2024年度公募 seeds-5269 - 【九州】 フィラーが整列した放熱複合材料のための回転電極電界整列技術
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VISION

ビジョン

放熱にかかるエネルギー消費を抑制

放熱のボトルネックである放熱シートの熱伝導性と柔軟性・密着性を両立

電子デバイスなどの小型化・高集積化に伴い、サーマルマネジメントの重要性が増してきています。放熱部材のうち、熱抵抗の半分に相当する放熱シートは、熱伝導性フィラーと樹脂の複合材料ですが、現状では、必要性能である柔軟性・密着性と熱伝導率の両立が困難でした。本技術により、この両立を実現することを目標とします。

USE CASE

最終用途例

放熱シートの高付加価値化を実現します

USE CASE 01放熱シートの熱伝導率と柔軟性・密着性を両立

APPLICATION

APPLICATION

放熱シートの既存のノウハウに付加的に用いることで性能を向上

放熱シートの製造工程に本技術を付加的に使用します。既存の製造ノウハウと融合させ、製造ラインに付加することで、放熱シートの熱伝導率と柔軟性・密着性を両立が可能です。

MARKET

MARKET

化学分野の放熱部材市場において、高性能放熱シートの開発の需要

放熱部材の市場規模が2023年時点で1000億円程度です。データセンターや電気自動車の普及により、今後も拡大が予想されます。

IMPLEMENTATION

IMPLEMENTATION

全ての電子機器の省エネルギー化

AI技術に不可欠なデータセンターの消費電力のうち、放熱シートの性能が2倍になればデータセンターの消費電力の7.5パーセントを削減できると試算されます。

STRENGTHS

強み

理想的な面直方向のフィラー整列を実現

STRENGTHS 01

同充填率で高熱伝導率化と柔軟化

フィラーを面直方向に整列させることで、同充填率であれば熱伝導率を向上させる効果があります。また、同熱伝導率であればフィラー充填率を低減することができ、柔軟性・密着性の向上や低比重化・低コスト化につながります。

STRENGTHS 02

材料を選ばない整列

誘電分極を用いた整列ですので、広範な材料に適用可能です。フィラー形状は、顆粒形状、2次元のフレーク形状、1次元のナノワイヤ構造、サイズは1~100 μmで実績があります。

TECHNOLOGY

テクノロジー

回転電極電界整列技術

TECHNOLOGY 01

電界整列技術

粒子が絶縁性の溶液中に孤立して存在するとき、外部から平行電界を印加すると、粒子は誘電分極し、電気力線に沿うように回転トルクをうけ、電界に沿って配向します。これが電場配向です。複数の粒子が溶液中に存在するとき、これに加えて粒子同士の分極電荷により鎖状構造を形成します。これを電界整列と呼びます。電界整列は、フィラー粒子に電界がかかる系(溶液が絶縁的)であれば、フィラー粒子や樹脂溶液の種類を選ばず広い範囲の材料に適用可能であるというメリットがあります。

TECHNOLOGY 02

重力の影響を排除して理想的な整列を実現

粒子の誘電分極を利用した電界整列技術は、多数の報告があるものの、比重の大きなフィラーを面直方向に整列する際に、粒子が沈降し、理想的なフィラー鎖が形成できず、熱伝導パスの形成が不十分である問題がありました。そこで私たちは、電界整列の際に、系全体を回転させることで、フィラーを元の位置にとどまらせる「回転電極電界整列技術」を考案しました。これにより理想的な電界整列が実現され、放熱シートの熱伝導率を向上させることができました。

PRESENTATION

共同研究仮説

社会実装を目指すパートナーを探しています

共同研究仮説01

放熱材料の高性能化に電界整列技術を導入

既存の高性能化技術に回転電極電界整列技術を融合

適切な材料選定、樹脂とフィラーの界面制御の部分に強みをもつ企業様との共同研究を実施し、ともに高付加価値な放熱シートを共に開発し、放熱によるエネルギー損失問題を解決しましょう!

共同研究仮説02

回転電極電界整列技術の量産技術の確立

製造プロセスに導入可能な技術に落とし込む

現状の回転電界整列技術の試験機はバッチ処理の装置ですが、これを量産のためのRoll to Roll装置に拡張し、実際の放熱シートの製造プロセスに導入できるレベルに落ち挙げる開発を共同研究で実施したいと考えております。

LABORATORY

研究設備

スモールスケールの回転電極電界整列技術

LABORATORY 01

回転電極電界整列のオリジナル装置

本技術の根幹を実証するのに使用した装置で、高電圧平行平板電極、樹脂効果のための加熱機構、重力の影響を抑止するための回転機構を備えています。4 cm角までの試料作製が可能で、厚さは実績ベースで100 μm~1 cmです。

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RESEARCHER

研究者

稲葉 優文 九州大学・大学院システム情報科学研究院・助教
経歴

経歴
2019/2 – 現在:九州大学大学院システム情報科学研究院 助教
2017/4 – 2019/1 : 名古屋大学 未来材料・システム研究所 学振-PD
2014/4 – 2017/3: 早稲田大学理工学術院 助手
学位 2017年3月: 博士(工学), 早稲田大学

主要研究テーマ (分野:半導体デバイス工学、電気工学)
ダイヤモンド半導体デバイス開発
カーボンナノチューブのセンサ応用
粒子操作技術の放熱シート応用(2019~)
多数の共同研究実績

URL
reserchmap https://researchmap.jp/masafumi_inaba/
HP https://masafumi-inaba.jimdofree.com/

研究者からのメッセージ

並べる を活かしてみませんか?

私どもの技術は、多数の粒子を1度に動かすマニピュレーション技術の一端であると捉えることができます。幸い、材料を選ばず整列することが可能ですので、お持ちの材料で、こんなのがあるんだけど、1度並べてみたい、というご要望があれば、お試しの実験などが適宜実施可能です。放熱応用に限らず、多方面への展開も考えておりますので、お気軽に技術シーズの調査、フィージビリティスタディとしてコンタクトいただければと思います。