2021年度公募 seeds-1639 - 【関東】 二酸化炭素の有効利用による持続可能なメタネーションを目指した金属粉末燃焼技術の開発
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VISIONビジョン

VISION

ビジョン

金属粉末燃焼を利用して、二酸化炭素からメタンを合成する新しいメタネーションプロセスを開発する

アルミニウム粉末を燃料、二酸化炭素・水蒸気を酸化剤として燃焼反応を起こし、一酸化炭素および水素を同時生成

メタネーションとは、CO(若しくはCO2)をH2と反応させ、CH4を合成する反応のことを言います.工場や発電所などから発生するCO2を原料として、カーボンニュートラルCH4の生産する、CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)の一種の技術です。これまで提案されてきたメタネーションでは,CO2とH2OをCOとH2に還元するプロセスに電力や熱の投入が必要となるため、再エネ電力や排熱が利用する場合でも必ずしも自立性の高い技術とは言えませんでした。本課題では、金属アルミニウム粉末の高い燃焼性(還元性)に着目し、アルミニウムの酸化反応を用いてCO2とH2Oからメタネーションの原料となるCOとH2を同時に生成する、全く新しい技術の開発を行います。従って,電力や熱の投入や触媒の使用を最小限に抑えつつ、アルミナをアルミニウムに還元して再利用することで、高い自立性を持つシステムとして構成することが可能となります。脱炭素社会の実現に向け、持続可能でかつ環境負荷の低い、高効率メタネーションシステムの構築を目指していきます。

USE CASE

最終用途例

現在の代表的な二次エネルギーであるメタンから、次世代エネルギーキャリアとしてのアルミニウムまで

USE CASE 01カーボンニュートラルメタンを燃料として利用

APPLICATION

APPLICATION

メタンは、都市ガスや発電などに用いられている液化天然ガス(LNG)の主成分

水素やアンモニアが次世代燃料として脚光を浴びていますが、その実装のためには、製造から利用までのあらゆる過程において新しいインフラの構築および技術開発が要求されます。エネルギーをメタンの形に戻して用いることにより、利用上の便宜性が格段に向上でき、導入のハードルも下がります。

USE CASE 02次世代のカーボンフリーエネルギーキャリアとしての活用

APPLICATION

APPLICATION

エネルギーキャリアとしてのアルミニウムの利用可能性に注目

アルミニウムは、化石燃料の2〜4倍、液化水素や液化アンモニアの約8倍程度の高い体積エネルギー密度を有します。また、燃焼(酸化)過程でCO2のような環境負荷物質を排出せず、地球のみならず月や火星の表面に豊富に存在するため、次世代のエネルギーキャリアに適しているといえます。

STRENGTHS

強み

持続可能な低環境負荷型のメタネーションシステムの実現

STRENGTHS 01

電力や熱の投入、触媒の使用を最小限にする革新的なプロセスの開発

金属粉末燃焼技術によるCOとH2の製造は、電力および熱の投入、貴金属触媒の使用を必要としない、低環境負荷型のプロセスです。後述するアルミニウム循環プロセスには再エネ電力の利用が必要となりますが、燃焼システムの補機などに必要な電力は、燃焼反応燃を用いた補助発電により供給します。

STRENGTHS 02

アルミナ還元プロセスとの組み合わせによる資源の再利用

アルミナをアルミニウムに還元する技術(アルミニウム製錬)は、溶融塩電解(ホール・エルー法)が実用化されており、カーボンフリーの不活性電極やレーザー・プラズマなどによる低環境負荷型の方法も開発中であります。プロセスの主要な資源であるアルミニウムの循環によって、システム自立性のさらなる向上が期待できます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

メタネーションの原料を金属粉末燃焼から生成する新しい基盤技術の確保

TECHNOLOGY 01

CO2およびH2Oによる金属粉末燃焼過程の解明と応用

アルミニウム粉末については、次世代エネルギーキャリア、推進剤、燃料添加剤などへの利用目的に加え、粉塵爆発を起こすことから防災・安全の観点での検討が進められていますが、まだその詳細な燃焼過程は解明されていません。本研究開発では、CO2とH2Oによるアルミニウムの燃焼現象を明らかにするとともに、得られた知見を燃料合成の分野に応用することを目指します。

PRESENTATION

共同研究仮説

2050年脱炭素社会の実現に向けた、新しいメタネーション技術の開発

共同研究仮説01

産学官協力による相乗効果の創出

本研究開発のコアとなる金属粉末燃焼技術から、新しいアルミナ還元法や高効率メタン化反応技術の開発、そして要素技術のシステムとしての統合および社会実装までを、ご一緒に行っていきたいと思います。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

李 敏赫 東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻
経歴

2011年3月 東京大学 工学部 機械工学科 卒業

2015年3月 東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻 修士課程 修了

2016年5月 米国プリンストン大学 留学(半年間)

2018年3月 東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻 博士課程 単位取得退学

2018年6月 博士(工学)

(論文題目:壁により安定化された冷炎と壁面との干渉効果に関する研究)

2018年7月 東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻 特任研究員

2019年4月 東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻 助教

【受賞歴】

2020年 日本機械学会 熱工学部門 講演論文表彰

2022年 日本機械学会 奨励賞(研究)

【個人ページ】

http://www.mesl.t.u-tokyo.ac.jp/users/mlee/index-j.html

研究者からのメッセージ

地球温暖化の主犯である燃焼の技術を活かして脱炭素社会の実現に貢献する

CO2の有効利用によるメタネーション技術の確保は、不安定な国際情勢の中、エネルギー資源に乏しい日本において、エネルギー自給率の向上に直結します。本研究開発を通じて、日本、さらには世界が直面しているエネルギー・環境問題の解決に寄与したいと思います。