2023年度公募 seeds-4858 - 【中部】 フィラー用途向け高性能マキシン分散液の開発
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VISION

ビジョン

新規ナノ材料マキシンを利用した高性能フィラー材料の開発

市場が急速に拡大する導電性フィラー・放熱フィラーの新たな選択肢を提供

近年、熱や電気といったエネルギー利用の効率化が求められており、導電助剤や放熱フィラーなどの市場が急速に拡大している。しかし、既存のフィラー材に利用される炭素材料は分散性に問題がり、性能低下を引き起こす。
この問題を解決する新素材として、優れた電気伝導性・熱伝導性を示す新規2次元ナノ材料であるマキシン(MXene)を用い、フィラーなどへの添加剤として利用できる分散液の開発を目指す。

USE CASE

最終用途例

導電性フィラー・放熱フィラー用途に向けた高性能マキシン分散液

USE CASE 01回路やバッテリーから熱を逃がすギャップフィラー

APPLICATION

APPLICATION

バッテリーや回路の熱による暴走や性能低下を防ぐ

優れた熱伝導性を示すマキシンをギャップフィラーの材料に混ぜ込むことで、従来の素材よりもにヒートシンクなど放熱部分に熱を伝えることがかのうになり、効率的な放熱を促すことで熱による暴走や性能低下を防ぐ。

USE CASE 02高導電性を生かしたの負極活物質や導電助剤への添加

APPLICATION

APPLICATION

バッテリーの高出力や高速充放電特性化に寄与

マキシンはその高い導電性と高い分散性から、少量添加でも導電パスを形成することができ、少量添加で抵抗を下げることができるため電池性能向上に効果的である。

USE CASE 03伸び縮み可能な透明導電性フィルム

APPLICATION

APPLICATION

貼って使える電極やディスプレイへの応用

ナノ材料の特性であるけ軽量・高い光透過性・構造柔軟性を活かして、曲面に貼ることができる デジタルサイネージなどの用途に期待。人に貼ってヘルスモニタリング用途にも使用可能。

STRENGTHS

強み

伝導性と分散性を両立できる、素材としてのマキシンの優位性

STRENGTHS 01

高濃度での分散化が可能

導電性フィラー・放熱フィラー向けの素材として、競合材料である カーボンナノチューブの分散性は0.1~1mg/mL、 その他グラフェンやハードカーボンは<0.1mg/mL。マキシンは~10 mg/mLという高濃度での分散化が可能。

STRENGTHS 02

化学的な処理も容易なプラットフォーム

表面官能基を足がかりとした機能付与が可能であり、用途に合わせたカスタマイズもできる。

TECHNOLOGY

テクノロジー

特殊な分散装置を使用しない、安価な分散技術

TECHNOLOGY 01

ホモジナイザーやジェットミルなど特殊な分散装置は不要

フィラー用途に向けては分散技術が鍵となる。我々の技術はホモジナイザーやジェットミルなど特殊な分散装置は不要であり、独自の手法によって水系・有機溶剤系を問わず分散させる技術を開発している。高濃度でも高い分散状態状態を保持することが可能であり、ダマになりにくい特性を示していることを確認している。(特許出願中1件、出願準備中1件)

TECHNOLOGY 02

フィルムやコンポジットへの加工が容易

研究者はこれまでにナノカーボン材料に関する研究を継続的に進めてきたことから、独自の評価技術も併せ持つ。マキシン分散液を導電性フィルムへと加工することのできる作製・評価技術を保有しており、実際にカーボンナノチューブで作製したフィルムに匹敵する導電性を示すことプロトタイプの作製に成功している。今後の研究の進展によってさらなる性能向上も見込まれる。

PRESENTATION

共同研究仮説

マキシン分散液の商業化・マキシンのフィラーへの実装

共同研究仮説01

販売に向けたマキシン分散液の製造プロセスの確立

製造に向けたスケールアップやそれに伴う諸問題の解決

工業的製造技術(安全・低環境負荷な製法)の開発、品質保証に関わるスペック調査などを、素材・化学メーカーとの共同研究によって目指したい。

共同研究仮説02

コンポジットフィラーの開発

実際のフィラー用途に適したコンポジットの開発と評価

用途やスペックにあわせたマキシンのカスタマイズ、コンポジット材料のデモンストレーション、実用途に向けての性能評価などを、車載部品メーカー・バッテリー部材メーカー・太陽電池関連メーカーなどとタッグを組んで開発したい。

RESEARCHER

研究者

大町 遼 名古屋大学学際統合物質科学研究機構・講師
経歴

研究テーマ;化学的アプローチに基づくナノカーボン材料の応用
受賞歴:赤﨑賞(2021)、応用物理学会論文奨励賞(2020)、日本化学会若い世代の特別講演(2019)など
化学メーカーなど複数企業との共同研究の経験あり

研究者からのメッセージ

新材料マキシンの実用化を目指しましょう!

マキシンはカーボンナノチューブやグラフェンなどの一般的な炭素材料と比較して、知名度はまだまだ高くありませんが、基礎物性などのポテンシャルは高く、また加工容易性など優れた特性を併せ持っています。参入の少ない魅力的な材料ですので、ぜひ共同研究をお願いできればと思います。