2024年度公募 seeds-5255 - 【】 廃エンプラを分解性ポリマーに変換:既存プラの代替材料からバイオマテリアルまで幅広い用途展開が期待
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VISION

ビジョン

プラスチック産業における化石資源依存からの脱却

プラスチック・繊維の完全循環を達成し、持続可能社会を実現する

プラスチック産業では、海洋プラスチックごみ問題と二酸化炭素排出抑制のための化石資源利用の見直しが課題です。世界のプラスチック使用量 は4.6億トン(2019年OECD調べ)とされ、今後も増加の一途をたどると予想されています。持続可能な社会の実現に向けて、すべてのプラスチックをリサイクルやアップサイクルの対象にして完全な循環システムを構築するとともに、循環可能な材料やバイオベース原料への置き換えも検討する必要があります。

USE CASE

最終用途例

エンプラ廃棄物のアップサイクルを提案します

USE CASE 01廃エンプラを化学変換により有用物質の原料にします

APPLICATION

APPLICATION

分解性ポリマーのモノマーに直接変換

対象となるエンプラは、輸送機器、建材、電子材料、医療材料など幅広く利用される一方、廃棄後の処理が課題となっています。本手法では廃エンプラに反応を施し、直接分解性ポリマーのモノマーに変換します

USE CASE 02機能化された分解性ポリマーを生成

APPLICATION

APPLICATION

熱安定性の付与や分解時期の制御が可能

易分解性骨格を利用した機能材料展開が可能です。例えば、リサイクル性の高い有機レンズや電子材料部材、医療用材料(吸収性材料、抗菌剤、抗血栓性材料など)など。

STRENGTHS

強み

分解性ポリマーの原料を簡便・効率的に生成

STRENGTHS 01

従来法に比べて省溶剤・省エネルギーでのモノマー合成

対象とする分解性ポリマーのモノマーは従来は溶剤中で反応させ、その後精製のためにイオン交換やカラムクロマトグラフィーによる操作を経て、溶剤留去というプロセスが必要でした。本手法ではモノマーが反応媒体中から沈殿生成するため、ろ過操作だけで高純度モノマーが得られます。

STRENGTHS 02

高機能の分解性ポリマーを生成

得られるポリマーは100度付近までの熱安定性(ポリスチレンやアクリル酸樹脂と同等)を示します。分解のスイッチ機構やバイオ機能を付与することもできます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

廃エンプラを高効率に高機能の分解性ポリマーへ変換

TECHNOLOGY 01

エンプラから環境低負荷材料を生産

エンプラからモノマーへの変換反応は100度以下数時間の反応で完了します。さらにモノマーが沈殿生成するため、ろ過での単離が可能となります。従来のモノマー合成法に比べて非常に高効率を達成しました。スケールアップも容易であり、100 gスケールは直ちに、kgスケールも少しの検討で可能と予想されます。反応は結合特異的であるため、特にビニル系ポリマーや天然素材との混合部材の廃棄物であれば、選択的アップサイクルが可能と想定されます。

TECHNOLOGY 02

分解性ポリマーの新たな製造ルート

石油由来プラスチックのアップサイクルの展開として、分解性ポリマーや循環型材料につなげることは、資源循環と環境保護の両方に貢献することになります。バイオベース分子をアップサイクル反応に利用することも可能であり、その場合は得られるポリマーはバイオベース・アップサイクル・分解性(循環性)の3つの要素を含むものとなります。本手法は複数の視点から環境負荷の低いポリマー製造法と言えます。

PRESENTATION

共同研究仮説

廃エンプラの有効利用や分解性ポリマーによる代替をご検討の企業様との連携を希望します

共同研究仮説01

エンプラ廃棄物の有効活用法の1つとしてご検討ください

透明、耐衝撃性が特徴のエンプラを有用資源化します

アップサイクルおよび関連したポリマー分解技術の移転が可能です。ご興味のある企業様には本技術の実用可能性やスケールアップの採算性など評価していただけますと幸いです。
また、複合材や他ポリマーとの混合物についての有効性がまだ検証できておりませんので、廃棄物をサンプル提供していただける企業様も大歓迎です。

共同研究仮説02

生成する分解性ポリマーの用途探索を希望いたします

樹脂用途からバイオマテリアルまで

ガラス転移温度100度以上のポリマー生成の可能性もあります。樹脂用途や電子部材、建材等へ代替材料としての展開が期待されます。
分解特性を生かしたバイオ材料への展開も想定されます。
一方、高分子量化が要検討項目になりますので、重合化学に強みをお持ちの企業様との連携も歓迎いたします。

RESEARCHER

研究者

福島 和樹 京都工芸繊維大学 繊維学系 教授
経歴

経歴
2007年3月 博士(工学) 取得
2007年6月ー2011年9月 IBMアルマデン研究所 博士研究員
2011年9月ー2018年6月 山形大学 助教
2018年ー2024年3月 東京大学 准教授
2021年10月ー現在 JST さきがけ研究員(兼任)
2024年4月ー現在 京都工芸繊維大学 教授

代表論文
1. Y. Watanabe et al., JACS Au, in press. DOI: 10.1021/jacsau.4c00286
2. T. Ota et al., RSC Adv., 2023,13, 27764-27771. DOI: 10.1039/d3ra01025b
3. Y. Watanabe et al., Macromolecules, 2022, 55, 23, 10285–10293. DOI: 10.1021/acs.macromol.2c01747
4. K. Saito et al., J. Mater. Chem. A, 2020, 8, 28, 13921–13926. DOI: 10.1039/D0TA03374J

研究者からのメッセージ

持続可能な物質循環社会の実現のために本技術をご活用ください

実用化にはまだまだほど遠い基礎研究の成果ではありますが、可能性の一端が見られましたら連携をご検討頂けますと幸いです。