2022年度公募 seeds-2418 - 【近畿】 電力変換回路の効率的な設計に資する高精度なパワーMOSFET特性測定
  • エレクトロニクス
  • 自動車・機械
  • インフラ(資源・エネルギー)
  • IT・通信
  • 電気通信・半導体
  • 次世代デバイス
  • #パワエレ
  • #電力変換回路
  • #パワーMOSFET
  • #回路シミュレーション
  • #特性測定
VISIONビジョン

このシーズに
問い合わせる

VISION

ビジョン

次世代パワーMOSFETの優位な特性を引き出す電力変換回路の実現に貢献

回路シミュレーションモデル高精度化に向けた特性抽出手法の開発

本研究では、実動作環境を考慮した容量特性および劣化特性の測定手法を開発します。開発技術の根幹となるのは、ダブルパルス試験回路あるいは抵抗負荷回路を駆動した際の実動作波形から容量特性および劣化特性を抽出する点にあります。両回路ともに、パワーMOSFETのスイッチング特性評価に使用される回路であり、高価なインピーダンスアナライザを必要とせず安価、容易、かつ正確な測定が可能となります。測定した特性を用いて回路シミュレーションモデルを構築することで、電力変換回路の性能を早期に予測可能になります。

USE CASE

最終用途例

回路シミュレーションによる設計早期における電力変換回路の性能予測

USE CASE 01SiCやGaNの優れた特性を十分発揮する電力変換回路を容易に設計可能

APPLICATION

APPLICATION

回路設計時の性能確認

電力変換回路の損失や過渡的な特性の変化を予測が可能になります。試作による金銭的、時間的コストの大幅な削減に寄与します。回路シミュレーションデータは、設計資産として次世代回路設計に活用し効率化できます。

USE CASE 02新たなアプリケーションの創出

APPLICATION

APPLICATION

次世代パワー半導体ならではの新たなアプリケーションの創出

試作に依らず計算機上で試行錯誤を行うことができるため、従来のパワーデバイスがそのまま置き換えられる特性が要求されるのみでなく、SiCとGaNならではの新たなアプリケーションを創出が期待できます。

STRENGTHS

強み

既存特性手法よりも高精度かつ安価な特性測定

STRENGTHS 01

実際のスイッチング特性を考慮

既存手法は特定バイアス条件下で測定されるのに対し、開発手法はスイッチング波形から特性を抽出するため、実動作環境を考慮した高精度な特性測定が可能になります。また、高価なカーブトレーサを使用すること無く、実験室で作成可能な簡易な回路を用いたスイッチングであるため、安価に測定可能になります。

TECHNOLOGY

テクノロジー

データシートからは読み取れない特性の測定

TECHNOLOGY 01

実際に駆動させたときの特性の正確な抽出とモデル化

データシートには特定バイアス条件下での限られた特性が記載されたのみで、スイッチング波形や損失等の予測に役立てるには困難です。本提案では、簡易なスイッチング回路で動作させて特性を測定します。すでに、回路シミュレーションモデルは、パワーエレクトロニクス分野の最重要国際論文であるIEEE Trans. Power Electron.等、複数の論文誌・国際会議で発表済です。本研究で開発する特性測定手法と併せることで、高精度な回路シミュレーションが可能となります。

PRESENTATION

共同研究仮説

モデリング技術の国際標準化を視野に入れた回路シミュレーションによる回路設計の効率化

共同研究仮説01

様々なデバイス構造に対する適用と標準化に向けた活動

トレンチ構造など様々な構造に対する開発手法の適用可能性の評価

“・パワーMOSFETデバイスメーカ(デバイスの提供と開発手法の適用による課題の抽出。標準化活動に向けた活動)
・回路設計メーカ(開発手法の適用による課題の抽出および回路シミュレーションの適用)”

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

新谷道広 京都工芸繊維大学
電気電子工学系(准教授)

経歴

2005年3月広島市立大学情報科学研究科博士前期課程修了。2005年4月松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)半導体社 入社。2008年4月から2011年3月から株式会社半導体理工学研究センター出向。2014年京都大学大学院情報学研究科博士後期課程修了。2014年10月より、京都大学大学院情報学研究科 特定助教を経て、2017年5月奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 助教に着任。その後、2022年3月に京都工芸繊維大学 電気電子工学系 准教授に着任し現在に至る。博士(情報学)。集積回路の設計自動化およびパワーエレクトロニクスの回路シミュレーションに関する研究に従事。

研究者からのメッセージ

設計の効率化によるパワーエレクトロニクスのイノベーションを支える

SiC、GaNに代表される次世代ワイドバンドギャップ半導体の開発とその基礎研究では日本はこれまで世界の先頭を走っています。今後、次世代パワー半導体の優位な物理的特性を生かしたイノベーションを生み出すためには、回路シミュレーション技術に基づく徹底的なコスト削減が不可欠です。本開発による測定技術そして回路シミュレーション技術が、これを支える一助になれば大変幸いです。