く、バイオマス、褐炭発電が普及しない大きな一因となっている。発電効率が低い第一の原因は、天然ガスや高品位の石炭よりも著しく低い発熱量にも拘わらず、まず燃焼により熱エネルギーに変換する点にある。燃焼により熱エネルギーに変換すれば、そもそもエクセルギーの損失が大きいが、発熱量が低いため得られる温度レベルが低く、さらに損失が大きくなってしまう(図左)。したがって、バイオマス、褐炭を用いた発電を従来の実績を大きく上回る50 %以上の高効率とするためには、エクセルギー率の低い熱エネルギーへの変換に依存しない新たな変換方法の開発ができるかどうかに懸っている。
そこで私たちは、金属イオンを媒体にバイオマス、褐炭を適切な化学エネルギーに変換することでエクセルギー損失を小さく抑え、さらにその化学エネルギーを電気エネルギーに変換するプロセスを提案し(図右)、研究開発を進めている。
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省エネルギーで製造可能な電子デバイスを目指した、自己組織性を有するN型有機半導体材料の開発
【用途例】自己組織化により配向制御された高品質なN型有機半導体薄膜を
高速で製造することが可能
省エネルギーで製造できる有機半導体材料の中でも、分子が自発的に凝集構造を形成する自己組織化有機半導体材料に注目することで、溶液プロセスでの製膜性と良好な電気特性を有する有機半導体薄膜が作製できます。本研究開発では、特に実現が困難な高品質なN型の有機半導体材料の実現を目指します。この自己組織化を有するN型有機半導体材料では、移動度が高く、結晶粒界方向を制御でき、さらに分子配向制御が可能です。これらの特徴を利用することで、高効率の光電変換素子や熱電変換素子が省エネルギーで製造できるようになると期待できます。
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前処理・添加剤・接着剤フリー!プラスチックフィルム向けレーザ接着装置の開発 【用途例】接着が変わると何が変わる?幅広い分野・業種での利用を期待
接着技術は、モノとモノをつなぎ合わせる手法であり、精密機器から家電、大型機械まで様々な対象に利用されています。特に近年では、様々な業界において金属部品の樹脂化と合わせて、軽量化に利用されてきました。また、高強度・高耐性を有するスーパーエンジニアリングプラスチックの利用も軽量化を後押ししていると言えます。
一方で、高強度・高耐性を有する樹脂ほど接着が困難であり、質量の増加・耐性の低下を招く接着剤の利用や、性能低下を生じる添加剤による素材の可溶着化、工程の増加・管理が複雑となる特殊な前処理の導入が行われています。すなわち、「どこにでも使える優れた樹脂ほど応用方法・範囲が限定される」という矛盾を抱えていました。
そこで本研究では、本研究室の固有技術である、高強度樹脂フィルムを対象とした「前処理・添加剤・接着剤フリー」なレーザ接着技術を発展させ、この矛盾の解決を目指します。
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フレキシブル有機エレクトロニクスによるウェアラブル生体インターフェースの構築
【用途例】デジタルヘルスケア・AR/VR/MR技術に応用・融合が可能な
装着感の極めて小さいウェアラブルデバイス
世界の中でも「課題先進国」と呼ばれる日本が抱える社会課題のひとつは少子高齢化問題です。数値的には、生産年齢人口の割合低下(2060年には対総人口51.6 %)、高齢者の増加(2050年には対総人口40 %が65歳以上の高齢者)が予測されています(平成29年度国土交通白書より)。これによって具体化する社会課題は高齢化にかかわる医療・介護労働力需要増と社会保障費の増大であり、我々研究者には、新しい化学技術の開拓によってこの社会課題を解決するという使命が課されていると考えています。
本研究開発では、遠隔医療・日常的健康モニタリングのための新しいウェアラブルデバイスの姿を世界に示し、その実用化に向けて企業との共同研究開発を推進してきたいと考えています。
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低エネルギーな長波長光を励起光源とする超高感度蛍光顕微鏡システムの開発
【用途例】低エネルギーな長波長光の高エネルギーな短波長光への変換は
様々な分野で注目
試料を染色した色素からの発光を検出・観察する蛍光顕微鏡技術は、発光検出の高感度性や染色部位の選択性による環境識別などの観点から化学や生命科学、医学分野を中心に広く用いられています。当該技術においては光子エネルギーの大きな紫外~青色光が励起光として広く用いられていますが、これらの光は発光性色素のほかに細胞などの生体試料を構成する物質や顕微鏡の光学部品をも励起して発光を与えてしまうことがあります。このような現象は「自家蛍光」と呼ばれ、得られた顕微鏡画像のノイズとなって解像度を低下させる原因となります。また、紫外~青色光は生体透過性が低く、試料内部に励起光が到達しないため、内部の情報を得ることができないという課題も残されています。
本研究ではこれらの課題を一挙に解決するために、複数個の低エネルギーな光子を利用して高エネルギーな励起状態を生み出す「フォトンアップコンバージョン現象」を利用して低ノイズ・高輝度な画像を与える蛍光顕微鏡システムを、「色素システム」と「光学システム」の両面から開発します。
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量子コンピュータの実現に向けた、インターフェースハードウェア技術 【用途例】量子コンピュータに向けた、多くの量子ビットの集積を可能にする
極低温インターフェースを開発することで、量子計算回路と制御装置の間にある拡張性のギャップを埋めることが本提案です。量子計算機は、量子性を情報処理に応用し計算を高速に実行できる新原理の装置です。情報処理量が爆発的に増加し続ける現代社会においてその計算能力は要求がさらに高くなっています。量子計算機を実現し得る分野の一つとして、近年、超伝導量子回路は目覚ましい成長を遂げてきました。実装されている量子ビット数は百個に届こうとしていますが、この集積数では到底、社会や産業の実用に足らないのが現状です。現在、量子計算回路と制御機構との間にはスケールアップする際に繋目の問題があり、量子計算回路だけでなくその周辺機器も集積に合わせて刷新しなければいけません。その機器の一つが量子ビットを制御する配線です。配線数を量子ビットの数につれて増やすのは、周辺機器を構築する際に現実的ではないのです。このような現状を打開するために、シームレスな拡張を可能とする新規な極低温用超伝導インターフェースを提案し、極低温下で動作するマルチプレクサー型の信号分配器を開発します。この超伝導マルチプレクサーは、低消費電力、拡張性、マイクロ波技術の移植性という量子計算機の実現にとても魅力的な特徴を備えています。この提案は、量子ビットの集積に欠かすことのできないシームレスな配線の拡張を目指すものです。
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ナトリウムイオン電池の大容量化に資する新奇材料開発 【用途例】低コスト蓄電池
我が国の二酸化炭素排出量は電力由来が37%と最大を占めます。総量4.5億トンを占める電力由来の二酸化炭素排出を抑制しカーボンニュートラルを達成するためには、脱炭素化効果のある設備導入が必須であり、全電力供給のうち洋上風力発電などの再エネ比率を50%以上に押し上げる必要あると試算されています。
中でも洋上風力発電は陸上に比べ大きな風力を持続的に得られるため、安定かつ大電力を供給でき、また大規模発電による発電コストが火力並みに低いことから「経済性を確保できる再エネ」として広く注目されています。
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ワイヤレス給電を用いた高強度磁界発生技術の開発 【用途例】従来の強磁性体に代わり、コンパクトかつ高強度磁場発生を実現
2050年のカーボンニュートラルに向けて、運輸部門をはじめとする動力の電動化が注目されています。その中で、コンパクトかつ高出力な次世代モーターの開発が課題とされています。従来は、強磁性材料を用いるためモーターのコンパクト化と高出力化はトレードオフの関係にあるとされていました。一方、超電導材料を用いたモーターは出力/重量比の飛躍的な改善が期待されています。しかし、超電導材料は冷却して使用する必要があり、電流を導入する端子からの熱侵入による冷却効率の低減が課題です。そのような中で、本研究では、熱侵入が限りなくゼロになる革新的な超電導システムを開発し、出口イメージとしてモーターなどへの展開に向けた高強度磁界の発生を目指します。そのために、我々の持つ技術シーズである新たな電気素子である「超電導ダイオード」を要素技術として研究開発を加速していきます。
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高温環境下でのスマート渦電流センサによる新検査システムの開発
【用途例】石油化学、石油精製、一般化学、水素、電力、ガス、インフラ業分野の
保全・保安業務のスマート化
石油化学、石油精製、一般化学、電力、ガス、インフラ業種企業において、保全・保安業務へのスマート化投資により安全性・収益性の双方が向上したと報告されています。特に、異常の早期対応および安定稼働、危険な現場の点検作業、配管の腐食予測など従来把握できなかった状態の監視や故障の予測は、持続的な社会を目指す上で必要です。
本研究開発では、プラント設備のスマート保安保全の高度化を目的に、これまでの渦電流センサに関する技術シーズを活用し、高温環境下にさらされる金属部材の損傷の可否を監視するスマート渦電流センサを利活用した新検査システムを開発します。本検査システムの特徴は、非接触かつ高温や蒸気などの耐環境性に強い非破壊検査が可能で、過酷な環境下であっても人に替わってプラント等稼働中での損傷状態を監視できる効果があります。ワイヤレス通信で監視することで高度な保安・保全業務サービスを社会へ提供します。
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