2024年度公募 seeds-5240 - 【東海】 高効率なe-reactionで実現するカーボンニュートラルなCO2変換場の創製
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VISION

ビジョン

e-reactionで実現するカーボンニュートラルなCO2変換システムの開発

持続可能な未来へ:CO2処理の新時代を切り開く革新技術

産業プロセスから排出されるCO2を効率的に処理する革新技術を開発する。従来のCO2分離・濃縮プロセスを簡略化し、空気成分が混在したままのCO2を直接処理することで、CO2吸収塔や貯留タンクを不要にし、設備や運転コストを大幅に削減する。これを、外部加熱を必要としないauto-methanationと、再生可能エネルギーを活用したe-Reactionプロセスによって達成し、カーボンニュートラル化を加速させる。環境負荷を減らし、有価資源を創出するこの技術で、持続可能な社会の実現を目指す。

USE CASE

最終用途例

CO2削減と資源創出を同時に目指す産業プロセス

USE CASE 01e-reactionによるCO2処理で発電所・産業排ガスから低コストで有価物を生成

APPLICATION

APPLICATION

発電所排ガスからの合成ガス製造

発電所の排ガスを、メタン化および改質によって合成ガスを生成し、エネルギーの再利用と環境負荷の低減を同時に達成します。従来のCO₂処理設備が不要となり、設備コストや運転コストの大幅な削減が可能です。

STRENGTHS

強み

再生可能エネルギーによる微小な電力でも化学反応を推進

STRENGTHS 01

発熱エネルギーの効率利用で投入エネルギーを削減する技術

化学反応の進行に伴う発熱エネルギーを効率的に利用することで、外部からの投入エネルギーを大幅に削減し、微小な電力の投入でターゲットとする反応を推進する。

TECHNOLOGY

テクノロジー

低電力で高いCO2変換率を達成:通常の加熱式を凌駕

TECHNOLOGY 01

反応場の安定な電流分布による効率的なCO2変換

微小電力で加熱した構造体触媒(反応器内の温度や圧力を均一化するシステム)がメタン化反応を駆動させる現象を発見した。わずか数W(消費電力が小さなLED電球の1/3~1/4倍程度)の電力で80%以上のCO2を変換する。従来の加熱方式のシステムと比較して1/5倍小さな電力の使用でCO2変換を達成している。

PRESENTATION

共同研究仮説

持続可能なCO2排ガス処理システムの共同開発に向けた企業連携

共同研究仮説01

e-reactionによるCO2排ガスの高効率処理

e-reactionによるCO2処理特性と社会実装の検証

CO2を効率的に処理し、合成ガスを製造する革新触媒システムを開発します。微小電力投入によるメタン化とメタンの改質を統合することで、従来のCO2分離・濃縮設備を不要とし、コスト削減と効率向上を目指します。また、電力可変型触媒システムをスケールアップし、商用化可能なCO2処理技術の創生を目指します。

RESEARCHER

研究者

渡部綾 静岡大学学術院 工学領域 化学バイオ工学系列 准教授
経歴

2009年~2011年 早稲田大学先進理工学部応用化学科 助手
関根泰教授の研究室にて従事
・「触媒の格子酸素と水蒸気との相互作用をともなう酸化還元反応の開拓」

2011年~2017年 静岡大学工学部物質工学科 助教
福原長寿教授の研究室にて従事
・「機能性複合酸化物触媒と化学反応システムの融合」

2018年~現在 静岡大学学術院 工学領域 化学バイオ工学系列 准教授
福原長寿教授と協同して研究室を運営
・「硫化物のレドックス機能制御による触媒プロセスの開発」
・「CO2変換を推進する構造体触媒システムの創製」
・「CO2から固体Cを製造する多段反応システムの研究」
・「直接電気励起で創る構造体触媒システム(e-Reaction)の創製」

研究者からのメッセージ

革新触媒技術で産業排出CO2を有価資源へ変換する未来

産業排ガス中のCO2を効率的に処理し、有価資源である合成ガスへと変換することを目指した本研究は、企業のカーボンニュートラル化を大きく前進させる革新的な技術です。本技術は、空気成分が混在するCO2をそのままメタン化処理し、分離設備や外部加熱を必要としないため、大幅な設備と運転コストの削減が可能です。また、生成されたメタンを改質し、有価な合成ガスを製造することで、環境負荷の低減と持続可能な資源循環を実現します。このプロセスは再生可能エネルギーの利用も前提とし、CO2削減に貢献するだけでなく、エネルギーの持続性をも確保します。従来の技術では難しかった条件下で高効率なCO2処理が可能なため、企業が直面する環境対策の課題に対する強力な解決策となるでしょう。ともにこの革新的な技術を推進し、持続可能な未来を切り拓いていきましょう。