特異な「イオンホッピング現象」に着目し、リチウム系電解質の設計思想を根本から変えるブレークスルーを。
カーボンニュートラルへの関心が高まる自動車業界では、今後、電気自動車のさらなる普及が見込まれます。本研究は、電気自動車の充放電性能を大幅に向上させる液体電解質の開発を目指すものです。リチウムイオン蓄電池の充放電性能は「イオン伝導率」と「Liイオン輸率」の2つの指標に影響されますが、これらは、どちらかを高めようとすると他方が低下する傾向にあることが知られています。
本研究では、高濃度にリチウム塩を溶解させたある種の濃厚電解液を用いると、特異な「Liイオンホッピング伝導」によりイオン伝導率とイオン輸率が両立できる可能性を見出しました。電解質構造とイオン輸送特性について系統的な検討を行い、この実証を目指します。