2021年度公募 seeds-4336 - 【東北】 半導体高分子の精密設計とプラスチック太陽電池の高効率化
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VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

2050カーボンニュートラルに向けたポータブルエネルギー創出技術の開発

プラスチック太陽電池材料開発によるウエアラブルエネルギーデバイスの創出

自由に折り曲げられ、環境にやさしい薄型電子デバイスのポータブル電源として、鉛フリーの有機半導体を用いた太陽電池が注目されています。しかし、依然そのエネルギー変換効率はラボレベルでも20%以下で、フレキシブルデバイスへの応用が遅れています。有機太陽電池の高効率化が急務で、さらに軽量性・フレキシビリティー性が高く、長寿命のデバイスを実現するための材料開発における分子設計指針の確立が必要です。企業との連携・共同開発により、モジュールでエネルギー変換効率15%以上の性能を有するフレキシブル有機太陽電池用半導体高分子材料の開発を目指します。

USE CASE

最終用途例

有機太陽電池、有機半導体、半導体高分子

USE CASE 01有機太陽電池、有機半導体、半導体高分子

APPLICATION

APPLICATION

有機半導体・半導体高分子材料の創成

独自の高分子合成技術を活かし、半導体高分子に分子レベルで応力緩和機能を導入することで、フレキシビリティー性とデバイス特性の両立を図ります。

STRENGTHS

強み

半導体高分子の分子設計と精密合成

STRENGTHS 01

半導体高分子の分子鎖に特殊なフレキシブルユニットを導入

結晶性の高い半導体高分子を用いた有機太陽電池は、フレキシビリティー性に乏しく、折り曲げると薄膜が傷つき、デバイス特性が低下します。本技術シーズでは、応力緩和をもつ特殊なフレキシブルユニットを半導体高分子に導入することで、薄膜状態で50%の伸長歪みにも耐える半導体高分子材料の創成を目指します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

半導体高分子へ分子レベルで捻じれ骨格を導入

TECHNOLOGY 01

π共役を切断しない捻じれ骨格をもつ半導体高分子の分子設計

半導体高分子そのものにフレキシビリティーを付与するためには、外部からかかる力を均一に分散する応力緩和機能が必要です。従来は、π共役構造を切断する脂肪族アルキル基等を半導体高分子へ分子レベルで導入することで対応してきました。しかし、一般には不導体のアルキル基部位の導入により電荷移動度が低下し、半導体特性が低下します。本シーズ技術では、捻じれたπ共役ユニットを導入することで、外部から力がかかった時に、捻じれを解消することで応力が緩和されるため、電荷移動度を維持、またはむしろ向上させることが出来ます。

PRESENTATION

共同研究仮説

新規半導体高分子材料を創出し、フレキシブル有機太陽電池デバイスのソリューションを目指す

共同研究仮説01

フレキシブル有機太陽電池用半導体高分子材料の開発

半導体高分子材料の合成・デバイス特性評価を行う。

フレキシブル有機太陽電池デバイス化・モジュール化を推進する。有機太陽電池デバイスを作製・評価する。また、5000、10000時間経過後のデバイス性能を評価する。さらに、フレキシブルデバイスの外部歪印加時および1000回連続負荷に対するのエネルギー変換効率の変化を定量する。

RESEARCHER

研究者

東原知哉 山形大学・教授/学長補佐/有機エレクトロニクスセンター長
経歴

【研究室HP】 https://higashihara-lab.yz.yamagata-u.ac.jp/

【経歴】 2005東京工業大学大学院理工学研究科有機・高分子物質専攻 博士後期(博士)課程修了、2005米国マサチューセッツ州立大学ローウェル校・博士研究員、2008東京工業大学 大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻・助教、2010~2014科学技術振興機構(JST)さきがけ「太陽光と光電変換機能」領域、2013山形大学 大学院理工学研究科「フロンティア有機材料システム創成フレックス大学院」・准教授、2015山形大学 学術研究院 大学院理工学研究科 有機材料工学専攻・准教授、2016山形大学 学術研究院 大学院有機材料システム研究科 有機材料システム専攻准教授、2019~現職・山形大学 学術研究院・大学院有機材料システム研究科・有機材料システム専攻・教授、2022~現職(兼務)・山形大学 学長補佐/有機エレクトロニクス研究センター・センター長

研究者からのメッセージ

しなやかな産学連携による、しなやかな半導体高分子材料の開発を是非ご一緒に

プラスチック太陽電池は軽量で折り曲げ自在であり、スマートフォンやあらゆる電子デバイスの軽量化・薄型化・バッテリー充電の不要化につながります。ウェアラブル端末のワイヤレス電源として実装に繋がれば、リアルタイム・遠隔での健康モニタリング、ビックデータとAIを活用した超高速診断が実現されます。特に、ウェアラブルデバイス業界では、スマートフォン等の充電回数の増加によるバッテリー劣化が問題となっています。また、自動車業界において、1-2人乗り用の超小型モビリティーの市場は2025年に1000億ドル規模(市場調査会社・asta vision)になると予測されています。しかしながら、超小型EV車においては、バッテリー重量比が高く、燃費悪化の原因となっています。曲面に搭載可能なプラスチック太陽電池を起用することで、バッテリーが不要になり、軽量になるため、燃費が大幅に改善されます。山形大学では有機エレクトロニクスセンターを始め、物性予測、合成、物性評価、デバイス化、印刷プロセスなどの強みをもつ研究者・拠点が結集していますので、是非ご一緒に研究を始めませんか?