2022年度公募 seeds-3055 - 【北海道】 シアニドの化学選択性制御で実現する有用化合物の合成法
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VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

シアニドの「向き」を自在に操り高付加価値化合物を創り出す

似て非なるもの:「ニトリル(R–CN)」と「イソニトリル(R–NC)」

ニトリル(R–CN)とイソニトリル(R–NC)は、分子の中での配列順序が変わっただけの化合物ですが、その使われ方は大きく異なります。たとえば、加水分解を行った場合、前者はカルボン酸になりますが、後者はアミンになります。このように、似て非なる化合物であるがゆえ、従来、作り方も大きく異なっていました。
もし、シアニドの両末端から反応することを活用できれば、ニトリルとイソニトリルを同一のシアニド(CN-)と原料の組み合わせから創り出すことができます。工業的にも用いられるシアニドを用い、人類の生活を豊かにする様々な医薬品、化成品原料を効率よく提供できる手法を確立します。

USE CASE

最終用途例

小さなシアニドを最大限に活用する

USE CASE 01シアニドの「窒素」末端を生かしたイソニトリルの提供

APPLICATION

APPLICATION

医薬品原料や機能性材料の効率合成に向けて

イソニトリルはラボベースでは非常に有用な化合物として、機能性材料から生物化学に至るまで幅広く活用されています。本シーズでは、様々な性質を持った未踏のイソニトリルを自在に供給できる体制を築き上げます。

USE CASE 02シアニドの「炭素」末端を生かしたαーアミノニトリルの提供

APPLICATION

APPLICATION

未来のペプチド原料の自在合成

α-アミノニトリルは、特殊ペプチドのモノマーである非天然アミノ酸の原料になります。立体選択性も含めた精密合成技術により、これらα-アミノニトリルの効率的合成法の実現を目指します。

STRENGTHS

強み

シアニドの「向き」を正確無比にコントロールする唯一無二のメソッド

STRENGTHS 01

「向き」が変わると「価値」が変わる

交通や通信、多くのものを規則正しく制御するためには必ず適切な「向き」が存在します。それは有機合成化学でも同じです。我々の技術を用いると、従来困難であったシアニドの「向き」を完璧にコントロールすることができます。それにより、高付加価値の未踏の医薬品・化成品原料を効率よく供給することが可能になります。

TECHNOLOGY

テクノロジー

シアニドを最小単位とする精密分子合成技術

TECHNOLOGY 01

シアニドをあたかも「プラモデルの部品」のように扱う

我々はシアニドの炭素、窒素の両末端を反応点とする新しい技術の開発に成功しました。これにより、シアニドをプラモデルの部品のように取り扱い、ニトリルとイソニトリルを自在に作り分けることが可能になりました。その成果は、学術誌であるACS Catalysis誌(ACS Catal. 2019, 9, 4434.)やOrganic Chemistry Frontire誌 (Org. Chem. Front. 2020, 7, 1308.)といった論文紙に掲載されています。また、基盤特許(特許第6871540号)も独自に確保しております。

PRESENTATION

共同研究仮説

「シアニドの自在な化学制御」に基づいて生まれる新たな「価値」を一緒に高めて行きませんか?

共同研究仮説01

イソニトリル、α-アミノニトリルを用いたニーズの探索

シアニドを部分構造とする小分子の活用法の模索

イソニトリルやα-アミノニトリルは非常に応用幅の広い材料です。ラボベースではすでにかなりの数の研究がなされていますが、実用という観点ではまだまだ途上です。我々の技術により、ニーズに側するこれらの化合物を提供することが可能です。一緒にその付加価値を見つけ出していきたいと考えています。

共同研究仮説02

官能性イソニトリルのライブラリ提供

医薬品から防汚塗料まで

我々が有する技術を用いれば、従来得られなかったイソニトリルを設計し、供給することが可能です。イソニトリルには、抗マラリア活性やフジツボの付着阻害活性をはじめとした生理活性があることも知られています。我々の提供するライブラリでその機能をぜひお試しいただけませんか?

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

百合野大雅 国立大学法人北海道大学大学院工学研究院応用化学部門(助教)
経歴

2010–2013年 日本学術振興会特別研究員 DC1
2013年 京都大学大学院理学研究科化学専攻 博士課程修了
2013–2015年 大阪大学大学院基礎工学研究科物質創成専攻 特任助教
2015年– 北海道大学大学院工学研究院応用化学部門 助教(現職)

研究者からのメッセージ

日本を「低分子資源国家」にする:常識ごと「ひっくり返す」、新たな領域の確立とシーズの探索

有機合成化学は基礎的でありながら、「常識」に大きくとらわれた研究領域だと考えています。「常識」の向こう側に手が届けば、欲しいモノをより効率よく、よりスマートに手に入れることができます。「常識」をひっくり返した先にある新しいシーズを一緒に探索、活用していきませんか?我々の提供する分子群は、幅広い活用性を持ち未来を切り拓くものだと確信しています。日本が独自の技術を基盤としながら低分子原料を世界に供給する、「低分子資源国家」として活躍する可能性に満ちています。