2026年度掲載 seeds-009-0034 - 【東北】 ナノ材料プロセスの「視えない」を可視化する光学計測技術
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

試行錯誤型の材料開発を、観測に基づくプロセス設計へ

プロセス中の動的現象を視える化し、材料・製造条件の最適化へつなげる

高機能材料の塗布・印刷・乾燥をはじめとする各種プロセスにおいて、所望の最終構造や性能を得るためには、プロセス中の熱・物質輸送が重要です。しかし、プロセス内部の状態は直接観測しにくく、条件探索が経験則や試行錯誤に依存しがちです。本研究では、薄膜形状やナノ粒子濃度等を非接触で時空間計測する光学技術を構築し、「何が起きたか」を定量的なデータとして取得します。得られた情報を材料組成やプロセス条件へ還元し、観測・理解・設計をつなぐ材料プロセス開発を目指します。

USE CASE

最終用途例

塗布・印刷から半導体プロセスまで、動的な材料挙動を捉える

USE CASE 01塗布・印刷・乾燥プロセスの最適化

APPLICATION

APPLICATION

膜厚・形状とナノ粒子濃度を同時に観測

サブ100 nm~µm領域の液膜・薄膜形状と、数nm級ナノ粒子の濃度分布を追跡し、膜むらや堆積パターンの発生過程を解析します。

USE CASE 02研磨プロセスの可視化

APPLICATION

APPLICATION

流動・せん断下の粒子輸送を計測

ナノ粒子スラリーを用いた研磨プロセス等を模擬した流動・せん断場で、ナノ粒子の輸送・集積・枯渇を可視化し、プロセス条件との関係を評価します。

USE CASE 03ナノ材料・機能性流体の輸送現象の評価

APPLICATION

APPLICATION

温度分布とナノ粒子濃度分布を同時に観測

温度場と粒子濃度場の時空間変化を計測し、ナノ粒子分散液における熱・物質輸送現象を評価します。

STRENGTHS

強み

ナノ材料プロセスを形状・濃度・温度の時空間分布として捉える

STRENGTHS 01

数nm級粒子をラベルフリー計測

ナノ粒子の光学特性を利用し、蛍光色素等を加えずに濃度分布を計測できます。可視光散乱では捉えにくい数nm級粒子の動態評価に適しています。

STRENGTHS 02

複数の物理量を同時計測

膜厚と粒子濃度、あるいは温度と粒子濃度を同一視野・同一時間で取得し、形状変化や熱・物質輸送を一つの動的現象として解析できます。

STRENGTHS 03

現象理解からプロセス条件へ還元

プロセス条件と最終結果だけでなく、形成途中の時空間データを取得します。材料組成や塗布・流動条件との関係を整理し、条件設計や不具合解析へつなげます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

位相シフト光学計測と深紫外イメージングを統合した動的計測

TECHNOLOGY 01

膜厚・粒子濃度・温度の時空間イメージング

位相シフトイメージングエリプソメトリによりナノ~µm領域の膜厚分布、深紫外イメージングにより数nm級ナノ粒子の濃度分布、位相シフト干渉計により温度分布を非接触で計測します。これらを組み合わせ、膜厚+粒子濃度、温度+粒子濃度の同時計測を実証しています。複数の物理量を相補的に捉えることで、プロセス中の形状変化、粒子輸送、熱輸送を可視化し、現象理解と条件最適化につなげます。

PRESENTATION

共同研究仮説

企業の「何を見たいか」から共同研究を設計

PRESENTATION 01

塗布・印刷・成膜

材料処方と膜形成挙動をつなぐ

企業側の実材料・プロセス課題と、大学側の膜厚・粒子濃度の動的計測を組み合わせることを想定しています。評価条件を共同設計し、膜むらや堆積パターンの発生要因を検証できればと考えています。

PRESENTATION 02

半導体・CMP等のプロセス

流動・せん断下の粒子輸送を検証

企業側の装置・材料・プロセス知見を基にモデル試験系を構築し、大学側の光学計測で粒子輸送を可視化します。実条件への適用可能性と有効な評価指標を共同で検討できればと考えています。

PRESENTATION 03

計測・プロセス装置への展開

産業用計測モジュール化を検討

研究室で開発した光学計測原理を、企業の光学設計・装置化技術と組み合わせ、モジュール化できればと考えています。必要な性能、光学配置、校正、操作性を整理し、産業用評価システムへの展開可能性を検討させていただきたいです。

LABORATORY

研究設備

独自に構築した光学計測系とモデル試験環境

LABORATORY 01

位相シフトイメージングエリプソメータ

偏光・反射光を利用して、基板上のナノ~µm領域の液膜・薄膜形状を二次元・時間分解計測する光学系です。

LABORATORY 02

深紫外イメージング計測系

ナノ粒子の深紫外域での固有吸収を利用し、バルクや薄膜中の濃度分布を非接触・ラベルフリーで可視化する光学系です。

LABORATORY 03

位相シフト光干渉計

光干渉による屈折率変化の高感度計測を基盤に、温度・密度等の時空間分布を測定する光学系です。

RESEARCHER

研究者

庄司 衛太東北大学大学院工学研究科機械機能創成専攻 准教授
経歴

2015年3月 東北大学大学院工学研究科博士課程修了 博士(工学)
2015年4月 東北大学流体科学研究所 産学官連携研究員
2016年4月 東北大学大学院工学研究科 助教
2023年1月 東北大学大学院工学研究科 准教授
【受賞】
2026年 化学工学会粒子・流体プロセス部会フロンティア賞
2025年 日本伝熱学会登鯉賞
2025年 インテリジェント・コスモス奨励賞
2022年 化学工学会研究奨励賞
2022年 化学工学会粒子・流体プロセス部会シンポジウム賞(奨励賞)
2022年 第62回原田研究奨励賞
2021年 第27回青葉工学研究奨励賞
2021年 日本機械学会奨励賞(研究)等

研究者からのメッセージ

「作ってみなければ分からない」材料プロセスを、観測できる工学へ

材料プロセスでは、最終的な膜や製品を詳しく評価できても、その形成途中で何が起きていたのかは見えないことが少なくありません。私は、熱・物質輸送を「見える量」に変える光学計測を軸に、濡れ、薄膜形成、粒子輸送を研究してきました。企業の方々が抱える「ここが見えれば原因が分かる」「この過程を定量化したい」という課題を伺い、対象材料やプロセスに合わせて評価系を一緒に設計したいと考えています。計測を起点として、観測から現象理解、材料・プロセス条件の設計へつなげる共同研究を目指します。