2025年度公募 seeds-008-0030 - 【関東】 樹脂基材と化学結合で結ばれるコーティング剤
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

環境と人にやさしいコーティング技術をつくる

持続性のあるコーティング技術を達成し、サステナビリティを実現する

コーティング技術は、機能性を付与する技術として、ものづくりに欠かせません。
しかしながら、その機能性を維持するためには、定期的な再施工が必要となります。
施工時には、VOCが排出されるため、環境規制への対応を考えるとともに、
人手が必要となるため、人手不足への対応を考える必要があります。
サステナビリティを実現するため、コーティングの剥離という技術的課題を解決し、
持続性のあるコーティング技術を達成することで、再施工の頻度を低減し、
環境と人に優しいコーティング技術の開発を目指します。

USE CASE

最終用途例

機能性コーティング・インクに持続性を付与

USE CASE 01抗菌コーティングの持続性向上で、安心な医療・福祉環境を実現する

APPLICATION

APPLICATION

抗菌コーティングの抗菌効果を持続させる

超高齢化社会の拡大にともない、医療関連感染症(院内感染)に対する意識が高まっており、
医療・福祉施設では、抗菌コーティングが施工されている。
この抗菌コーティングの剥離を抑制し、抗菌効果を持続させる。

USE CASE 02防汚・防水コーティングの持続性向上で、メンテナンスの手間を削減する

APPLICATION

APPLICATION

防汚・防水コーティングの防汚・防水効果を持続させる

建築物やモビリティーの製品寿命を向上させるため、防汚・防水コーティングが施行されている。
この防汚・防水コーティングの剥離を抑制し、防汚・防水効果を持続させる。

USE CASE 03パッケージ用インクの品質向上で、ブランディング・情報伝達の自由度を向上させる

APPLICATION

APPLICATION

パッケージ用インクの定着力を向上させる

食品・飲料業界、化粧品。
パーソナルケア業界、医薬品業界は、プランディング、情報伝達を目的として、
パッケージへの印刷の需要が拡大している。
このパッケージへの印刷に用いるインクの定着力を向上させる。

STRENGTHS

強み

表面改質技術の長所をコーティング技術の簡便性・制御性で実現

STRENGTHS 01

コーティングプロセスを簡便・効率化する

表面改質技術は、4ステップ(前処理・コーティング・乾燥・固定)で、時間単位のプロセスであるが、
本手法では、化学結合を形成する仕組みをポリマーに導入しているので、前処理が不要となり、
3ステップ(コーティング・乾燥・固定)で、分単位のプロセスである。
また、さまざまな樹脂基材に適用可能である。

STRENGTHS 02

コーティング剤の成分数を低減する

表面改質技術では、3成分(開始剤・モノマー・希釈剤)であることが多いが、
本手法では、化学結合を形成する仕組みをポリマーに導入しているので、
2成分(ポリマー・希釈剤)となる。
開始剤やモノマーは低分子化合物である場合が多く、
これらをポリマーに集約することで、低VOC化に貢献することが可能となる。

STRENGTHS 03

コーティング膜厚を制御する

表面改質技術では、反応条件での膜厚制御となり、ナノスケールに限定されるが、
本手法では、コーティング技術をベースとするため、溶液パラメータ・装置パタメータでの膜厚制御となり、
ナノスケールにとどまらず、マイクロスケールまで拡張可能である。

TECHNOLOGY

テクノロジー

コーティング技術にもとづいて
持続性のあるコーティング層の高効率な作製方法を開発

TECHNOLOGY 01

ポリマーに化学結合を形成する仕組みを導入

コーティング剤の主成分であるポリマーを重合する際に、化学結合を形成する仕組みを導入するため、ポリマーの種類によらず導入可能である。
また、化学結合を形成する仕組みとして、樹脂基材の種類の影響が少ないものを採用している。
化学結合を形成する仕組みを導入したポリマーを主成分とするコーティング剤を開発することで、持続性のあるコーティング層の作成が可能になる。

TECHNOLOGY 02

コーティング技術にもとづいて簡便性・制御性を実現

樹脂基材と化学結合でむすばれた機能性表面を得るためには、表面改質技術を用いるが、
より簡便に、コーティング技術を用いることを目指している。
コーテインング技術をベースとすることで、簡便性を実現するだけでなく、
コーティング技術の特長:溶液パラメータ・装置パラメータによる制御性を兼ね備えることで、
高効率な機能性表面の作製方法を開発する。

PRESENTATION

共同研究仮説

サステナブルなコーティング技術に関心のある企業様との連携を希望します

共同研究仮説01

化学結合を形成する仕組みを導入したポリマーの用途開発

コーティング剤以外への展開

化学結合を形成する仕組みを導入したポリマーの用途として、コーティング剤以外への展開も期待されます。
樹脂メーカー関連の企業様には、化学結合を形成する仕組みを導入したポリマーの用途開発を共同で進めていただきたいです。

共同研究仮説02

コーティング剤の実用化検討 / 製品化検討

コーティング剤の低VOC化・コーティング膜の評価

樹脂基材と化学結合でむすばれるコーティング剤の実用化には、コーティング剤の低VOC化、実用的スケールでの検討、
JIS規格でのコーティング膜の評価が必要であると考えております。
コーティング剤関連の企業様には、上記の項目に関して、共同で進めていただきたいです。

コーティングプロセスの最適化

コーティングは、ものづくりに関連する産業全般に欠かせない技術であり、用途は多岐にわたります。
製品・用途に応じて、コーテイング剤への要求が異なり、コーティングプロセスの最適化が必要になることが予想されます。
ものづくり関連の企業様には、材料へのコーティングプロセスの最適化を共同で進めていただきたいです。

LABORATORY

研究設備

ポリマー合成からナノ・マイクロ構造の評価まで

LABORATORY 01

ポリマー合成

ポリマーの精密重合を実施するための化学合成設備、精密重合により得られたポリマーを評価するための分析設備を揃えております。

LABORATORY 02

量子ビーム(中性子・X線・ 電子線)による構造評価

世界最高性能を誇る中性子実験施設であるJ-PARCの近くに、研究拠点を構えております。
また、これまでに、茨城県材料構造解析装置(iMATERIA)の高度化・産業利用課題の支援にも携わってきました。

RESEARCHER

研究者

前田 知貴 学術研究院応用理工学野
原子科学研究教育センター
准教授
経歴

2016年3月 博士(工学)取得(慶應義塾大学)
2015年4月〜2017年12月 慶應義塾大学 助教
2018年1月〜2025年9月 茨城大学 助教
2025年10月〜現在 茨城大学 准教授

2018年1月〜2022年3月 文部科学省「卓越研究員事業」卓越研究員
2022年7月〜現在 文部科学省『世界で活躍できる研究者育成事業』「大学×国研×企業連携によるトップランナー育成プログラム(TRiSTAR)」TRiSTARフェロー
2013年度、2015年度、2024年度 University of California, Santa Barbara (UCSB) 訪問研究員

研究者からのメッセージ

コーティング技術からサステナブルを考える:基礎から応用まで

ポリマー合成から、コーティング剤の開発、さらに、量子ビーム(電子線・X線・中性子)による構造解析技術を駆使した科学的裏付けまで、
一貫して、取り組んでおります。基礎研究から応用研究までを研究対象としておりますので、
各要素・各段階で、可能性の一端が見られましたら、連携をご検討いただけますと幸いです。