2020年度公募 seeds-0910 - 【関東】 電気化学的吸脱着システムによるCO2の回収のための多孔質炭素電極の開発
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VISION

ビジョン

CO2分離回収システムの省エネルギー化

エレクトロスイング吸着法(electro-swing adsorption,ESA)の電極材料開発

CO2分離回収システムのエレクトロスイング吸着法(ESA)に着目し,カルボニル基を多量に有する多孔質炭素を調製することで,ESA電極の最適化を図ります。この多孔質炭素電極を使用することで,現在提案されているアントラキノンを複合した炭素電極の欠点を克服できると考えています。ESA法は,従来の圧力スイング吸着法(PSA)や温度スイング吸着法(TSA)に比べてCO2分離回収システムの省エネルギー化を期待できますが,アントラキノンが還元された際に電極から溶出する問題点があり,本研究テーマはこの問題点を解決できるものです。

ESAシステムの改良によるCO2の「ネガティブエミッション」の実現

本研究により,電極表面に固定化されている吸着分子の溶出およびCO2吸着量が少ないといったESA電極の主要な課題を改善することで,ESAを実用化に近づけます。さらなる炭素電極の改良・最適化,および電解液やシステムの最適化を図り、最終的に実用化を達成することでCO2分離回収システムの省エネルギー化に貢献します。また本研究で得られる知見(多孔質炭素の製造方法、特にカルボニル基の位置や密度の制御等の技術)を生かして,本材料のさらなる用途開発研究を進めていきます。

USE CASE

最終用途例

CO2回収のための新しいシステムを構築

USE CASE 01電気化学的CO2吸脱着システムでCO2回収を高効率化

APPLICATION

APPLICATION

多孔質炭素電極に高密度にCO2を吸着

本系でのシステムでは電極として,電気化学的なCO2の吸着サイトを多孔質炭素の電極表面に高密度に形成することで,単位表面積当たりのCO2の吸着量を向上させることができます。

STRENGTHS

強み

CO2吸着サイトを多量に含む多孔質炭素電極の調製可能

STRENGTHS 01

従来の炭素電極に比べて高い比表面積を実現

規則性メソポーラスシリカを鋳型に用いることで高比表面積を有する多孔質炭素を調製できます.また多様な炭素源を用いると細孔の表面に露出している官能基の種類や量・位置を制御することができます.

TECHNOLOGY

テクノロジー

多孔質炭素電極の表面に含酸素官能基を多量に導入可能

TECHNOLOGY 01

多孔質炭素の調製過程を触媒で制御する

規則性多孔質炭素中のグラファイトドメインのエッジ部分にカルボニル基(>C=O)をもつ材料を創製し,これを電極とします.これによりCO2吸着サイトの高密度化を図るとともに,アントラキノンの溶出が起こりえない電極とすることで実用に耐えうる吸脱着システムを構築できると考えています.
規則性多孔質炭素として,規則性メソポーラスカーボン (OMC),zeolite-templated carbon (ZTC) を取り上げます.いずれも非常に高い比表面積を有し,均一な大きさの細孔をもつことが特徴です.この多孔質構造の特長から,CO2吸着サイトの高密度化を実現できると期待しています.

PRESENTATION

共同研究仮説

多孔質電極の調製から電気化学システムの構築・実証まで

共同研究仮説01

電気化学的CO2吸脱着システム(ESAシステム)の構築

システムを作り上げるまでの各過程について共同実施を希望

● 多孔質炭素材料の大量合成
● ESA電極シートの調製
● ESAシステムの構築
● ESAシステムの長期耐久試験
など

RESEARCHER

研究者

稲垣 怜史 横浜国立大学 大学院 工学研究院 機能の創生部門

研究者からのメッセージ

CO2排出抑制・ネガティブエミッションは全世界の皆さんで取り組むべき課題と考えています.

我々が永続的に現代社会を維持していくための科学技術の開発を進めています.