2025年度公募 seeds-008-0023 - 【東海】 幅広いガス温度計測に適用可能な温度センシング技術および高温ガス物性データベース
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

高温ガスを用いたプロセスの制御や設計コスト削減には
高温度域の温度計測技術や高温ガス物性データが不足

常温から数千度の広い温度計測に役立つセンシング技術と
計測結果を活かす高温ガス物性データベースを構築

高温ガスは、材料生成、有害廃棄物処理、電力保護など様々な産業プロセスに使われます。
これらを効率的に制御するためには、プロセス中の温度センシングや、センシング結果を制御に活かすガス物性データベースが必要です。ガス物性データは、機器設計時にも必要不可欠です。一方で、プロセスで用いる常温~数千度に至る幅広い温度を測定可能な非接触温度センシング装置は無く、高温ガス物性データも不十分です。
この問題を解決するために、本研究では、高温ガスにおける光の発光と吸収の両方を複合的に用いた温度センシング理論を構築し、センシング装置に役立てます。また、任意の高温ガスに対する様々な物性を解析可能なソルバーを実現します。

USE CASE

最終用途例

温度センシング技術×高温ガス物性DBを組み合わせて様々な場面で活用

USE CASE 01温度センシングと高温ガス物性DBを併用することでプロセスを省エネ・高効率化

APPLICATION

APPLICATION

材料生成プラントや廃棄物分解施設などの制御を必要とする施設

高精度な温度センシング技術と、センシング結果と連動したガス物性DBを活用することで、
プロセスの効率を最大化させつつ、環境負荷が高い二次生成物を排出されない
的確な制御に資することができます。

USE CASE 02機器設計時にガス物性データを有効活用して開発を効率化

APPLICATION

APPLICATION

新しい材料・製品開発におけるや流体シミュレーション

本研究で開発するガス物性ソルバーを用いることで、
文献値が無い高温ガスに対してもその場で物性計算が可能であり、
機器設計時における流体シミュレーションに活用することができます。

STRENGTHS

強み

幅広い温度範囲を非接触で高精度センシング&必要な物性データを自由に計算

STRENGTHS 01

数千K以上の高温域を一つのセンサで非接触&高精度センシング

これまでの温度センサでは、接触式では常温~1800K程度、非接触式では3000K程度が精度を保てる限界でした。
一方で、プラズマを使った有害廃棄物処理や電炉などのアプリケーションではこれよりも高い温度の計測が必要です。
本技術では、常温~5000K程度の幅広い温度に対する高精度な温度計測を目指します。

STRENGTHS 02

必要なデータを即座に自由に計算可能なソルバー

プロセスの制御には圧力や温度に依存するガスの物性が必要ですが、使いたいガスに対して、
論文などでこれらのガスの物性値が報告されるのを待っていたら製品の開発が大きく遅れます。
これに対して、本研究では、任意のガスの任意の圧力・温度における様々な物性を自由に計算可能なソルバーの開発を目指します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

ガス物性を自由に入手可能な物性ソルバーと、
汎用的に適用可能な温度センシング技術を開発中

TECHNOLOGY 01

気体の様々な性質を利用した温度センシング技術

一般的に、「光の吸収による温度計測」は常温近傍の低温度ガスの計測に用いられ、
「光の発光による温度計測」は3000Kを超えるような高温ガスの温度計測に用いられてきました。
しかし、中間体である常温以上~3000K程度の気体の温度を精度よく測定可能な方法はありません。
また、発光のみで3000Kを超える温度の計測では誤差が非常に大きな問題があります。
そこで本研究では、気体に対する全ての温度域の計測に対して「光の吸収と発光」の両方の性質を用い、
お互いの欠点を埋めあいながら利用することで、幅広い温度範囲における高精度温度センシングを目指します。

TECHNOLOGY 02

分子モデルと汎用的ソルバを用いた高温ガスの物性解析技術

計測された温度を実際のプロセス制御に用いるためには、温度に依存する様々なガス物性値を事前に得る必要があります。
しかし、これらの物性値が論文などで世に出るまで待っていては、製品開発がどんどん遅れてしまいます。
そこで本研究では、ガスを構成する分子の構造に対するモデリングからモデリング結果を用いて
ガス物性を計算するソルバーの開発までを一貫して行うことで、
外部リソース不要で任意の温度・圧力・組成の気体の任意の物性を自由に計算可能なソルバーの開発を目指します。

PRESENTATION

共同研究仮説

温度センサー技術開発および高温ガスを用いた機器開発に資する
共同研究を想定しています

共同研究仮説01

幅広い温度範囲を計測する非接触温度センサーの開発

高温ガス用非接触温度センサーの製品化のための技術開発

高温度ガスを用いたプロセス(製品製造、廃棄物処理、火力発電設備、電炉、電力保護設備)の
モニタリングで必要となる温度センサーを開発しませんか。
非接触温度センシングで必要となる各種スペクトルの解析技術などを提供可能です。

共同研究仮説02

新しいプロセスガスに対するガス物性解析

高精度ガス物性データによる機器開発の効率化

新しいプロセスを検討する上で、数値シミュレーションなどの基礎検討に用いるガス物性データが不足する場合があると思います。
設計時のシミュレーションで足りない物性データ、特に新しいガス(例:絶縁ガス)の物性解析が可能です。
ガス特性解析では、特に、電子衝突や電界印加が関わる特性の解析を得意としています。

RESEARCHER

研究者

兒玉直人 東海国立大学機構名古屋大学大学院
工学研究科電気工学専攻 助教
経歴

【経歴】

2018.3 金沢大学 大学院 修了 博士(工学)

2018.4 名古屋大学大学院工学研究科 電気工学専攻 助教

【受賞】

2017.3 応用物理学会 プラズマエレクトロニクス分科会 第15回プラズマエレクトロニクス賞

2017.9 応用物理学会 講演奨励賞

2022.3 パワーアカデミー萌芽研究奨励賞

2022.3 電気学会開閉保護研究発表賞

2025.2 電気学会 高電圧技術委員会 優秀奨励賞

  • リサーチマップ

    https://researchmap.jp/7000028526

     

  • 専門領域

    ・プラズマ応用
    ・大電流
    ・高電圧
    ・プラズマ計測
    ・遮断器

  • 共同研究の経験がある企業/業界

    電力機器

研究者からのメッセージ

自身が持つ技術を様々な分野に活かす研究を進めることで分野横断による技術革新を図りたいと考えています

これまでの研究の中では、高温プラズマのナノ材料生成へ応用する技術開発や、高温プラズマ・高温ガスを素早く消滅させる電力遮断技術開発を進めてきました。
また、その中で、高温プラズマ・ガスに対する計測・物性解析の技術開発を進めてきました。
これらの研究の中で、プロセスの基礎となる温度などの診断技術や物性解析技術をさらに発展させていくことが、高温プラズマ・ガスを用いたプロセス・製品開発に対して日本が技術的アドバンテージを持ち続けるための鍵になると考え、本研究を立ち上げました。
高温プラズマのような高温の気体を用いたプロセス技術は、今後の低環境負荷な有害廃棄物処理、製鉄技術、電力保護技術などを支えるキーテクノロジーだと考え、それらの開発を支える技術は本研究の温度計測技術やガス物性解析技術です。
製品開発などでこれらについてお困りの企業様、ぜひ、一緒に開発を進めましょう。