2020年度公募 seeds-0314 - 【関東】 ペプチド自動合成を活用した合金触媒の超並列探索技術の開発
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VISION

ビジョン

あらゆる業界で環境負荷の小さい持続可能な物質生産プロセスを実現する触媒の創製

サブナノ粒子の合金触媒を「網羅的」かつ「高速」に探索するシステムを開発

合金触媒を設計する際のパラメーターは「活性点金属種の組み合わせ」「担体の種類」「粒径」「分散度」など多岐に渡っており、新触媒の実用化には多大な時間とコストが必要です。
我々はペプチド自動合成技術を活用することでサブナノ粒子触媒を精密に得ることに成功しました。これを活用して単一元素のみならず合金触媒を自動的に生成することを目指します。
今後は、原子の組成パターン拡充、触媒スクリーニング評価の整備、機械学習を用いたフィードバックシステムの構築を行うことで、新触媒を網羅的かつ高速に探索する仕組みを形成します。

環境低負荷な物質生産プロセスを叶える革新的触媒の設計により持続可能な社会の実現に貢献する

触媒を迅速かつ正確に合成しスクリーニングする探索システムの実現により、貴金属に頼らない排ガス浄化触媒や燃料電池触媒、CO2やメタンなどの余剰物質からバルクケミカル資源を製造する高性能触媒を提供します。
このように触媒をキーワードに、自動車業界、エネルギー業界、化学業界をはじめとするあらゆる業界で持続可能な物質生産プロセスを実現します。

USE CASE

最終用途例

あらゆる分野で活用可能な高機能触媒の提供

USE CASE 01自動車

APPLICATION

APPLICATION

自動車の排気ガス浄化触媒としての活用

これまで金属サブナノ粒子触媒特性を数多く明らかにしてきております。例えば、燃料電池カソードのORR反応や炭化水素の酸化反応等に応用することが可能です。

USE CASE 02バルクケミカルの製造

APPLICATION

APPLICATION

再生資源製造用触媒としての活用

オレフィンの水素化反応を活用して、CO2やメタンなどの余剰物質からプラスチック原料として重要なバルクケミカル資源をクリーンかつ安価に製造します。

USE CASE 03その他あらゆる触媒の合成

APPLICATION

APPLICATION

研究用触媒としての活用

あらゆる組成の触媒を合成可能なため、特定の性質をもった触媒をオーダーメイドすることもできます。研究で使用するような、特性の物質に反応する触媒を合成します。

STRENGTHS

強み

合金触媒を網羅的かつ高速に探索し、高い活性反応を示す触媒を提供可能

STRENGTHS 01

合金触媒探索における網羅性・効率性の両立と高活性触媒の提供

本研究では、サブナノ粒子のあらゆるパターンの原子組成の触媒を、ペプチド自動合成技術を活用することで効率的に生成できることが強みです。生成した触媒は組成によっては、極めて高い触媒反応を示します。触媒探索の効率化という点では、データ駆動型と相補的なものとなります。

TECHNOLOGY

テクノロジー

ぺプチド自動合成の活用

TECHNOLOGY 01

ペプチド自動合成を用いたサブナノ粒子の高活性触媒探索技術

合金触媒を設計するうえでは、まずは合金が得られるか否かが重要となります。「相分離」という現象が起こると合金は得られません。相分離とは、結晶性を持つ異種原子同士を組み合わせることで、単一の均一混合物が分離することを言います。
本研究が対象とする非結晶性のサブナノ粒子を利用すると、相分離を回避し、網羅的に触媒を探索することができます。本研究ではこのサブナノ粒子の効率的スクリーニングを可能とする新しい自動合成法を提供します。具体的にはペプチドの側鎖に金属錯体を結合し、これを自動合成後に還元するだけで合金触媒を生成でき、効率的な触媒探索が可能となります

PRESENTATION

共同研究仮説

網羅的かつ高速な触媒探索システムの開発に向けて

共同研究仮説01

あらゆる組成パターンでのサブナノ粒子触媒の試験

想定している共同研究

現在はPt単体の触媒の合成に成功しており、Ir,Rh,Pd,Rh等の他元素にも拡張を進めています。共同研究では、合金組成の種類、組成パターン、粒径(構成原子数のこと)パターンを拡充して触媒を生成したいと考えています。

共同研究仮説02

スクリーニング評価基盤の整備

想定している共同研究

触媒反応を並列に探索するためには、シート上に合成したペプチドアレイから構築したサブナノ粒子のアレイからそのまま触媒反応をスクリーニング評価できるようにする必要があります。ペプチドアレイのパターンと合致するような触媒性能評価シートの作成を共同で行いたいと考えております。

LABORATORY

研究設備

金属サブナノ粒子を作る、見る、測る

LABORATORY 01

金属サブナノ粒子の合成・評価に必要な機材の完備

金属サブナノ粒子を合成するための設備や技術、原子レベルで観察するための電子顕微鏡、触媒特性や発光機能等を評価するための設備を有しており、金属サブナノ粒子の研究を進めるための環境を整えております。

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EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

今岡享稔 東京工業大学 科学技術創成研究院
経歴

2005年3月 慶應義塾大学大学院 理工学研究科 後期博士(博士)課程 修了
2005年3月 博士(理学)
2004年10月〜2009年12月 慶應義塾大学 理工学部 化学科 助手 (助教に名称変更)
2010年1月〜2014年2月 東京工業大学 資源化学研究所 助教
2014年3月〜2016年3月 東京工業大学 資源化学研究所 准教授
2015年10月〜2019年3月 科学技術振興機構「超空間制御」領域 さきがけ研究者(兼任)
2016年4月〜 東京工業大学 科学技術創成研究院 准教授(組織改編による)

研究業績等:http://www.res.titech.ac.jp/~inorg/member/imaoka/

研究者からのメッセージ

サブナノワールドへのお誘い

金属サブナノ粒子は触媒として世の中で広く用いられている金属ナノ粒子を超える可能性を持った材料です。しかし、これまでその合成法や評価方法がなく、基礎研究に留まる未開拓分野でした。我々は本研究で提案するペプチド鋳型合成法以外にも多くのサブナノ粒子に関する合成技術や観測技術、評価方法や扱いに関するノウハウを開発しており、サブナのワールドを開拓してきた世界的にも屈指の研究グループです。今後は基礎研究のみならず実用化を目指し共同研究を推進してゆきたいと考えておりますので、サブナノ粒子研究にご興味をお持ちの企業様よりお問い合わせをお待ちしています。