高効率な電気自動車の実現
日本では2035年までに新車販売における電動車(HEVを含む)の販売を100%にするとの方針を打ち出している。このため、電気自動車の航続距離の向上、モータの効率化が求められている。二重巻線モータは従来モータの駆動範囲拡大と効率向上が期待されており、特に高速回転時の効率に優れる。本事業では二重巻線モータ実用化のための駆動制御技術を開発する。
若手研究者産学連携
プラットフォーム
研究の成熟度
TRL1
基本原理・
現象の確認
基礎研究
TRL2
原理・現象の
定式化
基礎研究
TRL3
実験による
概念実証
応用研究
TRL4
実験室での
技術検証
応用研究
TRL5
使用環境に
応じた技術検証
実証
TRL6
実環境での
技術検証
実証
TRL7以上
実環境での
技術検証
※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度
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ビジョン
日本では2035年までに新車販売における電動車(HEVを含む)の販売を100%にするとの方針を打ち出している。このため、電気自動車の航続距離の向上、モータの効率化が求められている。二重巻線モータは従来モータの駆動範囲拡大と効率向上が期待されており、特に高速回転時の効率に優れる。本事業では二重巻線モータ実用化のための駆動制御技術を開発する。
最終用途例
強み
テクノロジー
二重巻線モータは2個の三相巻線を有しており、巻線間の磁気結合によって電流の不安定化(オーバーシュート、持続的振動など)が発生しうる。提案の制御法はこの磁気的干渉を完全に抑制可能であることを実験により確認した。右図のように1.5kWの試作モータにおいて激しい電流振動が確認されるが、提案法の適用によりこれを完全に抑制し、制御系帯域幅2000rad/s(時定数0.5ms)の制御性能を実現した。本技術により従来のモータと同様に、高いトルク制御性能を発揮することができる。
一般に、モータの効率駆動アルゴリズムは銅損および鉄損を考慮するため複雑である。二重巻線モータは2系統通電であり、従来モータと比較して自由度が高い反面、より一層複雑な特性を有しており、効率アルゴリズムの構築は困難であった。本事業では二重巻線モータの効率電流の解析解を導出し、これに基づき実装が簡単なアルゴリズムを開発した。
共同研究仮説
二重巻線モータはモータを利用する各種産業に適用でき、モータの駆動範囲拡大や高効率化が可能である。実装に必要な諸技術について、基礎研究は完了している。本研究成果を活用し、従前製品の改良や新規事業化を目指す企業を募集している。
研究者
経歴
2020年4月 津山工業高等専門学校 助教
2024年4月 津山工業高等専門学校 講師
受賞歴
2018年 電気学会優秀論文発表賞