2025年度公募 seeds-008-0020 - 【関東】 表面処理が不要なスーパーエンプラ用接着剤
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

「親和しづらい材料同士を親和させる」材料を創製します

表面処理不要・省コストな異種材料接着剤

高い耐久・耐熱性を誇るスーパーエンジニアリングプラスチックは、電子・自動車産業をはじめ、
種々の先端技術に欠かせない材料となってきています。
しかし、他の材料と馴染まないため、異種材料と接着しづらいことが課題となっています。
私達は、スーパーエンプラと特異的に混合する高分子と、異種材料と親和する構造を接着剤の分子構造に同時に組み込むことで、この課題を解決しています。
(1) 従来は必要であった基板の表面処理工程が不要となり、(2) 塗布圧着のみで接着でき、
(3) 材料表面を破壊しない、省コストで革新的な接着剤の創製研究に取り組んでいます。

USE CASE

最終用途例

従来の不可能を可能にする、接着剤・添加剤・コーティング剤を開発します

USE CASE 01スーパーエンプラと金属材料の接着剤

APPLICATION

APPLICATION

塗布・圧着のみで異種材料接着を実現

スーパーエンプラを表面処理せずとも、接合面に塗布し、
加熱圧着するのみで接着可能な接着剤を実現します。
煩雑な工程や設備を用いず、材料表面を破壊せずとも、省コストかつ強固な材料接着を実現できます。

USE CASE 02回路基板・自動車部材の接着剤

APPLICATION

APPLICATION

樹脂材料の熱・機械特性向上や、新機能の付与を実現

従来は混ざり合わない材料同士を分子レベルで複合することで、物性の改善のみならず、
新たな機能性を付与することができます。

USE CASE 03金属・ポリマーの表面コーティング剤

APPLICATION

APPLICATION

多様な材料表面への機能付与が可能

親水・疎水の両性質を有するため、様々な材料基板・粒子表面を選択的にコーティングでき、
撥水・撥油・防汚性などを付与できます。

STRENGTHS

強み

「接着剤ひと塗り」で、スーパーエンプラと異種材料を強固に接着

STRENGTHS 01

複数の基材と「同時に」「強力に」相互作用

我々が見出したスーパーエンプラに馴染む化学構造と、金属などの異種材料に馴染む化学構造を融合させた新しい接着剤を設計します。
従来は煩雑性・安全面に課題のあった、スーパーエンプラの表面処理工程が不要となります。
これにより、材料の応用先である自動車・電子材料用途における生産性を向上できます。

STRENGTHS 02

高い熱・機械特性

接着剤のガラス転移温度は高く (> 150°C)、一度塗布・接着すれば高温条件でも安定に使用することができます。

STRENGTHS 03

経済性の高い接着剤

我々の接着剤は熱可塑性のため、繰り返しの塗布脱着が可能となります。
エンプラ表面を処理する必要がなく、材料を傷つけずに異種材料を接着することができます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

「接着させる材料に似せる」コンセプトに基づく分子設計

TECHNOLOGY 01

基板の表面処理なく、PPS樹脂と金属の異種界面接着を実現

我々はこれまでに、ポリフェニレンスルフィド (PPS) 樹脂と相溶できる材料を
初めて発見しました。
この構造と、金属と接着しやすい親水的な部分構造を接着剤に取り組み、
「基板材料に似せた接着剤構造」を取り入れることで、
基板を表面処理せずとも、PPSと金属への接着性を同時に発現させることができます。
接着剤の組成を変えれば接着性や耐熱性などをチューニングすることができ、

用途に応じた接着特性を付与できます。

PRESENTATION

共同研究仮説

実材料として機能する異種界面接着剤を目指して

共同研究仮説01

異種界面接着剤の設計・多機能化に関する共同研究

接着剤の分子設計ノウハウ、合成技術を保有しています

化学・素材業界の企業様と連携し、接着剤の安定性や耐久性の向上や、新しい機能を付与した高分子接着剤のデザイン・合成・機能実証を共同実施したいと考えています。
本材料を適用できる新しいアプリケーションの開拓や、実材料を見据えた要求特性制御 (多機能化、耐久性制御など) に関する共同研究も大歓迎です。

共同研究仮説02

電子・自動車部材としての利用を見据えた共同研究

スーパーエンプラ・金属接着剤の物性制御技術を保有しています

スーパーエンプラ用接着剤の実応用を見据え、電子・自動車業界の企業様と連携した応用研究も視野に入れています。
接着剤を適用した際の電子材料の損失や、自動車部材の安定性・燃費などに与えるインパクトを検証できればと考えております。
使用後の基材解体やリサイクルを志向した共同研究も歓迎です。

RESEARCHER

研究者

渡辺 清瑚 早稲田大学 理工学術院総合研究所 
次席研究員 (研究院講師)
経歴

【経歴】
2022年4月 日本学術振興会 特別研究員 (DC2)
2024年4月 早稲田大学 理工学術院総合研究所 次席研究員 (研究院講師)
現在に至る
(うち、2024年4月-6月 ミュンヘン工科大学 (ドイツ) 訪問研究員)
【主な研究実績】原著論文17報、受賞12件 (第74回高分子学会年次大会 優秀オンデマンド発表賞 (一般部門) ほか)
【個人HP】https://sites.google.com/view/seigowatanabe/home?authuser=0

研究者からのメッセージ

含硫黄高分子が持つポテンシャルを最大限活かし、破格の機能性材料を創出しましょう!

硫黄を含む高分子は、高い分極率、多様な酸化状態など、他の元素から成る高分子にはない魅力的な性質を持っており、自在に機能をアレンジできます。
私はこの魅力に取り憑かれ、これまでに様々な含硫黄高分子を設計・合成し、その機能を追究してきました。

本研究テーマは、「含硫黄高分子と、相反する性質を有する高分子を化学的に結合させたらどうなるか?」という好奇心から始まりました。
現状、この材料は表面処理不要な接着剤として機能することを実証できましたが、前例のない物質ですので、
思いもよらない分子設計や用途が潜在している気がしてなりません。

是非、多分野の企業様と連携し、接着剤としての性能向上や機能追究はもちろんのこと、新たな用途探索に向けた共同研究を展開したいと考えています。
先端技術を支える破格の機能性材料を、一緒に創出しましょう!