2022年度公募 seeds-2530 - 【関東】 水素を用いたポリウレア樹脂のケミカルリサイクル
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VISION

ビジョン

ポリウレア樹脂のケミカルリサイクル技術の開発を目指します

高機能樹脂を循環再利用してサスティナブルな社会の実現に貢献します

ポリウレア樹脂は、その高い耐水性などの特徴から、様々な構造物の表面加工に適した材料です。特に、湿潤な気候風土の日本においてはインフラなどの補強への利用が期待されています。一方で、長期的な視野に立つと、役目を終えたポリウレア樹脂の適切な処分–理想的には再利用する方法–必要不可欠です。高機能樹脂であるポリウレア樹脂の再利用には、難分解性のウレア結合を化学変換する手法の開発が不可欠です。触媒技術を用いてこの難題に取り組み、ポルウレア樹脂の循環を実現します。

USE CASE

最終用途例

ポリウレア樹脂の原料への再生

USE CASE 01施工時に生じる不要なポリウレア樹脂のケミカルリサイクル

APPLICATION

APPLICATION

廃棄されるしかなかったポリウレア樹脂を原料へと再生します

ポリウレア樹脂と水素を反応させることで、ジアミンとジイソシアネートへと変換します。

USE CASE 02施工対象の解体などで生じる役目を終えたポリウレア樹脂のケミカルリサイクル

APPLICATION

APPLICATION

廃棄されるしかなかったポリウレア樹脂を原料へと再生します

ポリウレア樹脂と水素を反応させることで、ジアミンとジイソシアネートへと変換します。

STRENGTHS

強み

独自の触媒によるウレア結合の化学選択的水素化分解

STRENGTHS 01

ジイソシアネートへと再生できる形でウレア結合を分解します

従来技術では、ウレア結合の切断によりジアミンへと分解することは可能でしたが、生成物の分離が困難であったり、ジアミンからジイソシアネートへと再利用するために特殊な化学変換が必要でした。独自の触媒を用いると、ウレア結合をジイソシアネートへと脱水素するだけで変換できる形に分解することが可能です。

TECHNOLOGY

テクノロジー

独自のイリジウム触媒による化学選択的なウレアの水素化分解

TECHNOLOGY 01

ウレア結合をアミンとホルムアミドへと分解することができます

ウレア結合の化学選択的な水素化分解に触媒活性を示す新規触媒を開発しました。本成果は特許申請中であり、学会等(日本化学会春季年会、有機金属化学討論会)において発表しています。いくつかのポリウレア樹脂を取り扱う企業から、ポリウレア樹脂のこれまでにないケミカルリサイクル手法として興味を持っていただいています。

PRESENTATION

共同研究仮説

実利用されているポリウレア樹脂などケミカルリサイクルのニーズおよびサンプルの提供や分解物の精製など

共同研究仮説01

ポリウレア樹脂の実サンプル提供

産業界がケミカルリサイクルに供したいサンプル提供を

高分子材料は分子量分布があり、様々な添加剤を含んでいるため、モデル反応のみでは真に実用的なケミカルリサイクル手法を開発することは困難です。産業界が実際に使用している実サンプルでの実証を共同してすすめるパートナーを求めています。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

岩﨑孝紀 東京大学大学院工学系研究科(准教授)

研究者からのメッセージ

我々は、独自の触媒を高分子材料のケミカルリサイクルという喫緊の課題の解決に役立てたいと考えています。

20世紀に開発された人工の高分子材料は我々人類の生活を飛躍的に豊かにしてくれました。今や、高分子材料なしでは人々の日常は成り立ちません。一方で、その急速な普及は地球環境に多大な負荷を与えています。目に見える海洋プラスチック汚染からから様々な経路で生物の体内へと潜り込んでくるマイクロプラスチックまでその影響は甚大かつまだ真の恐ろしさすらわかっていない部分があります。この豊かな現代社会を持続的に子孫へと受け継ぐためには高分子材料のリサイクルはまったなしの課題です。