若手研究者産学連携
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本研究では、機械加工(切削・研削等)において、水のみを加工液として使用する一連の工作機械システムである水加工システム(電気防錆加工法システム)を提唱し、研究開発してきている。本システムは電気防錆加工法を登載して水加工を行う耐水耐食加工機(図の例では平面研削)と、加工後の水を浄化再生する水循環再生システムなどからなる。独自に提唱・開発をしている新システムであり、環境対応加工への関心の高まりから国内外で高評価を受けている。
【主な表彰】
2012年 砥粒加工学会賞熊谷賞、日本機械学会奨励賞(研究)、砥粒加工学会奨励賞
2013年 精密工学会技術奨励賞
2014年 文部科学大臣表彰 若手科学者賞など
水循環再生システムを使用すれば、逆浸透膜等を使用しているため、水中に含まれる様々な不純物粒子(切屑、脱落砥粒、錆、イオン、雑菌など)を、従来の濾過では除去が困難なイオンサイズ(~0.1nm)まで除去することができる。これにより残留切屑等での工作物のスクラッチを防ぎ、非汚染超精密加工が簡易にできると期待される。
【主な表彰※上記からの続き】
2018年 Young Researcher Award (KSPE at PRESM2018 International Symposium on Precision Engineering and Sustainable Manufacturing)など
共同研究仮説
水加工システムは、従来工作機械(機種・用途ごと)のほぼ全てに適用可能なプラットホーム技術である。水加工システムを各工作機械メーカーの各機種に登載できれば、製造業での環境負荷低減・CO2削減目標(2030年46%削減、2050年100%削減カーボンニュートラル)やSDGs達成に大きな貢献が期待できる。
水加工技術は様々な応用が考えられる。水循環再生システムでは、イオンまで除去できる浄化性能から除去しにくい汚染物(セシウムCsなど)も除去できる。また、海外等水質が異なっても水質調整ができる。この濾過や水質調整でのメンテ性や性能改良などが検討される。(他応用例:水を静圧媒体に利用した水スピンドル等)
研究設備
工場環境のクリーン化(汚れ・臭いなど防止)や作業者健康被害防止,加工廃液処理削減を目指して,生産現場で水加工機(図は平面研削機)による実際の製造(部品加工等)への利用を目指し,研究開発・検証を行っている.【産学連携・共同研究】
加工用水のリサイクルのほか様々な用途が考えられる水循環再生システムは、水加工機とのセット化のほか、その他の用途で単体での利用が考えられる。そこで、ビジネスの一環として単体での商用化を目指して、研究実験機と同等の浄化度・浄化流量(10L/min以上)でスリム化した商用実験機も開発している。
上記の他、油剤や防錆剤を使用せず、加工後の工作物を水中で長期保管する電気防錆水中保管法を開発している。付随して水から出した後も耐食性向上の被膜生成も開発(特許第5598841号).
その他、今後情報紹介(水加工ネットワーク):
http://web.cc.iwate-u.ac.jp/~nkawa/
イベント動画
研究者
■経歴
2006-2007 岩手大学工学部 助手
2007-至現在 岩手大学理工学部 助教
2014-至現在 浙江工业大学超精密加工研究中心 客座教授(兼業)
2019-至現在 理化学研究所 客員研究員(兼業)
2020-2021 浙江工业职业技术学院机械工程学院客座教授(兼業)
2020-至現在 南京星合精密智能制造研究院有限公司 海外特聘研究員(兼業)
■参考
世界に誇る岩手大学の先端研究pdfのp.17-18あたり
https://www.iwate-u.ac.jp/research/latest/pamphlet.html
水加工(電気防錆加工法)システムのための水循環再生系の部分的商用化の検討
https://michinoku-academia-startup.jp/michinokugapfund/mgf04/
CV(Curriculum Vitae): Naohiro Nishikawa
https://2018.presm.org/speaker/index.html?sgubun=2&event=7
特許:特許第5598841号、特許第6841500号等