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ビジョン
例えば、炭素材料は空気中で簡単に燃焼しますが、セラミクスである窒化ホウ素は耐熱材料として優れており、高温のガス雰囲気など過酷な条件での吸着材や触媒担体としての利用が考えられます。また、吸着材の再生には多くの場合加熱処理を伴いますが、耐久性に優れていれば材料の再生プロセスにおける劣化も防ぐことができ、1つの材料を長く利用することが可能です。
最終用途例
APPLICATION
高温の酸化性ガスが含まれる雰囲気での吸着材や触媒担体としての利用が想定されます。
APPLICATION
結晶性の高いゼオライトは耐熱性に優れていますが細孔設計の自由度は高くありません。一方、細孔性窒化ホウ素はアモルファスであるため細孔を比較的自由に制御することが可能です。
強み
ゼオライトのような耐熱性と、活性炭のような材料設計の自由度があるため、これまでとは異なる用途の開拓が見込めます。
テクノロジー
これまでに、空気中では700℃まで細孔の構造や細孔壁の組成が変化しない細孔性窒化ホウ素の創製に成功しています。その細孔はミクロ孔とメソ孔とから構成されており、最大1,000平方メートル毎グラムという高比表面積を誇るのが特徴です。このような細孔性窒化ホウ素は、活性炭では燃焼してしまうような環境でも細孔や表面の構造を維持でき、表面の機能化によりゼオライトのような触媒反応を効率良く行うことができる可能性があります。
窒化ホウ素は異なる2つの元素から構成されるため、同一元素で構成される炭素系の材料と異なり、気体分子との相互作用がわずかに異なります。我々は、アルゴンの吸着量を基準とした窒素吸着量の解析から、窒素分子と細孔性窒化ホウ素との相互作用が活性炭の場合よりも大きく、窒素に対して吸着を促進する効果に優れていることを発見しました。窒素以外の分子に対しても優れた吸着能を示す可能性があります。
共同研究仮説
例えば、高温の排ガス付近や酸化性ガスを伴う場面では、吸着材の再生や交換作業を頻繁に行う必要があります。細孔性窒化ホウ素であれば劣化を大幅に防ぐことができる可能性があります。それぞれの用途に適した表面構造、結晶性を有する材料の開発が必要です。
大学の研究室レベルでの生産能力には限界があります。実際に使って頂くためには、出発材料の選定から反応プロセスの設計までを最適化するための研究が不可欠です。
研究者
埼玉県出身
2003年3月 千葉大学大学院自然科学研究科修了 博士(理学)
2003年4月 日本学術振興会特別研究員(PD)
2004年4月 東京理科大学総合研究所 助手
2006年1月 豪州クイーンズランド大学客員研究員
2007年4月 岡山大学大学院自然科学研究科 准教授
2021年4月 岡山大学学術研究院自然科学学域 准教授(改組による配置換)
https://researchmap.jp/tkhr_ohkubo