2024年度公募 seeds-5574 - 【関東】 自由に経路変更可能なレールを使わない天井高速搬送ロボット(HanGrawler)
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VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

天井空間を活用したロボット搬送技術による工場・現場の空間利用効率の革新的な向上

レールの配置換えを行わなくても、ロボットが自由に天井空間を縦横無尽に移動し、重量物を高速搬送する

生産・建設・物流現場において物品の搬送は必要な作業です。しかし物品の搬送は、それ自体が付加価値を生まない付帯作業であり、人手ではなく、ロボットのような機械が行うのが望ましいです。現状広く広まっている床を移動する搬送ロボットは、センサ技術の発展により自由に経路変更ができるようになりました。しかし、そもそも床面には様々な設備や作業者がいて、それらとロボットとの干渉は避けることができません。本研究は、設備や人が使うことができない天井空間を縦横無尽に移動可能なロボット技術を提供することで、圧倒的に空間利用効率の高い現場の実現に貢献します。

USE CASE

最終用途例

天井空間をロボットが搬送に活用することによる生産・建設・物流現場の革新的空間利用効率の向上

USE CASE 01生産・建設・物流現場の天井空間を活用した人・設備との干渉がない物品搬送

APPLICATION

APPLICATION

いつでも自由に経路変更可能な天井搬送ロボット

工場や物流現場における搬送機械の経路変更は技術者の大きな負担です。本技術はソフトウェアを変更するだけで天井搬送ロボットの経路・停止位置を自由に変更できるため、天井空間を搬送に有効活用できます。

MARKET

MARKET

自動車工場・建設現場・物流倉庫などの障害物の多い環境での搬送

現場の床面は作業者や様々な設備が活用しています。その貴重な床面をモノを運ぶためだけに使うのは勿体ない!人や設備が利用できない天井空間をロボットが活用すれば円滑に物品の搬送ができます。

IMPLEMENTATION

IMPLEMENTATION

工場・建設現場・物流倉庫の変化に柔軟に対応可能な天井搬送

現場の要求は日々変わるため、搬送機械も変更に対して柔軟に対応できる能力が求められます。本研究の天井搬送技術は、天井という特殊な空間を利用しつつ、いつでも簡単に経路を変更可能という特徴を持っています。

STRENGTHS

強み

(レールを使わずに)天井板にぶら下がって移動するロボット

STRENGTHS 01

一定間隔で穴の開いた板にクローラを用いてぶら下がるロボット

従来の天井搬送機械はレールを使って機械を天井にぶら下げていました。よって経路を変更するにはレールの敷設し直しが必要で大きな負担でした。しかし本技術は天井面(板)にぶら下がるため経路変更のために特に環境側を変更する必要はありません。ロボットを制御するソフトウェアの変更のみで自由に経路を選定できます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

天井にぶら下がる世界初のクローラ式移動ロボット

TECHNOLOGY 01

クローラ上に並べられた天井ぶら下がり機構と天井穴の噛み合い

大重量を支持しながら天井面を自由に高速移動することは容易ではありません。磁石、真空、静電気力など様々な原理の天井移動ロボットが提案されていますが、機械的に拘束するロボットがもっとも確実で、停電などが発生しても安全です。本技術では、天井として敷き詰められたパンチングメタルシート(一定間隔で穴の空いた鋼板)に堅牢にぶらさがる機構が、クローラ上に搭載されています。このぶら下がり機構を天井穴にはめ込みながら、クローラを回転させることで、高速な天井ぶら下がりと移動を実現しています。

PRESENTATION

共同研究仮説

天井移動ロボットの量産化に向けた実用化研究

共同研究仮説01

量産に適した天井移動ロボットの構成・ロボット製造技術の開発

日本の優れた生産技術の適用による天井移動ロボットの実用化

我々が開発している天井移動ロボットは研究用機器として高い完成度を誇っています。これをベースに量産化に取り組んで頂ける企業さんを募集しています。量産化にあたっては、ロボットの図面やプログラムなどの技術データは広く公開予定です。世界に類を見ないロボットの普及に関心を寄せる企業さんとの協働を希望します!

RESEARCHER

研究者

福井 類 東京大学 大学院新領域創成科学研究科
人間環境学専攻 准教授
経歴

■略歴(抜粋)
2002年 東京大学 工学部 機械情報工学科 卒業
2004~2006年 三菱重工業株式会社勤務
2009年 東京大学 大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 博士課程修了
2013~2016年 東京大学 大学院工学系研究科 機械工学専攻 特任講師
2016年~ 現職

■所属学会
IEEE Robotics and Automation Society、日本機械学会、日本ロボット学会など

■資格
第二種情報処理技術者、色彩検定3級、第二種電気工事士、知的財産管理技能検定3級、小型車両系建設機械(3t未満)など

■特許
天井移動ロボットに関して2件、その他40件以上(海外特許を含む)

■代表論文
Rui Fukui, Yudai Yamada et al. Hangrawler: Large-payload and high-speed ceiling mobile robot using crawler. IEEE Transactions on Robotics (TRO), Vol. 36, pp. 1053–1066, 2020.

研究者からのメッセージ

技術で人を幸せにする! (社会で役に立つ学術研究を求めて)

当研究室では(遠い将来かもしれませんが)最終的に人を幸せにするのに貢献する技術の開発を目指しています。学術的探求を突き詰めるのはもちろんのこと、その先にどのような応用が待っているのか、その結果誰がどのように幸せになるのかを見定めながら研究を行っています。そのため、我々の研究室ではたった数回の実験でしか達成されないようなチャンピョンデータではなく、繰り返しの実験・デモンストレーション・現場実験で実証されるデータを大切にしています。世界にまだ存在しないカタチのロボットを開発し、社会に広く公開していくことは我々の最大の関心事です。当研究室で開発したロボット技術の実用化にご協力頂けるパートナーがたくさん現れて頂けることを願っております。