産学連携に取り組む企業と若手研究者をつなぐ「若サポ」のマッチングイベント ―2024年12月 イベントレポート―

2025.01.31 Fri

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が実施する、官民による若手研究者発掘支援事業(以下、「若サポ」)は、大学等の若手研究者と企業との共同研究の形成を支援することにより、次世代のイノベーションを担う人材の育成と新産業の創出を目指しています。

その一環として、2024年12月12日(木)にマッチングイベント(オンライン)が開催されました。本イベントは、若手研究者の研究開発テーマを多くの企業の方に知っていただき、企業の技術ニーズとつなげることを目的としたものです。
当日は、企業の研究開発部門・共同研究・新規事業や技術創出等に携わる担当者に向けに、若手研究者29名の研究シーズに関するピッチ、および、産学連携の先行事例講演を実施しました。

本イベントは終了しましたが、現在、特設サイトにてアーカイブ配信を公開中です(2025年2月28日(金)まで)。
見逃された方は、是非ご確認ください。
本コラムでは、イベント当日の様子や参加者の声を通じて、その魅力をお伝えします。

コンテンツ①:NEDO理事 西村知泰よりご挨拶

NEDO理事 西村知泰
イベントの冒頭では、NEDOの理事 西村知泰から、開会の挨拶を行いました。挨拶では、日頃よりNEDOの事業に対してご理解・ご協力をいただいている御礼を改めてお伝えするとともに、社会課題の解決には新たな技術シーズの発掘とアカデミアの知見を活用することが欠かせず、そのためには若手研究者等の育成、産業界との連携が重要であることから、「若サポ」に取り組んでいることを述べました。

コンテンツ②:産学連携の意義や若手研究者との連携から得られたメリットを伝える先行事例講演

次に、「若サポ」において実際に産学連携を推進している企業2社より先行事例講演を行いました。本イベントでは、株式会社実正 研究部 部長 鈴木聡氏、株式会社大林組 土木本部生産技術本部トンネル技術部技術第一課 課長 渡辺淳氏に、取り組み事例をご紹介いただきました。

各講演では、企業が産学連携に取り組むメリットに加え、「若サポ」を通じて得た具体的な成果や、若手研究者との連携から得られたメリットをご紹介いただきました。また、「若サポ」において共同研究マッチングを進めるにあたり工夫した点についてもご説明いただきました。

先行事例講演 株式会社実正
先行事例講演 株式会社大林組

コンテンツ③:次世代を担う29名の研究者によるピッチを一斉に視聴可能

続いて、本イベントのメインコンテンツである若手研究者によるピッチが行われ、AI、エレクトロニクス、材料・ケミカル、環境・エネルギーなど、さまざまな分野から29名の若手研究者が自らの研究シーズを発表しました。

発表には、若手研究者がどのような形で研究シーズの社会実装を実現したいのか、そのために、企業の方々とどのようなコラボレーションを図りたいのか等に関する説明が含まれています。これらの説明では、専門用語を使いすぎないようにするなど、どなたでも理解できるような工夫をしています。

研究者ピッチの様子(1)
研究者ピッチの様子(2)

参加者の声:「分かりやすさ」と「効率的な情報提供」に高い評価

当日は325名の企業を中心としたご担当者様に参加いただきました。参加企業の業種は素材・素材加工品、機械・電気製品、輸送機械製造、建設、金融、医療・バイオ、公共サービス、食品など多岐にわたり、イベントを通じて、早速若手研究者との面談も多数設定されています。

事後アンケートでは、若手研究者によるピッチについて、「満足した」「どちらかといえば満足した」と回答された方が9割に達しました。
「プレゼン内容や時間配分、全体のデザインが良く、聞いていて分かりやすかった」「研究テーマや貢献可能な分野が明確で、共創のイメージがしやすかった」「発表形式が統一されていて、企業側のニーズを押さえた内容になっていた」など、ピッチの分かりやすさを評価する声が多く寄せられました。

また、「短い時間で多くの研究内容を知ることができた」「幅広いテーマの研究課題を把握できるのが良かった」など、効率性やテーマの多様性に満足する声も多く見られました。さらに、「興味のあるテーマについて技術の強みを効率的に理解できた」「気になっていた研究の内容を直接聞けたことで打ち合わせに結び付いた」といった具体的な連携の可能性を示唆するコメントもありました。

「若サポ」は、今後もイベントの開催等を通じ、産学連携の推進に寄与

「若サポ」は今後も定期的にマッチングイベントを開催し、産学連携の推進に貢献していきます。今後もこうしたマッチングイベントを通じて、大学と企業の連携をさらに強化し、社会実装が可能な技術や新たな産業の創出を目指していきます。

2/28(金)まで、イベント特設サイトにてアーカイブ配信中

本コラムの冒頭でもご説明した通り、2025年2月28日まで、イベント特設サイトにてアーカイブ配信を行っています。ライブ配信を見逃した方も、特設サイトからご覧いただけます。
若手研究者のピッチを視聴しながら、面談リクエストやメッセージ交換ができる機能も用意されています。手軽に若手研究者とコミュニケーションを取ることができますので、是非この機会にご活用ください。

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