2020年度公募 seeds-0312 - 【中国・四国】 より短時間での植物品種改良が可能になる、ゲノム編集酵素遺伝子の挿入が不要なゲノム編集技術の開発
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VISION

ビジョン

より短時間での植物品種改良技術により、ゲノム編集を用いた農作物育種の普及につなげる

植物における、ゲノム編集酵素遺伝子の挿入が不要なゲノム編集技術を開発

植物細胞には細胞壁があるため、植物における従来のゲノム編集技術では、遺伝子組換えによって、ゲノム編集酵素遺伝子を導入する必要があり、ゲノム編集後、遺伝子組換えによって導入したゲノム編集酵素遺伝子を欠失させる必要がありました。そのため、ゲノム編集が可能な植物種は、遺伝子組換えに対応した植物種に限定されており、また、ゲノム編集による品種改良にも長時間を要しています。本研究では、植物に適した独自の細胞壁透過ペプチドを用い、遺伝子組換えに頼らないゲノム編集酵素の導入を目指します。具体的には、ゲノム編集酵素に細胞膜透過ペプチドを付加させ、ゲノム編集酵素を直接、植物細胞に導入します。

ゲノム編集酵素の直接導入による簡便な農作物品種改良技術の開発

本研究では、遺伝子組換え技術を使わずに農作物を簡単にゲノム編集(品種改良)する『in planta ゲノム編集技術』を開発します。具体的には、細胞壁透過ペプチドを利用してゲノム編集酵素を農作物(オオムギ)へ直接導入することで、植物個体を直接ゲノム編集する技術を開発します。本技術によって得られたゲノム編集(品種改良)農作物およびその子孫は、遺伝子組換え作物に該当しない品種改良農作物です。したがって、法規制の対象外であると同時に、社会的(消費者)に受容されやすく、短時間で実用化できると期待されます。本研究で開発する技術は、農作物の品種改良プロセスを劇的に迅速化・簡略化する革新的技術です。

USE CASE

最終用途例

植物におけるゲノム編集を、遺伝子組換え技術に依存せずに実現可能に

USE CASE 01遺伝子組換え技術に依存しないゲノム編集技術であるため、さまざまな植物種において、より短時間での品種改良が可能になる

APPLICATION

APPLICATION

より幅広い植物種、より短い時間での、植物品種改良を実現

遺伝子組換え技術を用いないため、遺伝子組換えが確立されていない植物種でのゲノム編集が可能。また、ゲノム編集後におけるゲノム編集酵素遺伝子の欠失過程が不要となり、より短時間でのゲノム編集が可能。

MARKET

MARKET

食品メーカ、種苗メーカ、飼料メーカ

植物を扱う業種でしたら、本手法の活用が見込まれます。本手法を用い、より短時間での品種改良を実現することで、短時間での製品開発が可能となります。

STRENGTHS

強み

より幅広い植物種、より短い時間での、植物ゲノム編集技術

STRENGTHS 01

短時間での植物ゲノム編集技術により、効率的な品種改良実現

従来の植物ゲノム編集技術では、遺伝子組換えが必要であるため、適用できる植物種が限られており、また、品種改良にも長時間を必要としていました。本手法では、遺伝子組換えが不要であるため、適用可能な植物種は幅広く、また、品種改良までの時間が圧倒的に短くなります。

TECHNOLOGY

テクノロジー

既に細胞レベルでの実験には成功しており、本研究では植物個体レベルでの成功を目指す

TECHNOLOGY 01

植物培養細胞レベルでは、ゲノム編集に成功済み

ゲノム編集酵素(Cas9)に独自に開発した細胞壁透過ペプチド(CPP)を融合することで、細胞壁を有した状態の植物細胞内にゲノム編集酵素を直接導入する技術を開発しました(特許出願:2020-211301)。蛍光標識したCas9-CPP(細胞壁透過ペプチド融合型ゲノム編集酵素)を、植物細胞に添加するだけで、Cas9-CPPは核内に移行し、核ゲノムの編集(塩基欠失)を誘導することができます。

PRESENTATION

共同研究仮説

オオムギを中心に、ご希望の生物種・遺伝子にあわせて、ゲノム編集実験を計画可能

共同研究仮説01

本手法は、生物種・遺伝子に限定されない汎用的なゲノム編集技術

想定している共同研究

本研究では、オオムギを対象にin plantaゲノム編集プロトコルの確立を目指しますが、本手法は、他植物種にも適用可能です。また、原理上、対象遺伝子も幅広く対応可能です。そのため、オオムギを中心に、ご希望の生物種・遺伝子にあわせて、ゲノム編集実験を計画可能です。

LABORATORY

研究設備

本開発を行う環境・設備

LABORATORY 01

細胞壁透過ペプチド融合ゲノム編集酵素を作製する装置

細胞壁透過ペプチド融合ゲノム編集酵素(Cas9-CPP)を作製するためのタンパク質発現装置と、Cas9-CPPのタンパク質発現や酵素活性を評価するためにゲル撮影装置です。これらの装置を使用して、Cas9-CPPを高収量・高純度で作製することができます。

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EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

岩崎崇 鳥取大学 農学部
経歴

2009年03月 筑波大学大学院 博士後期課程 修了 博士(農学)
2009年04月 農業生物資源研究所 学振PD
2010年04月 鳥取大学 農学部 助教
2016年10月 同上 准教授

【特許実績】
特許第6202707号 新規細胞膜透過ペプチド
特願2020-211301 細胞膜透過ペプチドを利用した遺伝子組換えに頼らない植物ゲノム編集技術

【論文】
J. Control. Release, 210, 115-124 (2015)
Nat. Commun., 7, 10573 (2016)
Biosci. Biotechnol. Biochem., 81, 112-118 (2017)
BBRC., 501, 648-653 (2018)
Chem. Commun., 55, 9072-9075 (2019)
Molecules, 24, 2995 (2019)
BBRC., 533, 905-912 (2020)

【研究室HP】
http://muses.muses.tottori-u.ac.jp/faculty/itaka/index.html

研究者からのメッセージ

遺伝子組換えに頼らないゲノム編集(品種改良)を
より身近に、使いやすくします!

我々は遺伝子組換え技術を使わずに、植物細胞をゲノム編集する独自技術を持っています。本研究では、この独自技術を応用することで、遺伝子組換え技術を使わずに農作物の種子を簡単にゲノム編集(品種改良)する『in planta ゲノム編集技術』を開発します。本技術によって得られたゲノム編集(品種改良)種子と、この種子から発芽した農作物およびその子孫は、遺伝子組換え作物に該当しない品種改良農作物です。したがって、法規制の対象外であると同時に、社会的(消費者)に受容されやすく、短時間で実用化できると期待されます。本研究で開発する技術は、農作物の品種改良プロセスを劇的に迅速化・簡略化する革新的技術です。
もし『遺伝子組換えに頼らずにゲノム編集(品種改良)したい植物種』がありましたらお気軽にご相談ください。また、本技術は、オオムギだけでなく、藻類や菌類など、細胞壁を有した他の生物種のゲノム編集にも有効であると考えております。植物に限らずに、様々な生物種の品種改良に本技術『遺伝子組換えに頼らないゲノム編集技術』を応用していきたいと考えておりますので、ご興味がございましたらお気軽にお声がけください!