2022年度公募 seeds-2515 - 【中部】 樹脂や生体の高スループットな切断・溶着を低コストで実現するレーザー加工技術
  • エレクトロニクス
  • 自動車・機械
  • 素材
  • 生産・加工
  • #小型
  • #レーザー加工
  • #樹脂フィルム
  • #生体材料
  • #切断加工
  • #中赤外レーザー
  • #低コスト
  • #高スループット
VISIONビジョン

このシーズに
問い合わせる

VISION

ビジョン

新たなレーザー加工装置の実現によって、次世代電子デバイス開発の加速を促します

ディスプレイパネルの微細加工やレーザーメスなどの応用が期待

近年、モバイルフォンや車載ディスプレイなどの電子製品において、軽量化や自由形状といった付加価値を有する次世代型ディスプレイパネルの開発が進んでいます。従来のガラスベースのものと異なり、次世代型パネルは、複数の異なる材料から成る樹脂フィルムを積層した構造を基本としており、新たな切断手法が必要となっています。
そこで、本研究では、樹脂材料の吸収特性に優れた波長でのレーザー加工法を安価で小型な構成にて提案します。新たなレーザー加工装置の実現によって、次世代電子デバイス開発の加速を促します。また、本提案技術は生体材料との相性にも優れるため、レーザーメスなどの医療応用も期待されます。

USE CASE

最終用途例

樹脂の切断・溶着加工、生体材料の加工、新しいタイプのレーザー加工装置の製造に貢献

USE CASE 01樹脂材料の加工

APPLICATION

APPLICATION

切断・溶着・穴開け・マイクロ流路形成など

樹脂フィルムが積層したディスプレイパネルの切断、異なる樹脂材料同士の溶着、穴開け加工や溝形成などの加工が容易になります。

USE CASE 02生体加工

APPLICATION

APPLICATION

生体研究・歯科治療・皮膚治療・レーザーメスなど

イメージングなどのための生体組織の切断加工、炭酸ガスレーザーやEr:YAGレーザーレーザーに代わる治療用レーザーとしての利用が期待されます。

USE CASE 03新しいタイプのレーザー加工機の製造

APPLICATION

APPLICATION

小型で安価、汎用性の高いレーザー加工装置が実現

本研究で提案する小型中赤外レーザーを採用することで、あらゆる透明材料に適用可能なレーザー加工装置が実現します。

STRENGTHS

強み

材料吸収の大きい中赤外固体レーザーを光源に採用

STRENGTHS 01

従来のレーザー光源よりも高スループットな透明材料加工が可能に

中赤外レーザーは吸収特性に優れますが、高出力化がこれまで困難でした。提案者は、Er:YAPレーザーという固体レーザーを新たに開発し、中赤外波長うでの高効率・高出力なレーザー発振を実現しました。また、ビーム品質にも優れるため、従来のレーザーよりもスループットや微細化で優位性の高い加工が可能です。

TECHNOLOGY

テクノロジー

独自開発した波長2.92 μmのEr:YAPレーザーを活用

TECHNOLOGY 01

直接発振の3 μm帯固体レーザーでは最も優れた特性

提案者らは、エルビウム添加イットリウム・アルミニウム・ペロブスカイト(Er:YAP)レーザーを開発しました。Er:YAP結晶は、Er:YAGなどと比較してフォノンエネルギーが低く、3 μm波長帯での発振に有利です。また、レーザー上準位寿命が短いEr:YAGレーザーでは困難であった連続発振を得意としており、高速でのスキャン加工が可能です。Er:YAPレーザーはレーザービーム品質に優れるため、炭酸ガスレーザーよりも微細化に有利です。
また、近赤外波長のファイバーレーザーやNd:YAGレーザーと比較して、材料吸収が圧倒的に大きいため、低コストで効率的な加工を実現します。

PRESENTATION

共同研究仮説

レーザー加工装置メーカー、電子機器メーカー、医療機器メーカーなどとの協同を想定

共同研究仮説01

レーザー加工装置メーカーとの共同研究の場合

小型・安価で汎用性の高いレーザー加工装置の製造

樹脂やガラスなどの切断・溶着において優位性の高いレーザー加工機の共同開発を希望します。レーザー発振器の高出力化、短パルス化、小型化などの要素光源技術開発で貢献可能です。加工検証、条件最適化、パッケージ化などの共同開発をおこない、製品化を期待します。

共同研究仮説02

電子機器メーカーとの共同研究の場合

樹脂フィルム切断などの加工需要に応じた技術開発

ディスプレイパネルの微細加工、樹脂フィルムの切断加工、マイクロ流路形成など、製造ラインに必要な加工需要に応じた、加工用レーザー光源の開発、加工システムの構築などを共同で行い、加工検証の後、実装を期待します。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

上原日和 自然科学研究機構 
核融合科学研究所(助教)
経歴

■リサーチマップのリンク
https://researchmap.jp/hiyori

研究者からのメッセージ

開発したレーザー光源や光技術の社会実装を期待

幅広い分野からのお声がけをお待ちしております。