2021年度公募 seeds-1946 - 【関東】 微生物による水素燃料とファインケミカル原料の同時生産技術の開発
  • インフラ(資源・エネルギー)
  • 食品・農業
  • 化粧品
  • ケミカル
  • 新素材
  • 農林水産
  • 生産・加工
VISIONビジョン

このシーズに
問い合わせる

VISION

ビジョン

乳酸駆動型水素発酵法の社会実装

水素燃料とファインケミカル原料を同時に生産する技術を開発し、小規模分散型のサーキュラーバイオエコノミーを形成する。

水素燃料は、次世代の社会基盤を形成するエネルギー媒体として注目されています。またファインケミカル産業は、新たな付加価値や機能性を有する素材の生産事業として期待が高まっています。第二次産業は食品加工技術だけでなく、農産物をファインケミカル産業に供給可能な原材料に加工する技術を開発する必要があります。医薬品や生理活性物質のようなファインケミカルあるいはその原料を微生物により生産する技術を開発することは、第一次産業である農業を基盤とした新たな市場形成、新規雇用開発、サーキュラーバイオエコノミーの形成に寄与する可能性があります。
本研究課題では、農産物などから水素燃料とファインケミカル原料を同時に生産する技術(乳酸駆動型嫌気発酵)を開発し、これを社会実装規模で実証します。

USE CASE

最終用途例

未利用の農地と資源を利活用する

USE CASE 01遊休農地・耕作放棄地の利活用

APPLICATION

APPLICATION

資源作物や多収穫米を栽培する

遊休農地や耕作放棄地などの未利用の農地は年々増加傾向にあります。未利用農地の利活用は雇用の確保と地域経済活性化の要です。未利用農地で資源作物や多収穫米のような加工用農作物を栽培し、収穫物から水素燃料とファインケミカル原料を生産します。

USE CASE 02未利用資源の利活用

APPLICATION

APPLICATION

廃棄物・排水を資源として利活用する

食品加工産業からは、製品以外に未利用の有機物を含む廃棄物や排水が発生する。このような質の低い有機物を微生物は嫌気発酵の原料として利用できます。

STRENGTHS

強み

水素発酵菌と乳酸菌の連携

STRENGTHS 01

雑菌に対する耐性が高いため、滅菌等の施設が不要で、システムと維持管理を簡素化できます

嫌気発酵は安価な水素を生産する技術として研究されてきました。しかし、過去に開発されてきた嫌気発酵システムは乳酸菌などの雑菌汚染に脆弱でした。雑菌汚染を回避するためには殺菌システムが不可欠とされています。当該研究課題では雑菌による汚染を回避できるため、殺菌システムが不要です。

TECHNOLOGY

テクノロジー

乳酸駆動型嫌気発酵

TECHNOLOGY 01

嫌気発酵による水素生産では汚染菌とされてきた乳酸菌を利用できる

Megasphaera属の細菌は乳酸菌の存在下で増殖し、乳酸菌が生産する乳酸を原料として水素やその他の代謝物を生産できます。これは雑菌汚染を回避しながら、複雑な有機物から生産物を得るために有利です。

PRESENTATION

共同研究仮説

農業を支援する新規の産業技術を開発したいと思います

共同研究仮説01

将来のために、日本の農地を利活用し、維持する手段が必要です

人口減少過程における日本では、食料の生産だけでなく、より付加価値の高い生産物を得るために農地を利活用する必要があります。水素燃料/ファインケミカル原料を生産する小規模分散型の技術を開発することで、未利用の農地を利活用するための手段を社会に提供したいと思っています。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

大西 章博 東京農業大学 応用生物科学部 醸造科学科 醸造環境科学研究室
経歴

【主な経歴】

2004年 東京農業大学 応用生物科学部 醸造科学科 副手  

2012年 東京農業大学 応用生物科学部 醸造科学科 准教授  

2022年 東京農業大学 応用生物科学部 醸造科学科 教授  

 

【関連論文】

Biohydrogen production by mixed culture of Megasphaera elsdenii with lactic acid bacteria as Lactate-driven dark fermentation. Bioresource Technology. 2022 Jan;343:126076. doi: 10.1016/j.biortech.2021.126076.