2026年度掲載 seeds-009-0038 - 【関東】 線形干渉に基づく光ディジタル論理デバイスの開発
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

光で「処理する」未来をつくる

光の性質を利用して,情報の伝送だけでなく論理処理まで実現する

スマートフォンやAIが当たり前となった現代社会において,光通信は情報通信インフラを支える欠かせない技術となっています.現在の情報通信では,光は主にデータを運ぶ役割を担い,情報の判断や計算は電気回路によって行われています.しかし,今後さらに情報処理の高速化が求められる中で,電気回路による処理がシステム全体の性能を制限する要因となることが懸念されています.そこで,本研究では,光が互いに重なり合う「干渉」という現象を利用し,電気信号に変換することなく,光のままディジタル情報を処理する技術の実現を目指しています.

USE CASE

最終用途例

光で判断する,光で計算する

USE CASE 01AIデータセンタの情報処理を光で高速・省エネ化

APPLICATION

APPLICATION

光のままデータを識別・処理する次世代ネットワーク

AIデータセンタでは光技術の導入が進んでいますが,データの転送先を判断する処理は依然として電気回路に依存しています.本技術を応用することで,転送先の識別や,ラベル情報の更新などを光のまま実行します.

MARKET

MARKET

AIの普及で拡大する光通信・光電融合市場

生成AIの普及に伴い,AIデータセンタでは消費電力の増加が問題となっています.これを背景に,光インターコネクトや光スイッチなど,高速・低消費電力な光通信技術への需要が高まっています.

IMPLEMENTATION

IMPLEMENTATION

光集積回路への実装と多ビット化による実用展開

提案する設計手法を用いて,光信号の識別を行うデコーダや演算を行う加算器を設計します.これらをシリコンフォトニクス技術によって小型の光集積回路として実装し,光スイッチや光通信機器との連携を目指します.

STRENGTHS

強み

光の「線形」な重ね合わせだけで大規模な論理演算を表現

STRENGTHS 01

非線形性に依存しない,ビットスケーラブルな光論理回路設計

従来の光論理技術では,強い光を必要とする非線形光学効果に基づく論理ゲートが用いられてきました.本技術では,光の線形干渉のみで論理機能全体を直接実現します.さらに,数学的な最適化により,ビット数が増加しても目的の論理機能を実現する干渉条件を探索でき,大規模化と低消費電力化が期待できます.

TECHNOLOGY

テクノロジー

光の干渉を数式で表し,最適化によって目的の論理機能を生み出す

TECHNOLOGY 01

ユニタリ行列と多様体最適化による光論理回路設計

光の干渉による入力と出力の関係を「ユニタリ行列」と呼ばれる数学的な表現で記述し,目的とする論理機能を実現するための条件を探索します.このとき,通常の最適化手法ではユニタリ行列としての性質を満たさない解が得られる場合があるため,「多様体最適化」と呼ばれる数学的手法を用います.これにより,ユニタリ行列としての性質を保ちながら,目的の論理機能を実現するための条件を効率的に探索できます.さらに,得られた設計結果をシリコン上の微細な光回路として実装することで,小型で集積化に適した光論理デバイスの実現を目指します.

PRESENTATION

共同研究仮説

光の新しい可能性を,企業との共同研究で切り拓く

PRESENTATION 01

光ディジタル論理デバイスを企業とともに創出

大学と企業の技術を融合し,実用化に向けた共同研究を推進

大学が有する光ディジタル論理回路の設計技術と,企業が有するニーズを組み合わせ,どのような情報処理を光領域で実行することがシステム全体の価値につながるかを共同で探索したいと考えています.具体的には,実システムにおけるニーズや要求仕様を共有し,用途の具体化と概念実証を共同で検討することを目指します.

RESEARCHER

研究者

相川 洋平東京科学大学 総合研究院 未来産業技術研究所
助教(テニュアトラック)
経歴

2010 - 2014年: KDDI株式会社
2014 - 2017年: 東京工業大学 物理電子システム創造専攻・学振特別研究員DC1
2017 - 2022年: 沖縄工業高等専門学校 情報通信システム工学科 助教
2022 - 2025年: 東京科学大学(旧 東京工業大学) 未来産業技術研究所 助教
2023 - 2026年: JST ACT-X 個人研究者
2025 - 現在  : 東京科学大学 未来産業技術研究所 助教(テニュアトラック)

研究者からのメッセージ

興味がございましたらお気軽にお声がけください

本技術は,光ディジタル論理回路の実現を目的として提案したものですが,その応用先は必ずしも論理回路に限定されません.回路の入出力関係が定義され,原理的に無損失な特性(ユニタリ性)をもつものであれば,幅広い光回路の設計に応用できる可能性があります.現在,我々はAIデータセンタにおける論理処理への応用を中心に研究を進めていますが,信号処理やセンシングなど,さまざまな分野への展開も期待しています.本技術にご興味をお持ちいただけましたら,ぜひお気軽にお問い合わせください.