2023年度公募 seeds-4866 - 【東海】 ナノ階層構造膜の新規合成プロセスと超高感度ガスセンサの開発
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VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

ナノ材料による半導体式ガスセンサの高感度・高選択性・省電力・小型化の実現

半導体式ガスセンサの高感度化・省電力・小型化による新たなガスセンシング

半導体式ガスセンサの高感度・高選択性・省電力・小型化が可能になると、呼気や皮膚ガスから日々の健康管理やガンの診断が可能になります。また、住宅や工場、農場などの大気成分や、食品や農産物の化学物質のモニタリングが可能となり、安心安全な暮らしの実現、工業製品や農作物の生産効率の向上、フードロスの削減などが期待されます。

USE CASE

最終用途例

化学物質や病気マーカーの高感度センシング

USE CASE 01呼気や皮膚ガスから病気のマーカー物質を検出

APPLICATION

APPLICATION

日常の健康管理からガンなどの早期診断や再発防止

呼気や皮膚ガスに含まれるガス成分と、ガンや生活病には相関があることが分かっています。ガスセンサの小型化や高感度化により手軽にスクリーニング検査が可能になれば、早期診断や再発防止が可能になります。

USE CASE 02製造現場や農場等の微量ガスのモニタリング

APPLICATION

APPLICATION

環境中の化学物質をモニタリングすることで生産効率を向上

製造現場では、わずかな不純物の混入によって製品の質が変わります。また、農場では二酸化炭素等のガス濃度により生産効率が変化します。これらの微量ガスをモニタリングすることで、生産効率の向上が期待されます。

USE CASE 03水素ガスの高感度検出・モニタリング

APPLICATION

APPLICATION

水素ステーションや水素燃料電池のガス漏洩検知

水素社会の実現には水素ステーションや燃料電池の普及が必要不可欠です。それと同時に、水素ガスの漏洩を管理する必要があります。高感度ガスセンサにより厳しい管理規制への対応が可能になります。

STRENGTHS

強み

金属酸化物のナノ構造体を導入するだけでガスセンサの超高感度化が可能

STRENGTHS 01

従来の貴金属担持や高度な材料設計は不要

従来技術では貴金属や他材料と複合化することでガスセンサの高感度化が進められています。本技術では半導体にナノ構造を導入するだけで、pptオーダーまで感度を増大させることが可能で、小型化、省電力化、低コスト化が期待できます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

超高感度化を実現するナノ階層構造体の簡便な合成法

TECHNOLOGY 01

金属塩と高温水でナノ構造の集積・成膜が可能

ガスセンサの超高感度化を実現したウニ状のナノ階層構造体は、シュウ酸塩と水だけで合成が可能です。また、従来法では、ナノ粒子の合成・洗浄・分散・集積と複数のプロセスが必要でしたが、本技術では、反応溶液に別の材料を浸漬させておくと、合成と同時に材料表面に集積させることが可能で、環境負荷の低減、低コスト化が期待できます。

TECHNOLOGY 02

超高感度な半導体式ガスセンサ

従来の半導体式ガスセンサの多くは、ppmからppbオーダーの検出感度でした。また、多湿環境では感度が低下してしまいます。本技術では、ウニ状の酸化ニオブ構造体を導入することで、アセトンガスに対して乾燥雰囲気でpptオーダー、湿潤雰囲気でもppbオーダーの検出感度を実現しました。また、水素等のガスにおいてもppbオーダーの検出感度を達成しています。

PRESENTATION

共同研究仮説

超高感度ガスセンサで今までにないセンシングを

共同研究仮説01

- pptオーダーの半導体式ガスセンサを開発しませんか?
- 超高感度ガスセンサを試験導入してみませんか?
- ナノ材料の新しい液相プロセスを開発しませんか?

pptオーダーの半導体式ガスセンサを開発しませんか?

ナノ階層構造を導入したガスセンサの開発

本技術では、センサ素子や基板上にナノ階層構造を直接析出させる技術の構築を目指しています。高感度ガスセンサの素子作製、デバイス化、MEMS型センサ開発にご興味のある企業の方と一緒に、企業における生産の観点を取り入れつつ、新しいガスセンサの開発に挑戦したいと考えています。

超高感度ガスセンサを試験導入してみませんか?

食品、工場、住宅などで極微小なガスを検出

本技術では、すでにpptからppbオーダーの感度を持つガスセンサを開発しています。社会実装には、実証試験を行う必要があります。食品の鮮度や安全チェック、製造現場での化学物質や不純物ガスの管理、住宅におけるストレスガスの確認など、実環境におけるセンシングにご協力いただける企業の方を探しています。

ナノ材料の新しい液相プロセスを開発しませんか?

金属酸化物などのナノ構造体の合成・析出

ナノ材料の液相プロセスは、導入の難しさから生産プロセスに至るケースが多くありません。本技術では、高い反応性と安定性を両立したナノ構造体を、比較的低エネルギー、低環境負荷で合成することができます。ガスセンサ以外でも、液相プロセスの実装にご協力いただける企業の方を探しています。

RESEARCHER

研究者

渕上輝顕 名古屋工業大学 生命・応用化学系プログラム 環境セラミックス分野 助教
経歴

■経歴
2013.9 東京工業大学総合理工学研究科物質科学創造専攻 博士(工学)
2014.4-2015.3 スタンフォード大学 客員研究員(日本学術振興会特別研究員)

■代表論文
“Acetone gas sensor based on Nb2O5@SnO2 hybrid structure with high selectivity and ppt-level sensitivity”, Sensors and Actuators B: Chemical
https://doi.org/10.1016/j.snb.2023.134144

■受賞
日本セラミックス協会 第77回協会賞「進歩賞」(2023年)

■ホームページ
http://kakimotolab.web.nitech.ac.jp/

研究者からのメッセージ

子どもたちの未来を守りたい

ガンなど、子どもの頃に進行が早い病気を、早期に診断し治療に繋げたい。そのために、ガスセンサの高感度化や小型化によって、新しい診断システムが構築されることを願っています。また、持続可能な社会を未来の子どもたちに届けるために、住宅などの環境の改善、工場等の生産効率の向上を目指しています。課題はたくさんありますが、より良い社会の実現にご協力いただける企業の方を探しています。

崔 弼圭 産業技術総合研究所 材料・化学領域 極限機能材料研究部門 電子セラミックスグループ 研究員
経歴

■経歴
2017.3 大阪大学大学院工学研究科応用科学専攻 博士(工学)
2017.4-2021.3 産業技術総合研究所 産総研特別研究員
2021.4-現在 産業技術総合研究所 研究員

■受賞
日本化学会東海支部 奨励賞(2021年)
産総研 領域長賞「論文賞」(2022年)
知財図鑑 知財番付<小結>(2022年)
永井科学技術財団 第40回 奨励賞(2023年)

■ホームページ
https://unit.aist.go.jp/ifm-ri/eceram/

研究者からのメッセージ

生活の質を向上させる指標ガスの検出およびモニタリング技術

ガスは指標となる物質であり、ガスを検出することで発生した場所の状態を知ることができます。日常生活での具体例として、呼吸器のアルコールを検出して体内のアルコール成分を簡単に予測する場合が挙げられます。その他にも、健康管理、食品の新鮮さ管理、作業環境管理など、さまざまな分野で異常状態を示す指標ガスが報告されています。高感度センサとガス識別技術を活用すると、指標となるガスを識別およびモニタリングすることが可能であり、この技術は多くの課題に対処するための重要な手段となります。この技術を活用して、現在社会が直面している様々な課題に対処するためにご協力いただける企業の方を探しています。