2021年度公募 seeds-1951 - 【北海道・東北】 バイオマス資源を原料とする有用化成品の合成技術の開発
  • インフラ(資源・エネルギー)
  • 食品・農業
  • ケミカル
  • 新素材
  • 再生可能エネルギー
  • 化学
VISIONビジョン

このシーズに
問い合わせる

VISION

ビジョン

バイオマスを原料とした有用化成品合成技術の確立

化石資源からバイオマス資源への転換

石油や天然ガスなどの化石資源は自動車や航空機の燃料、衣類や化成品の原料などとして利用され、人類の経済活動の発展を支えてきた。しかし、その埋蔵量には限りがあり、枯渇が危惧されている。また、化石資源を消費することで副次的に生産されるものの中には、環境問題を引き起こす物質も多く確認されている。例えば、二酸化炭素は地球温暖化の要因として取り上げられ、また窒素酸化物や硫黄酸化物は、酸性雨・大気汚染などの公害問題の原因物質として問題となっている。これらの理由から、近年では化石資源の節制・保存を目的としてバイオマス資源への代替が注目されている。そこで本研究では、バイオマスの主成分であるリグノセルロースの化学変換により有用化成品を製造するための合成技術の確立を目指す。

バイオマス由来のシクロペンテノイドを中間体とした有用化成品の合成展開

これまで、グルコースから様々な化合物へ変換する反応が報告されている。例えば、グルコースからフルフラールや5-ヒドロキシメチルフルフラール(5-HMF)などのフラン化合物へと変換する手法は盛んに研究が進められており、フルフラールはナイロン原料とあるアジピン酸の原料やテトラヒドロフランやフランなど有機溶剤の原料に利用されている。また、5-HMFとエチレングリコールを原料としたポリエチレンフラネート (PEF) をバイオプラスチックとして実用化するための研究が精力的に行われている。一方、我々の研究グループではこれまでに、炭素5員環骨格を特徴とするシクロペンテノイドをグルコースから数段階の工程で合成する手法を確立しており、このシクロペンテノイドを共通の合成中間体として、香料、機能性高分子、医薬品等の様々な有用化成品を製造する一連の合成技術を確立することを目指している。

USE CASE

最終用途例

バイオマスを原料とした有用化成品の合成技術の開発

USE CASE 01ジャスモン系香料の製造プロセス

APPLICATION

APPLICATION

シクロペンテノイドからジャスモン系香料へと変換する手法を確立する

一般的にジャスモン系香料は石油由来の原料から製造されている。グルコースから変換可能なシクロペンテノイドを原料として用いることで、安価にジャスモン系香料を合成する手法を確立し、バイオマス代替を図る。

STRENGTHS

強み

ターゲット化合物の短工程合成

STRENGTHS 01

プロスタグランジンE1の合成工程数を半分に短縮

通常、シクロペンテノン化合物を合成するためには基本骨格である5員環化合物の構築に長い工程数が必要となるが、本技術ではグルコースから短工程で骨格形成を完了できるため、総工程数が短縮される。

TECHNOLOGY

テクノロジー

水を溶媒として用いたグリーン合成プロセス

TECHNOLOGY 01

温和な水熱合成反応による糖変換技術

水を溶媒として、圧力鍋程度の比較的温和な条件によりシクロペンテノイドの合成が可能。

PRESENTATION

共同研究仮説

シクロペンテノイドの製造プロセスの開発

共同研究仮説01

シクロペンテノイドを基幹物質とするバイオマスリファイナリーの構築

バイオマス廃棄物(上流)から最終製品の製造(下流)に至るまでの一連の製造プロセスの開発を行う共同研究を希望しています。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

小関 良卓 東北大学多元物質科学研究所
経歴

2016年3月東北大学理学研究科化学専攻博士課程修了

2016年4月より東北大学多元物質科学研究所 助教

 

関連ページ

https://researchmap.jp/7000003528