似て非なるもの:「ニトリル(R–CN)」と「イソニトリル(R–NC)」
ニトリル(R–CN)とイソニトリル(R–NC)は、分子の中での配列順序が変わっただけの化合物ですが、その使われ方は大きく異なります。たとえば、加水分解を行った場合、前者はカルボン酸になりますが、後者はアミンになります。このように、似て非なる化合物であるがゆえ、従来、作り方も大きく異なっていました。
もし、シアニドの両末端から反応することを活用できれば、ニトリルとイソニトリルを同一のシアニド(CN-)と原料の組み合わせから創り出すことができます。工業的にも用いられるシアニドを用い、人類の生活を豊かにする様々な医薬品、化成品原料を効率よく提供できる手法を確立します。