2024年度公募 seeds-5246 - 【関東】 明所・暗所の両方で視認性の高い情報掲示を可能とする電気化学表示デバイスとその発光材料の簡便な製造法
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VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

明所や暗所、屋内外など様々な環境で視認性が高く、省エネルギーな情報表示によって安心・安全な社会に貢献

反射と発光表示を選択できるデュアルモード表示デバイスによる高視認性表示の実現

近年、公共情報や緊急時の情報表示など、昼夜問わない情報掲示板が求められており、その視認性の向上と省エネルギー化が課題となっている。本研究のVisionとして、これらを解決しうる、反射と発光表示を選択できるデュアルモード表示デバイスの実現によって、安心・安全な社会や低消費エネルギー化に貢献したい。
本研究では「単一デバイスで反射・発光の両方を選択して利用可能な電気化学デュアルモード表示デバイスの作製」と、「革新的表示デバイスを実現させるための電気化学光機能性材料の開発」によってVisionの実現を目指す。

USE CASE

最終用途例

明所・暗所の両方で視認性の高い情報掲示を可能とする電気化学表示デバイスとその発光材料の簡便な製造法

USE CASE 01反射と発光表示を選択できる省エネ型電気化学デュアルモード表示デバイス

APPLICATION

APPLICATION

明所暗所での視認性の高い省エネルギー情報表示

昼間(明所)では省電力な反射型、夜間(暗所)では発光型で視認性の高い情報掲示を単一のデバイスにて実現。公共施設や住居用マンションなどにおける公共・重要情報が昼夜問わず高い視認性で表示される。

MARKET

MARKET

公共施設での電子掲示板、住居用マンションの掲示板、電子書籍

USE CASE 02デュアルモード表示デバイス実現のための機能性強発光材料の製造方法

APPLICATION

APPLICATION

簡易な手法で強発光を示す希土類錯体の製造法とその機能材料化

デュアルモード電気化学デバイスを実現するための、電解質中で強発光を示す希土類錯体の製造。市販材料混合という簡易手法による強発光希土類化合物合成。インク化やフィルム化によって、機能発光材料としての活用。

STRENGTHS

強み

電圧印加方法で反射と発光の表示モードを単一デバイスで選択可能

STRENGTHS 01

数ボルトの電圧で反射と発光の表示モードを選択可能

数ボルトの電圧印加で反射型と発光型表示の切替が可能なデバイス構成。
直流電圧印加:反射型表示
交流電圧印加:発光型表示
また、反射型表示はメモリ性を有する情報表示が可能であり、省エネルギー化が見込める。また、電気化学デバイスは、フレキシブル、液体、ゲル、塊など様々な形状のデバイスを作成可能である。

STRENGTHS 02

簡便手法による希土類錯体の強発光化・円偏光発光化

これまで、電気化学デバイスで用いる電解質中では希土類錯体の強発光化は困難。本技術では、市販のキラル希土類錯体と電解質を液体や粉体同士混合するだけの非常に簡易な手法で発光強度が数10~100倍に増強。3D表示などにも利用される高強度円偏光発光を示し、3D表示、セキュリティー発光体、などの用途も期待。

TECHNOLOGY

テクノロジー

光機能物質を用いた電気化学反応に基づく物質の光学特性の高度制御

TECHNOLOGY 01

電気化学反応による発光と反射特性の協奏的制御

反射・発光の両方を電気化学反応に基づいた現象で発現
反射型表示:エレクトロクロミック現象、発光型表示:エレクトロケミルミネッセンス現象
電圧の印加方法によって、反射と発光のどちらかのみを選択的に発現
直流電圧の印加では、色変化のみが起きる電気化学反応が引き起こされて反射型の表示モードになる。交流電圧の印加では、正負の極性が繰り返し変化することで、発光物質の酸化種と還元種が同一電極上で生成し、それらが効率よく再結合することで電気化学発光を生じる。

TECHNOLOGY 02

簡便手法による希土類錯体の強発光化・円偏光発光化

市販のキラル希土類錯体(赤色発光を示すユーロピウム錯体)とテトラメチルアンモニウムを含む電解質を混合するだけ(液体、粉体)の極めて簡易な手法で発光強度が数10~100倍に増強。混合したキラルユーロピウム錯体とテトラメチルアンモニウム塩の作用により、ユーロピウム錯体配位子のエネルギーが発光中心イオンへ高効率で移動することで強発光が実現。この現象を利用することで、これまで強発光化が困難であった電解質溶液中での強発光希土類錯体が実現。また、同時に高強度円偏光発光特性も付与可能。

PRESENTATION

共同研究仮説

明所でも暗所でも利用できる省エネルギーサイネージや電子書籍を実現して社会に貢献したい

共同研究仮説01

デュアルモード表示デバイスの電気化学発光材料の開発

デュアルモード表示高機能化、表示安定性、消費エネルギー検討

我々が見出したデュアルモード表示デバイスの表示の多色化や輝度の向上などの高機能化に関する共同研究を希望します。主にデバイスとしての輝度や長期安定性、省エネルギー性などの検証を希望します。
想定企業:デバイスメーカー、表示機器メーカー様

共同研究仮説02

デュアルモードデバイスのための電気化学発光材料の開発

強発光キラル希土類発光体の簡便合成、機能材料化

我々が見出した希土類発光体の強発光化手法を発展させ、電気化学発光材料として優れた機能材料の創成とその活用法の確立に関して共同研究を希望します。
想定企業:材料・素材メーカー様(機能インク、機能フィルム製造など)
共同研究内容:発光材料のをインク化、フィルム化、電極固定方法などの検討

RESEARCHER

研究者

中村 一希 千葉大学大学院工学研究院 教授
経歴

【経歴】
2007年3月博士(工学)
発光性希土類錯体に関する研究
2007~2009 三菱電機株式会社
液晶性エポキシ樹脂開発
2009~千葉大学 助教
2015~同 准教授
2023~同 教授
電気化学イメージングデバイスに関する研究
【研究内容】
「新規イメージング媒体」「電気化学発光」「希土類錯体の強発光化」「希土類錯体電気化学デバイス」

研究者からのメッセージ

より自由な発光・吸収制御による新たな表示機能を目指しています

電気化学や物質の光機能性を活かして、世の中の表示デバイス・材料の表現の幅を広げられればと思っています。例えば反射型のタブレットを暗所でも利用できたり、一つの画面に発光する場所と色変化をする場所が同居したり、より自由な表示手法で利用者の利便性や視認性、省エネルギー性などにも貢献できればと考えています。