2020年度公募 seeds-0257 - 【関東】 AIによるレーザー加熱の最適制御技術を活用した、セラミックス複合材料(CMC)の超高温高速熱疲労試験法の確立
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VISIONビジョン

VISION

ビジョン

超高温高速熱疲労試験法を確立し、次世代材料として期待されるセラミックス複合材料(CMC)の開発に貢献

レーザーのAI制御による高度な温度分布再現により、超高温環境における加速熱疲労試験法を実現

本研究は、水蒸気雰囲気下におけるレーザー照射のAI制御により、セラミックス複合材料(CMC)の耐熱温度として期待される1400℃以上の超高温で、かつその温度分布を高度に制御することができる、加熱試験方法・システムの確立を目指します。
本研究を担当する研究者は、既にSiCのセラミックスを1500℃まで30秒程度で加熱する「選択的レーザー温度制御法」を確立しています。今後は、この技術を活用して、任意の温度分布を形成するレーザー照射条件を提案するAIの開発を進めます。

レーザーの最適制御および超高温超高速の熱疲労試験法の確立により、次世代材料の開発やレーザー加工の高度化に貢献

CMCは、従来のセラミックス材料の課題だった耐熱性、傷許容性、耐衝撃性等を解決することができる新材料で、高強度かつ軽量の航空機エンジン等の部品として期待されています。しかし、実用化に向けて、1400℃以上の超高温環境での加速試験とそのための動的な温度分布の制御が必要であり、これが実用化のハードルになっています。この手法は、世界のどこでも確立されていません。
本手法による熱疲労試験方法・システムが確立されることで、CMCの信頼性確保の課題を一挙に解決することができます。また、本手法により、AIによるレーザーの最適制御や高度な温度分布の制御が可能になるため、レーザー加工の高度化にも貢献します。

USE CASE

最終用途例

超高温環境の実現、AI×レーザー制御による高度な温度分布制御により、加速試験やレーザー加工を高度化

USE CASE 01次世代材料であるCMCの開発に必要な、超高温での加速熱疲労試験法を確立

APPLICATION

APPLICATION

AIを活用したレーザー制御により、1400℃以上の超高温での加速熱疲労試験を実現

航空機エンジンの材料としてCMCを実用化するためには、エンジン内部の超高温下を模擬した試験が必要です。本手法は、CMCの耐熱温度として期待される1400℃以上の超高温環境を実現し、かつ高度に温度分布を制御するため、CMCの加速試験に利用することができます。

USE CASE 02レーザー加工の学習にかかる労力・時間を軽減し、自由度の高いレーザー加工を容易に実現

APPLICATION

APPLICATION

複雑なパスを組み合わせたレーザー加工を、少ない労力・時間で実施

本手法を確立することで、AIを活用してレーザーの照射条件を自由度高く決定することが可能になります。これにより、複雑なパスを組み合わせたレーザー加工も少ない労力・時間で行うことができるようになります。

STRENGTHS

強み

従来技術で実現できなかった超高温加熱、加速試験への活用、高度な温度分布制御を実現し、新材料開発に貢献

STRENGTHS 01

超高温加熱の実施、加速試験への活用、高度な温度分布制御を実現

従来の電気炉による加熱試験や類似のレーザー加熱による試験法と異なり、本手法は、CMCの耐熱温度である1400℃以上の超高温加熱が可能、レーザーを用いて急速な加熱・冷却による加速試験への活用が可能、レーザー照射のAI制御による高度な温度分布の制御が可能、といった強みがあります。

TECHNOLOGY

テクノロジー

レーザー照射による急速加熱の実現

TECHNOLOGY 01

選択的レーザー温度制御法

本研究では、選択的レーザー温度制御法の開発のため数値計算コードと、実際の設備とを開発しており、ほぼ設計通りの加熱に成功しています。例えば、SiCセラミックスの約4×14㎜の領域にレーザーを照射することで、実際に30秒程度で1500℃まで急速加熱が可能であることを確認しています。
これに、AIによる機械学習を組み合わせることで、レーザー照射による高度な温度分布の制御が可能になり、超高温環境を実現しつつ、航空機エンジン等の利用環境を模擬した温度分布での熱疲労試験法が可能になります。

PRESENTATION

共同研究仮説

超高温高速熱疲労試験法、レーザー加工の高度化のシステムの確立、ならびに実用化に向けた検討

共同研究仮説01

CMC実用化に資する、レーザー加熱による熱疲労試験方法の確立

想定している共同研究

まずはレーザーとCMCの相互作用の把握、レーザー加熱に耐える試験装置・制御システムの開発、レーザー照射条件を提案するAIの開発に取り組みます。その上で、企業はCMCの開発・実用化、本研究者はCMC実用化に資する評価試験方法の確立を目指して、共同研究・開発を進めます。

LABORATORY

研究設備

選択的レーザー温度制御法システム

LABORATORY 01

1400℃以上の高温に局所加熱が可能な加熱試験装置

レーザー加工の技術を応用した、ファイバーレーザーとガルバノスキャナーを組み合わせた加熱試験装置です。ガルバノスキャナー(写真中央にある黒色の装置)によりレーザーを塗り絵のように走査することにより、ターゲットの温度分布を高度に制御します。レーザーが水蒸気雰囲気に吸収されないことも、特徴の一つです。

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EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

大久保 友雅 東京工科大学
経歴

2006年 4月 東京工業大学 統合研究院 特任助手
2007年 10月 同上 大学院機械物理工学専攻 助教
2014年 4月 東京工科大学 メディア学部メディア学科 専任講師
2015年 4月 同上 工学部機械工学科 専任講師
2018年 4月 同上 准教授(現職)
実績(受賞歴等)
日本機械学会 動力エネルギーシステム部門 優秀講演表彰受賞 (2005/10)
レーザ加工学会 優秀ポスター賞 (2014/5)
ISCIIA & ITCA 2018 Best Presentation (2018/11)
学会発表歴(招待講演)
SCML 2020 (2020/10)
HPLSE 2018 (2018/4)
ITCA 2016 (2016/8)
CLEO-PR (2013/6)
最近の代表論文
Selective Laser Thermoregulation System for Accelerated Degradation Test of SiC / SiC CMCs (2021/1)
Recurrent neural network for predicting dielectric mirror reflectivity (2019/12)

研究者からのメッセージ

「レーザー×AI」でレーザーを様々な場面で簡単に応用出来るようにしたい

レーザーによる加熱は、本研究のような加熱試験は勿論のこと、ものづくりにも広く応用されており、「光の時代」と言われて来た21世紀を代表する技術の一つとなりつつあります。非接触で局所的な加熱が可能で、制御性も高いということで優れた技術であることに間違いはありませんが、一方で何に使うにしても制御すべきパラメーターが多く、応用の最適化が進んでいるとは必ずしも言えません。すなわち、便利なツールはあるが、便利に使いこなせてはいない、という現状があります。しかし、幸運にも我々は今まさに「AIの時代」に突入しつつあります。この時代の寵児を掛け合わせ,「レーザー×AI」により、使うのが難しいレーザーを様々な場面で簡単に使えるような未来を創りたいと考えています。本研究の遂行により、日本が世界の先頭を走る材料の分野において、その信頼性確保に寄与します。そこから更に、レーザーでのものづくりや宇宙開発まで、広く大きく育てて行きたいと考えています。また、そういった夢や希望を学生に示したり、共有したり出来るのも大学の醍醐味だと思っています。是非そのような未来に夢を託せる研究を我々と一緒にしませんか?