2021年度公募 seeds-2007 - 【関東】 量子コンピュータの実現に向けた、インターフェースハードウェア技術
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VISION

ビジョン

超伝導量子コンピュータのボトルネックである配線の問題を解決し
実現に貢献する

超伝導量子コンピュータの実現に向けた超伝導量子マルチプレクシング回路の開発

極低温インターフェースを開発することで、量子計算回路と制御装置の間にある拡張性のギャップを埋めることが本提案です。量子計算機は、量子性を情報処理に応用し計算を高速に実行できる新原理の装置です。情報処理量が爆発的に増加し続ける現代社会においてその計算能力は要求がさらに高くなっています。量子計算機を実現し得る分野の一つとして、近年、超伝導量子回路は目覚ましい成長を遂げてきました。実装されている量子ビット数は百個に届こうとしていますが、この集積数では到底、社会や産業の実用に足らないのが現状です。現在、量子計算回路と制御機構との間にはスケールアップする際に繋目の問題があり、量子計算回路だけでなくその周辺機器も集積に合わせて刷新しなければいけません。その機器の一つが量子ビットを制御する配線です。配線数を量子ビットの数につれて増やすのは、周辺機器を構築する際に現実的ではないのです。このような現状を打開するために、シームレスな拡張を可能とする新規な極低温用超伝導インターフェースを提案し、極低温下で動作するマルチプレクサー型の信号分配器を開発します。この超伝導マルチプレクサーは、低消費電力、拡張性、マイクロ波技術の移植性という量子計算機の実現にとても魅力的な特徴を備えています。この提案は、量子ビットの集積に欠かすことのできないシームレスな配線の拡張を目指すものです。

USE CASE

最終用途例

量子コンピュータに向けた、多くの量子ビットの集積を可能にする

USE CASE 01より多くの量子ビットの集積に向けて

APPLICATION

APPLICATION

極低温に置かれる量子回路と室温に置かれる制御装置の間をシームレスにつなぐ新たなインターフェース

新たな超伝導マイクロ波インターフェース技術を確立することで、超伝導量子回路素子が将来的により大きく、量子ビットがより集積されるようになったとしても、その集積度に対して導入する配線の本数を一定水準に保つことが可能になると考えられ、量子コンピュータを構築するうえで必須となりうる技術です。

USE CASE 02様々な量子ビットに

APPLICATION

APPLICATION

量子ビットの材料に依存しない極低温インターフェース

極低温インターフェースはマイクロ波を適切に複数の量子ビットに分配する部品であるため、対象となる量子ビットがマイクロ波の帯域で動く限り、その量子ビットの物理系には関係なく使用可能である。そのため、今後、超伝導以外の材料が台頭してきたとしても、基幹部品となると予想される。

STRENGTHS

強み

実機での実験開発が可能

STRENGTHS 01

超伝導マイクロ波回路を極低温下で実測し、開発することは大きなハードルがあります。

超伝導マイクロ波回路を測定するには、希釈冷凍機が必要ですが、この実験が最も開発でハードルが高い部分であると思われます。この部分は私共解消可能です。

STRENGTHS 02

超伝導マイクロ波回路の制作可能

超伝導マイクロ波回路の作成には、超伝導のマイクロ波回路の設計知識、超伝導回路のナノスケールでの作成技術などが必須であり、これらのノウハウを持っているため、一般的なマイクロ波回路技術を私共の技術で極低温用の量子コンピュータ向けにつなげることができると思われます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

超伝導マイクロ波回路と量子コンピュータ技術

TECHNOLOGY 01

超伝導マイクロ波回路は超伝導薄膜とジョセフソン接合を用いたマイクロ波回路

ジョセフソン接合を使った、超伝導回路の作成技術があります。この技術を使って、極低温用スイッチと、これまでにない極低温用マイクロ波マルチプレクサーを開発することを目指しています。

TECHNOLOGY 02

量子コンピュータハードウェア技術

超伝導量子コンピュータの開発を行っているため、その内部に必要とされている技術について多くのノウハウがあると思われます。この知識と通信などで使われるマイクロ波回路設計技術を組み合わせることができると考えます。

PRESENTATION

共同研究仮説

量子コンピュータの基幹マイクロ波部品をともに開発しましょう

共同研究仮説01

いまだ大規模量子コンピュータのハードウェアは開発途上

量子コンピュータの開発と聞くと関係する企業は少ないように聞こえるかもしれませんが、実際には、広大な分野に跨る装置なため、むしろとても多くの企業がハードウェアの開発に参入できる余地が大いにあると思っております。

共同研究仮説02

それぞれの強みを活かして、基幹部品をともに作りましょう

我々は量子コンピュータ全体について研究しています。しかし、部品一つ一つは一般的なマイクロ波部品などがほとんどです。しかし、大きさや、帯域様々問題があるのでそれを極低温下で動くようにしたいと思っています。企業のマイクロ波のノウハウと、我々の極低温でのノウハウがあれば、より良い部品を作れると信じています。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

向井 寛人 理化学研究所 超伝導量子シミュレーション研究チーム
理化学研究所 基礎特別研究員
経歴

2016年 東京理科大学 理学部 物理学科卒業

2018年 東京理科大学大学院 理学研究科 物理学専攻 修士修了

2021年 東京理科大学大学院 理学研究科 物理学専攻 博士修了

 

2017年 ~ 2021年 理化学研究所 超伝導量子シミュレーション研究チーム 研究パートタイマー

2021年 東京理科大学 理学研究科 ポストドクトラル研究員

2021年 7月~ 理化学研究所 超伝導量子シミュレーション研究チーム 特別研究員

2021年 ~ 現在 東京理科大学 総合科学研究員 客員研究員

2022年 ~ 現在 理化学研究所 超伝導量子シミュレーション研究チーム 基礎特別研究員 

 

CREST 超伝導人工原子を使った光子ベースの量子情報処理(代表 蔡) 学生 共同研究員

NEDO  革新的なアニーリングマシンの研究開発事業 学生 共同研究員

NEDO  NEDO IOT 新原理コンピューティング 共同研究員

Moonshot 目標6 ①超伝導量子回路の集積化技術の開発 共同研究員