2025年度公募 seeds-008-0010 - 【東北】 高加工性を実現する高比強度かつ高超弾性Ti-Al基形状記憶合金の開発
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

本研究で開発する軽量で高強度
かつ高超弾性の新規Ti-Al基形状記憶合金である。

軽量な構造・機能材料として宇宙・深海開発、自動車、
固体冷凍等の新技術分野にも大きな期待が寄せられる。

本研究開発で提案するTi-Al基形状記憶合金は申請者らの研究によるオリジナルの材料であり、
このような軽量で高強度・大可逆歪みが確認されている超弾性材料は
世界的に見ても存在しない。
従来の形状記憶合金では実現できない特性を持つ革新的な材料は、
従来の設計枠を超えた製品を生み出す可能性がある。
本研究で開発を行うTi-Al基形状記憶合金は特異な超弾性機能を活かし、
減衰効果を利用した耐震材料や熱量効果を利用した固体冷媒等への幅広い応用が期待でき、
社会、産業への波及効果が大きいと考えられる。
まとめとして、出口のイメージはVISION画像に示す通りである。

USE CASE

最終用途例

生体材料に加え、宇宙・深海開発や自動車、
固体冷凍など幅広い分野での応用が期待される

USE CASE 01生体材料

APPLICATION

APPLICATION

超弾性を備え、ステント、インプラントなど

生体材料には生体適合性と超弾性が求められる。
Ti-Al基形状記憶合金は、既存材料に比べ超弾性・生体適合性・加工性に優れ、実用化すれば高い優位性を持つ製品開発が可能となる。

USE CASE 02超弾性タイヤ

APPLICATION

APPLICATION

超弾性タイヤ

本研究のTi-Al基形状記憶合金は軽量かつ広い使用温度範囲と卓越した超弾性を備え、
次世代車用の超弾性タイヤに最適な素材候補である。

STRENGTHS

強み

既存のTi基合金を凌駕する高強度・大可逆歪み等の優れた超弾性特性を有する

STRENGTHS 01

高強度・大可逆歪み等の優れた超弾性特性を有する

本研究で開発する、軽量で高強度かつ高超弾性の新規Ti-Al基形状記憶合金である。
予備研究で見出したTi-Al基形状記憶合金は、Ni-Ti合金に匹敵する7%を超える可逆歪みを持ちながら、
従来のTi基合金よりも遥かに高い約800 MPaの強度を示している。

TECHNOLOGY

テクノロジー

優れた特性を有する新規材料の開発

TECHNOLOGY 01

従来の設計枠を超えた製品を生み出す可能性があり

既存材料の代替品となり得るだけでなく、従来の設計枠を超えた製品を生み出す可能性がある。
提案するTi-Al基形状記憶合金は、超弾性、生体適合性、加工性、軽量性、使用温度範囲の点で
従来の素材と比べて比類なき特性を持つ可能性が確認されており、本研究開発が成功すれば、
従来技術に比べて高い優位性を持つ製品の開発は従来にない独創的なテーマである。

PRESENTATION

共同研究仮説

実用化に向けての課題と解決策

共同研究仮説01

素材の製造コストを削減し、量産性を向上させる

製造技術の確立

本研究開発で行う合金は新規であり、特性が材料組織に強く依存するため、
溶解・加工・熱処理の製造工程の確立が必要になる。また、製品コストと量産性との両立を検討する必要がある。

共同研究仮説02

製品化と市場化

素材からデバイスに製品化すること

本研究開発で提案する応用を実現するために、素材からデバイスに製品化することが必要である。
また、一部の製品は市場に向け、公的機関への許認可を受ける必要がある。
企業と連携して素材の深加工により構造設計から機能検証までのデバイス化に進む。

RESEARCHER

研究者

宋 雨鑫 (ソウ ウキン) 東北大学 学際科学フロンティア研究所
特任助教
経歴

2024-現在    現職
2021-2024 Ph. D. 東北大学
2018-2021 M. S. 大阪大学

研究者からのメッセージ

本事業で企業との共同研究等を実施する必要性

□ 中型溶解品の特性制御:現状では数十グラムの実験室レベルしか実験が行われておらず、
溶解規模が大きくなればプロセス履歴が変わるため集合組織など異なることが予想される。
10kg以上レベルの中型溶解・加工・熱処理を行い材料組織と機械特性を確認し、その後の量産溶解の基礎情報とする必要がある。
□ デバイス化と製品化:本研究開発は合金素材が医療機器及び超弾性タイヤへの製品化を想定しているため、
相応の製品製造能力のある企業と連携して製造技術の確立が必要である。
□ 知財に関する計画:本研究開発の成果を基本とした材料組成、材料組織と特性の制御技術や製品の設計に関するものが特許出願等に見込まれる。
□ 企業と連携して活動することにより、企業の持つチャンネルを活かした幅広い知見(市場ニーズ等)の獲得や、
効率的な研究が可能となり、実用化研究を迅速に推進することができる。