2025年度公募 seeds-008-0044 - 【東北】 革新的な環境調和型ワンポット希少糖合成法の開発
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

再生可能・天然豊富なバイオマス資源を原料に、持続可能かつ豊かな生活を

固体触媒の性質を使いこなした反応設計により、ありふれた糖から高価かつ高機能な糖を容易に獲得せしめる

希少糖は天然型単糖とは異なる生理活性・薬理活性を示す魅力的な化合物です。
ただし、従来の合成法では複数工程や複雑な反応試薬の組み合わせが必要不可欠で、変換コストや環境調和性が低いことが課題でした。
本研究では、水素原子の活性化を得意とする担持金属触媒の特徴を活かすことで、ワンポットかつ量論試薬不要な、全く新しい希少糖合成法を開発しました。
今後は、副反応抑制のための新たな触媒開発と固定床流通式反応での希少糖の連続合成を目指します。

USE CASE

最終用途例

再生可能・天然豊富なバイオマス資源を原料に、持続可能かつ豊かな生活を

USE CASE 01天然型単糖とは異なる生理活性・薬理活性を持つ希少糖

APPLICATION

APPLICATION

次世代の食品添加物や機能性食品としての活用

アロースは砂糖の約8割の甘味度を持ちながら、経口摂取後24時間以内に9割以上が排泄されるため、
低カロリー甘味料として利用できます。
がん細胞を栄養失調にすることによる「穏やかな」増殖抑制作用を示します。

MARKET

MARKET

機能性食品やサプリメントとして

低カロリー甘味料や穏やかながん細胞増殖抑制作用を活かした機能性食品やサプリメントの開発に繋げることができる技術です。

IMPLEMENTATION

IMPLEMENTATION

持続可能な原料から、持続可能な手段で高付加価値な化合物を

環境調和性に優れた触媒反応系の利用により、再生可能かつ天然豊富な糖から高付加価値な希少糖を得る、
未来指向の化学技術を提供します。

USE CASE 02バイオマスリファイナリーにおける新たな基幹化合物

APPLICATION

APPLICATION

異なる立体により、従来手の届かなかった化合物群の合成を実現

アロースはグルコースとは異なる立体化学を持つため、全く異なる変換反応を施すことが可能です。
従来の基幹化合物からは合成が難しかった化合物群を獲得でき、新たなバイオマスリファイナリーの創造へと繋がります。

MARKET

MARKET

バイオマスリファイナリーの出口化合物を高価格化

グルコースから、アロースをはじめとした高価格な出口化合物を獲得できます。
コストの問題で実用化が困難であったデンプンやセルロースの利用プロセスの活用の一助となる可能性を提供します。

STRENGTHS

強み

既存技術と比べて圧倒的に高い環境調和性を持つ希少糖合成技術

STRENGTHS 01

固体触媒の機能を十全に活用した希少糖合成反応

1工程かつ量論試薬不要で希少糖合成が完結する反応設計になっており、複雑な反応固定や化学試薬は一切不要です。
また、固体触媒であるため回収・再利用や流通装置への応用が容易です。

STRENGTHS 02

優れた反応手段・反応経路の設計

現代化学に求められるグリーンケミストリーの指標(原子効率、E-ファクター)が極めて良好な反応系です。
有機試薬が必要ないだけでなく、原料に含まれる原子一つをも無駄にしません。

TECHNOLOGY

テクノロジー

担持金属触媒の水素活性化能に着目した、全く新しい希少糖合成技術

TECHNOLOGY 01

逐次的な脱水素+水素化によるOH基の反転

グルコース分子中のCHOH部位に対する逐次的な脱水素+水素化反応により、ワンポット、量論試薬不要なエピ化(OH基の向きの反転)を実現します。
また、活性点として機能する第一金属の能力を、第二金属を添加・修飾することによってチューニングすることで、
触媒活性や生成物選択性といった性能の向上を実現できます。

PRESENTATION

共同研究仮説

希少糖を中心とした新たなバイオマスリファイナリーを一緒に開拓しましょう

共同研究仮説01

高機能化合物の持続可能な生産に向けて

希少糖「アロース」を活用してみませんか

アロースは低カロリー甘味料やがん細胞増殖抑制作用など、特徴的な生理活性・薬理活性を持つ化合物です。
これらの機能を活かした機能性食品やサプリメント等の可能性探索をしてみませんか。

共同研究仮説02

バイオマスリファイナリーをより魅力的な化学技術へ

高価格な出口化合物であるアロースを活用してみませんか

出口化合物を高価格化できるため、コストの問題で実用化が困難であったデンプンやセルロースの利用プロセスをお持ちであれば、
一緒に再検討してみませんか。
また、アロースを起点とした新たなバイオマスリファイナリーの可能性を一緒に探索してみませんか。

RESEARCHER

研究者

藪下瑞帆 東北大学大学院
工学研究科応用化学専攻
助教
経歴

■経歴
2015年3月 北海道大学大学院総合化学院総合化学専攻 博士後期課程 短縮修了
2015年4月 日本学術振興会 特別研究員PD
2015年5月 カリフォルニア大学バークレー校 客員研究員
2016年4月 北海道大学触媒科学研究所 博士研究員
2018年8月 東北大学多元物質科学研究所 助教
2020年8月 現職
■受賞(下記他18件)
2025年3月 第135回触媒討論会 優秀討論賞
2025年5月 2024年度石油学会奨励賞(学術部門)
■学会活動(下記他多数)
2024年7月 19th ICC組織委員会 若手委員代表
2025年5月 石油学会ジュニア・ソサイアティ 代表

  • リサーチマップ

    http://researchmap.jp/myabushita

     

  • 専門領域

    ・触媒化学
    ・バイオマス
    ・糖変換
    ・二酸化炭素
    ・ゼオライト

  • 共同研究の経験がある企業/業界

    国内化学メーカー

研究者からのメッセージ

「バイオマス資源×触媒的変換技術」でより良い未来へ

バイオマス資源を有効に活用するための固体触媒材料および反応の開発に日々取り組んでいます。
単に反応を高効率化するだけでなく、何故その反応が起こるのか、どのような機構で反応が進行しているのか、
その際の触媒の作用機序とは、といった基礎学問としての触媒科学も追究していきたいと考えています。