2024年度公募 seeds-5263 - 【】 高効率な電気自動車を実現するモータとその駆動技術の開発
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VISION

ビジョン

電気自動車100%の未来に向けて

高効率な電気自動車の実現

世界的な電動化シフトを背景に、我が国では2030年までにEV・HEVシェアを20~30%に、また2035年までに新車販売における電動車(HEVを含む)の販売を100%にするとの方針を打ち出している。この実現には、現行の電気自動車の課題である航続距離の向上やモータの効率化が求められます。二重巻線モータは従来モータ以上の効率が期待されており、特に高速回転時の効率に優れています。広範囲の駆動が求められる電気自動車には好適なモータであり、本モータの実用化を目指した駆動制御技術を開発しています。

USE CASE

最終用途例

二重巻線モータの適用例

USE CASE 01二重巻線モータによるEV・HEVの高効率化

APPLICATION

APPLICATION

電気自動車の効率改善

現行の電気自動車に利用される永久磁石同期モータは、高速回転時に効率が低下する課題があります。二重巻線モータは2個の三相巻線を配することでこの課題を解決し、広い範囲で高効率な駆動が可能です。

STRENGTHS

強み

安定した電流制御、効率駆動を実現

STRENGTHS 01

二重巻線モータの効率駆動技術

二重巻線モータは2個の巻線間の磁気的結合に起因して、電流制御が不安定となりやすい課題がありました。提案技術ではこの電流制御不安定化を抑制し、安定した電流制御を実現できます。また、提案の効率駆動アルゴリズムにより広い駆動領域でモータを効率的に運転でき、自動車が必要とする広範囲の効率駆動を実現します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

二重巻線モータの効率駆動技術

TECHNOLOGY 01

電流制御法

本研究で扱う二重巻線モータは2個の三相巻線を2個のインバータで駆動するものです。このとき2個の三相巻線間の磁気結合に起因して、2個の電力変換器には相互の干渉が発生し、電流制御を不安定にします。提案の制御法はこの磁気的干渉を完全に抑制可能です。具体的には右図に示したように、1.5kWの試作モータにおいて電流振動を抑制し、制御系帯域幅2000rad/s(時定数0.5ms)の制御性能を実現しました。これは従前のPMSMと同程度の制御が二重巻線モータでも可能であることを意味しており、この技術を車載モータに適用すれば、従前モータと同様のトルク性能を発揮することが期待できます。

TECHNOLOGY 02

効率駆動法

一般にモータの効率駆動には、巻線に生じる銅損のみならず、コアに生じる鉄損をも考慮する必要があります。二重巻線モータは2系統通電であり従来モータと比較して自由度が高い分、電流と損失の関係は複雑になります。この解析解を導出し、さらにその最適電流を簡単に実装できる提案のアルゴリズムは、電気自動車の効率駆動に好適です。

PRESENTATION

共同研究仮説

二重巻線モータの実装を目指して

共同研究仮説01

二重巻線モータ駆動基板の開発と実証

車載モータでの実証試験

二重巻線モータの自動車への実装には、電流制御技術、効率駆動アルゴリズムに加えて、パワエレ基盤の開発が必要です。電気自動車用二重巻線モータ開発のため、駆動中の系統遮断が可能な基板の開発と、車載モータによる実機試験を共同で実施できる企業を募集しています。

RESEARCHER

研究者

中村直人 津山工業高等専門学校 講師
経歴

主に永久磁石同期モータ、誘導モータ、二重巻線モータのベクトル制御技術開発に従事
■経歴
2020年3月 神奈川大学工学部
電気電子工学専攻 博士後期課程卒業
2020年4月 津山高専 電気電子システム系 助教
2024年4月 津山高専 電気電子システム系 講師

研究者からのメッセージ

大幅な効率向上を可能とする二重巻線モータの実用化に向けて

二重巻線モータは従来モータの利点を保有しつつ、大幅な効率向上が期待できる新たなモータであり、この実用化は将来の電動化社会に大いに貢献できると考えています。社会実装に向けた研究開発を加速するため、ぜひ協業しましょう!