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ビジョン
最終用途例
APPLICATION
CO2洗浄乾燥技術を利用し、熱伝導フィラー(Al2O3, AlN)とポリマーとの混和性を顕著に向上させることで、易加工性と高放熱性(高充填性)を両立し、CPU等における演算処理速度を向上させましょう!
MARKET
パワー半導体の市場規模予測(2030):5.4兆円、放熱シートの市場規模予測(2025):5200億円
APPLICATION
従来の洗浄乾燥技術をCO2洗浄乾燥技術に転換し、より小さな銀ナノ粒子を用いた超濃厚系・超高分散系のAgナノインクを開発し、極薄な透明導電フィルムひいては極薄フレキシブル画面を実現させましょう!
MARKET
フレキシブル画面の市場規模予測(2027):5.3兆円、銀ナノインクの市場規模予測(2030):6500億円
強み
洗浄工程では、粒子間隙に存在する非修飾の界面活性剤を溶解除去する必要があるが、通常の液体溶媒はナノ空隙への浸透速度が遅いため、不純物が残存しやすい点が問題である。対して、超臨界CO2は液体溶媒の10倍~100倍という高い拡散性を持つため、ナノ空隙へ高速侵入し、ナノ粒子の完全洗浄を実現できる。
乾燥工程では、真空蒸発法が多用されるが、毛細管力に起因した粒子同士の凝集が課題であることが知られている。対して、超臨界CO2乾燥では、気液界面の消失に起因した「ゼロ毛細管力」を実現できるため、粒子凝集を回避し、溶媒への分散性やポリマーとの混和性を著しく向上させることができる。
テクノロジー
研究代表者は、ナノ粒子系に適した超臨界CO2洗浄乾燥プロセスを独自に設計し、超臨界CO2洗浄では洗浄効率99%以上という、ハイブリッドナノ粒子の完全洗浄を実現した。また、超臨界CO2洗浄と既存のエタノール洗浄で、洗浄効率を比較検討した結果、より高い洗浄効率を得ることにも成功し、既存の液体洗浄対する優位性も実証した。
研究代表者は、超臨界CO2乾燥技術と従来技術である加熱蒸発法において、ナノ粒子のハンドリング性を決定づける「凝集度合い」と「有機溶媒への再分散性」を比較検証した。その結果、既存の加熱蒸発法では、ナノ粒子が緩慢凝集し、液体溶媒中で沈殿を形成したのに対して、超臨界乾燥法では、ナノ粒子の緩慢凝集が抑止され、液体溶媒中で均一に分散した。このように、加熱蒸発法と比較して、超臨界CO2乾燥法がナノ粒子の凝集を抑止し、有機溶媒への高い再分散性(高いハンドリング性)を実現できることを立証した。
共同研究仮説
共同研究先にはハイブリッドナノ粒子の合成メーカーを想定しております。ナノ粒子の品質(純度・分散性)・コスト競争性(生産性・自動化)を、洗浄・乾燥技術の側面から劇的に向上させ、より広範なナノ粒子用途の拡大を一緒に図っていけたらと考えています。
共同研究先には放熱材料メーカーを想定しております.研究代表者がCO2洗浄乾燥技術を用いて放熱ナノ粒子を処理し,共同研究先が放熱シートとしての利用能(放熱性・加工性)を評価し,研究代表者の材料設計・プロセス設計にフィードバックすることを想定しています.
イベント動画
研究者
・経歴
2020年3月 東京大学大学院新領域創成科学研究科 博士課程 修了
2020年4月 東京工業大学物質理工学院 応用化学系 助教(現職)
・実績
超臨界CO2・超臨界水を活用した有機-無機ハイブリットナノ粒子の設計(合成・分離・洗浄・乾燥・分散)に関して、査読論文8編(筆頭 or 責任)、学会発表31件の実績を有する。
代表論文)Kai Ikeda, Yusuke Shimoyama, Yasuhiko Orita* J. Supercrit. Fluids, 199, 105966 (2023).
・著者リンク
https://researchmap.jp/orita_researcher