10l/s以下の小流量で高出力を実現するインライン式小型ハイドロタービン
小水力発電において、ナノ水力(10kW以下)、ピコ水力(1kW以下)の低コスト化は必要不可欠ですが、現状では、土木工事などが必要となり、400万円/kW以上のコストがかかります。そのため、売電などにより、初期投資を10年程度で回収することは非常に困難です。一方、農業用パイプラインや簡易水道などの流量は10l/s以下ですが、この流量域に活用できる小型なインライン式ハイドロタービンは存在しません。そこで、水車のコンパクト化、高出力化に有効な二重反転形羽根車を活用し、10l/s以下の流量において、300W以上の出力を実現するインライン式小型ハイドロタービンを開発します。また、コンパクトなサイズを活かし、土木工事費用を最大限に低減させ、水車の低コスト化を実現します。本研究開発では、2種類の水車の開発を予定しており、軸流式の水車については、最高出力500W、遠心力を活用する水車については、最高出力300Wを目標に設定しています。それぞれの水車の目標性能が達成できれば、高性能かつ低コストなナノ水力、ピコ水力発電が実現し、再生可能エネルギーの分野におけるイノベーションが期待できます。