2022年度公募 seeds-3519 - 【九州・沖縄】 マイルドなプラズマによる食品や農産物の殺菌技術から医療応用まで
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VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

プラズマ源の開発を通じて,農業分野や医療分野への貢献を目指す

食品や農産物の殺菌から悪性腫瘍(がん)細胞の不活化に向けたプラズマの応用

「プラズマ殺菌」という殺菌法をお聞きになったことはありますか。この殺菌法は,気体をプラズマ化することで得られる高い反応性を利用し,有害な微生物や病原体などを殺菌,不活化することのできる新規的な殺菌法として実用化が期待されています。本手法は,低温かつドライな環境下で実行できることから,熱や水に弱い食品や農産物などにも適用することが可能であり,これまでにない新しい殺菌手法として期待されています。佐世保高専では,マイルドなプラズマ源を開発し,食品や農産物の殺菌から悪性腫瘍(がん)細胞の不活化への応用を目指しています。

USE CASE

最終用途例

大気圧プラズマによる農産物・食品の新しい殺菌技術

USE CASE 01プラズマ-バイオ応用技術

APPLICATION

APPLICATION

照射対象を損傷しない低温・ドライ殺菌技術の研究開発

佐世保高専では,農産物や食品などを安全に殺菌・消毒できる新しい技術としてプラズマを用いた殺菌・消毒法の開発を目的として研究開発を遂行しています。

USE CASE 02コンベア式プラズマ殺菌装置の研究開発

APPLICATION

APPLICATION

コンベア式プラズマ殺菌装置の研究開発

農産物などの搬送に必要不可欠なコンベアを用いて,コンベア式プラズマ殺菌装置プロトタイプを開発しました。食品や農産物を搬送しながら「殺菌」という付加価値を付与することを目指します。

USE CASE 03生体内の悪性腫瘍(がん)治療に向けたプラズマデバイスの研究開発

APPLICATION

APPLICATION

生体内の悪性腫瘍(がん)治療に向けたプラズマデバイスの研究開発

がん細胞に対する低温プラズマ照射は,副作用が少なく低侵襲な新しいがん治療法として期待されています。佐世保高専では,生体内でプラズマ処理できる非平衡大気圧プラズマデバイスの開発を行っています。

STRENGTHS

強み

低温かつドライな環境下でのプラズマ技術のため,適用範囲が広い

STRENGTHS 01

日本,米国,オーストラリア,ヨーロッパ,オランダで特許取得済

本技術は,日本および国際特許(オーストラリア,ヨーロッパ特許,EP(オランダ),米国)を取得済のため(2022年11月現在),事業化を優位に進めることができます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

プラズマのバイオ応用に関する研究 ~温州みかんから悪性腫瘍(がん)まで~

TECHNOLOGY 01

温州みかんに対するプラズマ殺菌の効果

温州みかんをはじめとした柑橘類に最も多くの被害を発生させるのが緑かび病である。本研究では,緑かび病を対象に殺菌試験を行うため,緑かび病菌胞子Penicillium digitatumを温州みかん果皮に散布し,大気圧プラズマを照射したときの殺菌効果を試験しました。その結果,緑かび病菌胞子は,プラズマ照射時間に依存して殺菌される傾向を示し,短時間で急速な殺菌処理が可能であることを明らかにしました。その菌数は,1秒間のプラズマ照射で約1/10,3秒間のプラズマ照射で約1/100まで減少し,温州みかん果皮に損傷は見られませんでした。

TECHNOLOGY 02

生体内の悪性腫瘍(がん)治療に向けたプラズマデバイスの開発

生体内の悪性腫瘍(がん)の新しい治療法の確立を目指し,生体内でのプラズマ処理を想定した非平衡大気圧プラズマデバイスの開発を行っています。開発したプラズマデバイスの特性やプラズマデバイスによって生成される活性種が,肝芽腫由来細胞 HepG2へ与える影響を検証したところ,活性酸素種が主要因となり細胞死が誘起されることが示唆されました。

PRESENTATION

共同研究仮説

プラズマ技術の農業や医療分野への展開・社会実装

共同研究仮説01

プラズマ照射対象に応じたプラズマ源や照射法の研究開発

プラズマ殺菌・消毒技術に興味のある企業の方へ

佐世保高専では,様々な分野で利用できるプラズマ技術の研究開発に取り組んでいます。まだまだ越えるべきハードルは多くありますが,企業の皆さまと共同で取り組むことで,プラズマを基盤技術とした技術の研究開発を垣根を越えて推進していきたいと考えています。

RESEARCHER

研究者

柳生義人 佐世保工業高等専門学校・准教授
経歴

2011年4月 – 現在 佐世保工業高等専門学校 電気電子工学科 准教授
2008年4月 – 2011年3月 佐世保工業高等専門学校 電気電子工学科 講師
2007年4月 – 2008年3月 佐世保工業高等専門学校 電気電子工学科 助教
2006年4月 – 2007年3月 佐世保工業高等専門学校 電気電子工学科 助手

詳細は,以下のサイトをご覧ください。
https://researchmap.jp/y.yagyu

研究者からのメッセージ

「プラズマ×農業」・「プラズマ×医療」・「電気×生物」

佐世保高専 レーザー・プラズマ研究室では,従来の「プラズマ×材料(薄膜)」だけでなく,「プラズマ×農業」・「プラズマ×医療」・「電気×生物」など,基礎から実用化に向けた研究に広く取り組んでいます。少しでも興味を持って頂きましたら,お気軽にご連絡ください!

【プラズマ×農業】=プラズマ照射による農産物殺菌/鮮度保持/機能性向上を目指す研究
・農作物のプラズマ殺菌技術の研究開発
・食品工場向け大気圧プラズマ殺菌装置の研究開発 など

【プラズマ×医療】=プラズマにより,がん細胞の不活化や免疫細胞の活性化を行い医療応用を目指す研究
・生体内がん治療に向けた医療用プラズマデバイスの開発
・プラズマが遺伝子発現に与える影響 など

【 電気 × 生物 】=電気と生物の関係を研究し,行動制御や防除技術の開発を目指す研究
・電気のチカラでジャンボタニシをやっつけろ!工学的防除法の研究開発
ー 稲作農事暦に合わせたジャンボタニシの工学的防除対策
ー 電気誘引特性を用いたジャンボタニシの密度推定および発生予察技術 など