2024年度公募 seeds-5263 - 【中国】 高効率な電気自動車を実現するモータとその駆動技術の開発
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

電気自動車100%の未来に向けて

高効率な電気自動車の実現

日本では2035年までに新車販売における電動車(HEVを含む)の販売を100%にするとの方針を打ち出している。このため、電気自動車の航続距離の向上、モータの効率化が求められている。二重巻線モータは従来モータの駆動範囲拡大と効率向上が期待されており、特に高速回転時の効率に優れる。本事業では二重巻線モータ実用化のための駆動制御技術を開発する。

USE CASE

最終用途例

二重巻線モータの適用例

USE CASE 01二重巻線モータによるEV・HEVの高効率化

APPLICATION

APPLICATION

電気自動車の効率改善

電気自動車の主要原動機である永久磁石同期モータには、高速回転時に効率が低下する課題がある。永久磁石同期モータを二重巻線とすることでこの課題を解決し、従来以上の広い範囲で高効率な駆動が可能となる。

USE CASE 02二つの動作モードを必要とする産業用機械への適用

APPLICATION

APPLICATION

高トルク低回転と低トルク高回転

二つの動作モードを有する二重巻線モータは、従来モータ以上の駆動範囲を実現でき、高トルクと高速回転が必要とされる用途に好適である。

STRENGTHS

強み

安定した電流制御、効率駆動を実現

STRENGTHS 01

二重巻線モータの効率駆動技術

本事業の強みは、二重巻線モータ駆動に必要な独自の総合技術を提供することにある。二重巻線モータには電流制御が不安定となりやすい問題があり、実用化を阻んできたが、本事業では新規制御技術を開発し、これを解決した。また、提案アルゴリズムにより二重巻線モータの広範囲効率駆動を実現できる。

TECHNOLOGY

テクノロジー

二重巻線モータの効率駆動技術

TECHNOLOGY 01

高安定、高応答の電流制御技術

二重巻線モータは2個の三相巻線を有しており、巻線間の磁気結合によって電流の不安定化(オーバーシュート、持続的振動など)が発生しうる。提案の制御法はこの磁気的干渉を完全に抑制可能であることを実験により確認した。右図のように1.5kWの試作モータにおいて激しい電流振動が確認されるが、提案法の適用によりこれを完全に抑制し、制御系帯域幅2000rad/s(時定数0.5ms)の制御性能を実現した。本技術により従来のモータと同様に、高いトルク制御性能を発揮することができる。

TECHNOLOGY 02

効率駆動法

一般に、モータの効率駆動アルゴリズムは銅損および鉄損を考慮するため複雑である。二重巻線モータは2系統通電であり、従来モータと比較して自由度が高い反面、より一層複雑な特性を有しており、効率アルゴリズムの構築は困難であった。本事業では二重巻線モータの効率電流の解析解を導出し、これに基づき実装が簡単なアルゴリズムを開発した。

PRESENTATION

共同研究仮説

二重巻線モータの実装を目指して

共同研究仮説01

二重巻線モータ駆動基板の開発と実証

車載モータでの実証試験

二重巻線モータはモータを利用する各種産業に適用でき、モータの駆動範囲拡大や高効率化が可能である。実装に必要な諸技術について、基礎研究は完了している。本研究成果を活用し、従前製品の改良や新規事業化を目指す企業を募集している。

RESEARCHER

研究者

中村直人 津山工業高等専門学校 講師
経歴

経歴
2020年4月 津山工業高等専門学校 助教
2024年4月 津山工業高等専門学校 講師
受賞歴
2018年 電気学会優秀論文発表賞

研究者からのメッセージ

大幅な効率向上を可能とする二重巻線モータの実用化に向けて

二重巻線モータの適用範囲は、モータを利用した産業全般である。例えば電気自動車は広い駆動領域を必要としており、提案技術による駆動範囲拡大、効率向上の恩恵を十分に受けることができる。また、工作機械の中には高回転での動作と大トルクの発生の双方を必要とするものがあり、この性能改善にも提案技術は有用である。提案技術の供与により産業界の技術発展の一助となることができれば、研究者としてこの上ない喜びである。また上記以外にも、二重巻線モータの適用により思わぬ効果を挙げる用途があるであろう。そういった新たな提案や可能性があれば、ぜひお話を聞かせていただければ幸いである。