2026年度掲載 seeds-009-0003 - 【四国】 大面積・多機能な偏光光学素子をデジタル印刷で製造するプラットフォーム
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

光を自在に操る:次世代フォトニクス産業の革新

光学機能をソフトウェアで設計し、大面積の薄膜へデジタル印刷する

AR/VR、自動運転のセンシング、光通信、光コンピューティングなどの先進応用では、光の波面と偏光を空間的に精密に制御できる大口径・多機能な光学素子が求められています。しかし従来の記録手法や光集積チップでは、多機能化と10 cm級への大面積化を両立できません。高知大学と京都工芸繊維大学の共同研究グループは、光学機能をソフトウェアで設計し、感光性ポリマー膜へデジタル印刷する製造プラットフォームを開発しています。従来5〜6個の光学部品が担っていた機能を1枚の薄型素子に集約し、光学機器の小型化・低コスト化に貢献します。

USE CASE

最終用途例

光学技術が拓く多様な産業応用

USE CASE 01AR/MR:次世代ウェアラブルデバイスの光学系革新

APPLICATION

APPLICATION

薄型・軽量な次世代AR光学エンジン

HOEをAR/MRデバイスの光学系に応用し、複雑な光路設計を薄型・軽量な素子で実現。高品質な映像体験と装置の小型化を両立します。

USE CASE 02自由空間光通信(FSOC)の大容量・高信頼化

APPLICATION

APPLICATION

光ビーム整形と受信端モード分離の同時制御

HOEを送受信両端に適用することで、光ビームの精密な整形と受信側でのモード識別を実現。干渉を抑えた大容量・高信頼性の光無線通信システムの構築を支援します。

USE CASE 03光コンピューティング・ホログラフィックデータストレージ

APPLICATION

APPLICATION

光演算素子とホログラフィックメモリへの応用

設計自由度の高いHOEを光演算素子やホログラフィックデータストレージに応用し、高速・大容量のデータ処理・記録システムの実現を目指します。

STRENGTHS

強み

「大面積」×「多機能」×「完全デジタル」による光学素子製造

STRENGTHS 01

金型・マスク不要の完全デジタル製造

光学素子の機能をデジタルデータとして設計し、SLMで直接印刷します。金型やマスクが不要なため、設計変更はソフトウェアの更新だけで対応でき、試作の期間とコストを大幅に削減できます。少量多品種の試作から量産まで同じ設備で対応できます。

STRENGTHS 02

位相・振幅・偏光を1枚の素子に集約

位相・振幅・偏光を同時に制御する多重化ホログラムにより、レンズ・偏向・ビーム整形など従来5〜6個の光学部品が担っていた機能を1枚の薄型素子に統合できます。部品点数と実装スペースを削減し、システムの小型・軽量化に貢献します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

SLMデジタル印刷とテンソル設計による多機能偏光ホログラム

TECHNOLOGY 01

タイル接合による10 cm角への大面積化

本技術は3つの要素で構成されます。①SLM(空間光変調器)を「光学プリンタ」として用い、計算したホログラムをピクセル単位で感光性ポリマー膜に記録します。タイルごとに接合して記録することで、実験室規模から10 cm×10 cmへの大面積化を進めています。②テンソル理論に基づく設計手法により、偏光多重化された複雑なパターンを大口径全体で計算します。③京都工芸繊維大学が開発したアゾカルバゾール系ポリマーは常温・常圧で記録でき、回折効率90%超、10秒以内の高速記録を実証しています。

PRESENTATION

共同研究仮説

HOE技術の産業応用に向けた共同研究を提案

PRESENTATION 01

大面積感光性材料の共同開発

10 cm角で高効率な記録材料の製品化

化学・材料メーカー様と、アゾカルバゾール系感光性ポリマーの大面積・均一成膜技術を共同開発します。本グループは材料設計と光学評価を、企業様は成膜・量産プロセスを担い、高効率・長寿命な記録材料の製品化を目指します。

PRESENTATION 02

AR・HUD向け薄型光学素子の共同試作

複数の光学部品を1枚の素子に集約

ディスプレイ・光学機器メーカー様と、AR/VRグラスやヘッドアップディスプレイ向けの多機能光学素子を共同試作します。企業様の光学仕様に基づき本グループが設計・印刷を行い、部品点数の削減と薄型・軽量化をPoC段階から検証します。

PRESENTATION 03

光無線通信・センシング用ビーム制御素子

ベクトルビームで通信容量と精度を向上

通信・センサ機器メーカー様と、自由空間光通信やLiDAR向けのベクトルビーム整形・モード分離素子を共同開発します。本グループが素子の設計・試作を、企業様がシステム評価を担い、大容量化・高精度化の実証を目指します。

LABORATORY

研究設備

デジタル印刷から材料合成・評価まで一貫した研究環境

LABORATORY 01

SLMデジタルホログラム印刷システム

高知大学では、空間光変調器(SLM)を用いた単一ビーム型のホログラム印刷システムを構築しています。計算したホログラムをピクセル単位で感光性ポリマー膜に記録し、タイル接合による大面積化を進めています。

LABORATORY 02

感光性ポリマー材料の合成・成膜・評価

京都工芸繊維大学 木梨研究室では、アゾカルバゾール系感光性ポリマーの合成、薄膜作製、回折効率・耐久性の評価を行っています。回折効率90%超、10秒以内で記録できる材料を開発しています。

LABORATORY 03

計算設計・光学評価環境

テンソル理論に基づく多重化偏光ホログラムの設計・シミュレーション環境と、生成した構造化光ビームの強度・偏光分布を評価する光学計測系を備えています。

RESEARCHER

研究者

ボワズ・ジャキン高知大学 理工学部 情報科学科 教授
経歴

2013年 宇都宮大学大学院 博士(工学)取得。2016〜2020年 情報通信研究機構(NICT)研究員として光場ホログラフィックディスプレイの研究に従事。2020〜2025年 京都工芸繊維大学 特任准教授としてホログラフィーと光機能性ポリマーの研究に従事。2025年より高知大学 理工学部 情報科学科 教授。

研究者からのメッセージ

光が拓く未来:産学連携で光学技術の実用化を

ホログラフィック光学素子は、AR/MR、光通信、光コンピューティングなど多くの分野で革新をもたらす可能性を秘めています。私たちのグループは、光学・材料科学・デジタル技術の融合という新しいアプローチで、これらの技術の実用化を目指しています。現時点では基礎研究・実証段階にありますが、産業界のパートナー様と共に課題を共有し、共同研究を通じて社会に貢献できる技術へと発展させたいと考えています。光の可能性を一緒に追求しましょう。