2020年度公募 seeds-0236 - 【近畿】 バイオマス関連テクノロジーを革新する有用微生物の濃縮技術の開発
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VISION

ビジョン

有用微生物の濃縮技術を活用し、バイオマス関連テクノロジーを革新

有用微生物の外場誘導濃縮による革新的エネルギー・物質変換システムの創成

生体模倣型の基板上に光の照射等で有用微生物を生きたまま・高密度・大面積で集積する独自技術「外場誘導濃縮」を駆使し(米Science姉妹誌に予備的成果が掲載(2020))、高速起動型環境浄化バイオ燃料電池の基盤構築および新規な物質変換技術の開拓を行います。

廃水処理型バイオ燃料電池などのバイオマス関連テクノロジーを革新する

環境問題等を背景に、バイオマス関連テクノロジーへの期待が高まっており、例えば、微生物燃料電池開発が世界中で進められています。本技術は廃水処理型微生物燃料電池の効率性を高めることができ、環境負荷物質の分解効率を高め、新規物質変換技術にも展開することもできます。本研究は、それらの社会実装を通じて、バイオマス関連テクノロジーを革新し、環境問題解決への貢献を目指しています。

USE CASE

最終用途例

様々な細菌の力を活用した社会課題の解決

USE CASE 01廃水処理型バイオ燃料電池の性能向上

APPLICATION

APPLICATION

一桁以上の出力向上が実現すれば110万世帯以上の1日の電力をまかなえる

まずはキッチン・お風呂・トイレなど家庭排水の浄化と分散型発電システムとしての活用が期待できます。その後、一桁以上の出力向上及び大規模なシステム構築が実現されれば110万世帯以上の1日の電力を賄えます。

USE CASE 02環境負荷物質の変換効率向上

APPLICATION

APPLICATION

微生物による環境負荷物質変換技術の提供

現在、自然界の微生物を用いて環境負荷物質を別の有用物質に変換する工程には数ヶ月を要する場合もありますが、本研究により微生物の濃縮率を高めることでこの工程を高効率化して環境問題解決に貢献します。

USE CASE 03細菌によるモニタリングシステムの構築

APPLICATION

APPLICATION

細菌を用いた生体や温室効果ガスのモニタリング実現

汗中の乳酸量などの有機物をモニタリングするようなシステムの開発や、CO2などの温室効果ガス排出量をモニタリングするシステムの開発が期待できます。

STRENGTHS

強み

従来技術よりも高効率で燃料電池の出力を安定させる仕組み

STRENGTHS 01

電流発生菌を生きたまま大面積に高密度集積する原理の解明

バイオ燃料電池の先行技術としてポーラスカーボンなどを用いる方法がありますが、出力安定までの起動時間に数日~数カ月を要するという問題があります。一方で、本研究では、ハニカム基板上に電流発生菌を生きたまま大面積に高密度集積すること、また短時間での出力安定と電流値増大の両立が期待されます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

光で「生きたまま」微生物を高密度濃縮できるハニカム基板

TECHNOLOGY 01

レーザーを照射しているにも関わらず生体サンプルを低ダメージ・高密度で濃縮

自己組織化で形成したハニカム状の光熱フィルムにわずか20秒間レーザー(出力80 mW以下)を照射するだけで、発生した対流を使用して80〜90%の高い生存率で細菌の高密度集積(106~107 cells/cm2)ができることを実証しました。電流発生菌を光学的に濃縮・集積でき、レーザー照射の回数を増やすだけで、電流密度を1~2桁増大することができます。

PRESENTATION

共同研究仮説

バイオマス関連テクノロジーの社会実装に向けた共同研究

共同研究仮説01

微生物燃料電池の社会実装に向けた共同研究

ハニカム型フィルムの用途探索を行う精密化学メーカ様、バイオプラスチックを開発する総合化学メーカ様、レーザー光源部品の用途探索を行う精密部品メーカ様、排水処理場向けに浄水システムを提供する企業様などとの共同研究を希望します。

共同研究仮説02

細菌による環境負荷物質分解の社会実装に向けた共同研究

迅速かつ低ダメージに有用細菌を濃縮できる我々の技術を活用して、環境負荷物質の分解や有用物質への変換など、バイオ材料の物質変換に関する研究開発などでご一緒できれば嬉しく思います。

LABORATORY

研究設備

有用微生物の濃縮技術の開発環境・設備

LABORATORY 01

ハニカム外場濃縮基板および計測装置

微生物を生きたまま短時間で高濃縮できます。その他、電気化学計測、光学顕微鏡、電子顕微鏡など研究開発に必要な装置は配備しています。

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EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

床波志保 大阪公立大学 大学院工学研究科 物質化学生命系専攻 応用化学分野 准教授
経歴

【現職】大阪公立大学 大学院工学研究科 物質化学生命系専攻 応用化学分野 准教授
(兼務)LAC-SYS研究所(RILACS)副所長
〔学歴〕2007年大阪府立大学 大学院工学研究科 物質系専攻 修了、博士(工学)
〔専門〕バイオ分析化学,電気化学,生体光化学

研究者からのメッセージ

ハニカム外場濃縮基板で有用微生物を生きたまま集めてエコビジネスを革新しませんか?

本研究開発は有用微生物の外場濃縮による高性能微生物燃料電池および高効率物質変換の基盤技術の確立により省エネルギーと環境負荷低減を両立する革新的エコテクノロジーに関する産業のプラットフォーム創出に関するものであり、上記の微生物燃料電池とバイオポリマーなどの世界市場における新機軸を打ち出すものです。
光などの外場で大面積フィルムに電流発生菌を濃縮固定した排水処理発電デバイスおよびオンチップ物質変換の基盤構築を出口とし、GHG削減に貢献します。基本的な要素技術の開発は中核機関である大阪公立大学で進めますが、産学連携において大面積のハニカム型フィルムを大量生産可能な精密化学メーカーや、バイオプラスチックを開発する総合化学メーカー、大面積の外場濃縮による有用微生物集積を可能とするレーザー光源開発における精密部品メーカーの協力が必要です。