2021年度公募 seeds-2045 - 【東北】 フラストレイテッドルイスペアを利用したイオンペアセンサーの開発
  • エレクトロニクス
  • インフラ(資源・エネルギー)
  • 食品・農業
  • 素材
  • ケミカル
  • 化学
  • 材料工学
  • 電気電子工学
  • 環境保護
  • 医療・ヘルスケア
  • 新素材/高付加価値素材
  • センサ・計測・解析
  • ウェアラブルデバイス
VISIONビジョン

このシーズに
問い合わせる

VISION

ビジョン

あらゆるイオンをリアルタイムかつ同時検出可能なセンサーの開発

次世代技術や持続可能な開発に求められるイオンセンシング材料

IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を用いた自動化の発展を背景に、センシング技術の重要性は高まる一方です。なかでも、環境モニタリングシステムや生体センサーの需要にともなって、有害物質や代謝物などに含まれるカチオン(正電荷種)やアニオン(負電荷種)といった電荷を有する化学種(イオン種)を検出するイオンセンサーが注目を浴びています。
本研究では、イオンペアと相互作用を示す新規分子を基盤として、あらゆるイオン種に対するリアルタイムセンシング材料を開発します。

複数イオン種の同時検出が可能な蛍光センサーの開発

蛍光発光などを利用した色覚によるセンシングは、デバイスの軽量化が容易であり、高感度かつ応答速度も速いことから、オンサイトのリアルタイムセンシングを簡便に行うことが可能です。しかし、用いる材料ごとに検出可能なイオン種が限られており、また蛍光発光のON–OFFによる検出では複数のイオン種を対象とした複雑なセンシングや定量的な検出が困難でした。そこで本研究課題では、応答するイオン種の種類によって発光色が変化する新規材料を用いることで、従来型では不可能であった複数イオン種の同時検出・定量化の実現が期待されます。

USE CASE

最終用途例

いつでも、どこでもイオンセンシング

USE CASE 01添加するイオンペアによって色が変わる発光材料

APPLICATION

APPLICATION

オンサイト分析が可能なイオンペアセンシングキット

本研究課題の実現により、環境モニタリングシステムや、味覚センサー、土壌中のイオンの定量化による農業分野への展開および、味覚センサー、ウェアラブル端末に搭載可能な生体センサーなどへの応用が期待されます。

STRENGTHS

強み

高感度かつ高効率なイオンセンシング

STRENGTHS 01

アニオン(負電荷種)とカチオン(正電荷種)を同時検出可能

電荷を有するイオン種の最大の特徴は、必ず対イオンと共存することでイオンペアを形成している点です。従来のようにアニオン(負電荷種)やカチオン(正電荷種)のみではなく、イオンペア(アニオンとカチオンの組み合わせ)を検出できるシステムを確立することで、高感度かつ高効率で多くの情報が得られるようなセンシング技術の実現が可能となります。

TECHNOLOGY

テクノロジー

共存可能なルイスペア「フラストレイテッドルイスペア」を用いた
イオンセンシング技術

TECHNOLOGY 01

新規分子を用いたイオンペアセンシング

これまでの分子では、アニオンとカチオン認識部位がお互いに相互作用してしまうことから、どちらか一方のセンシングが中心でした。我々は、嵩高い置換基を有するルイス酸とルイス塩基の組み合わせからなる、フラストレイテッドルイスペアに着目し、アニオンとカチオンの同時センシングに成功しました。

TECHNOLOGY 02

イオンペア添加によるマルチカラー発光

我々が開発した分子は、検出するイオンペアの種類や量によって、様々な色の発光を示すことが可能です。これにより、センシング技術に限らず、多様な有機デバイスへの応用も可能です。

PRESENTATION

共同研究仮説

有機発光材料とイオンペアを組み合わせた新しい材料を共に開発しませんか?

共同研究仮説01

身近なイオンペアを用いた有機エレクトロニクス材料の開発

塩として身近に存在し、その組み合わせも無限に近く存在するイオンペアを利用することで、センシング材料にとどまらず、有機エレクトロニクス材料の「自在かつ精密な特性変調」と「低コスト・低環境負荷な開発」の両立に挑戦しています。

RESEARCHER

研究者

山門 陵平 山形大学大学院有機材料システム研究科
経歴

2014年 3月 名古屋工業大学大学院工学研究科物質工学専攻博士後期課程(高木研究室) 修了

2014年 4月~2017年 5月  立命館大学(前田大光研究室) 専門研究員

2017年 6月~ 山形大学大学院有機材料システム研究科 助教

【受賞歴】

2015 年 3 月 日本化学会第 95 春季年会 優秀講演賞(学術)
2019 年 5 月 高分子研究奨励賞

 

研究室HP: https://okada-lab.yz.yamagata-u.ac.jp/index.html

Researchmap: https://researchmap.jp/YU_yamakado

研究者からのメッセージ

精密な分子設計に基づいた新規機能性分子を創製し、製品にまで!

π共役系分子は分子設計により、用途にあわせた多様な機能を付与することができます。さらに様々なイオンペアとの複合化を行うことで、その可能性は無限に拡がります。新規材料の創製と製品開発をご一緒にできれば幸いです。