2023年度公募 seeds-4894 - 【関東】 高温高圧環境でも高性能に磁場や温度を検出できる量子センサ
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VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

人類の知覚の地平線を極限環境へ広げたい

様々な環境で動作する次世代の高性能センシング技術を生み出す

30 年後の未来社会では、我々人類が知覚できる領域の地平線はどこまで広がっているでしょうか?知覚の地平線は、どれだけ豊かな「情報」をこの世界からセンシングできるかによ
って決まります。センシングと言えば、昨今の IoT 化の興隆およびそれに伴う各国の積極投資によって、爆発的に発展している技術分野です。ところが、今日センシング技術で得られる情報というのは、已然として人間生活に近い領域に限定された、つまり”常温常圧”で”マクロスケール”を対象としたものがほとんどではないでしょうか。本研究では、人類の知覚が未だおよんでいない領域から有益な情報を得るためのセンシング技術を開発します。

USE CASE

最終用途例

産業財やインフラのモニタリング

USE CASE 01高温環境にある機械の動作状況を把握し、保守保全の質の改善につなげる

APPLICATION

APPLICATION

高温環境にある機械の動作状況を高い分解能で遠隔モニタリング

例えば数百度に達する炉の中にある部品の動作状況を磁場や温度を通して高い分解能で可視化できるようになります。

MARKET

MARKET

高温環境のある工場、部品などの市場

人間の生活とは少し離れますが、高温になる工場や部品を扱う分野における需要を想定しています。

IMPLEMENTATION

IMPLEMENTATION

磁場や温度の高空間分解能マッピング

磁場や温度の分布を高空間分解能でマッピングできることになります。分解能は感度とのトレードオフがありますが、ナノスケールのモニタリングも可能です。

STRENGTHS

強み

高温高圧環境でも高性能で磁場や温度のセンシングが可能

STRENGTHS 01

ダイヤモンドは極限環境でも物性が安定

ダイヤモンドは数百度といった高温や、数十GPaといった高圧下でも物性が安定しています。そのためダイヤモンド中のNVセンターを用いた量子センシング技術は、このような極限環境でも高い性能を発揮することができます。

STRENGTHS 02

ナノスケール分解能

ダイヤモンド中のNVセンターは点欠陥であり、その大きさは原子レベルです。そのため、非常に高い空間分解能で量子センシングを行うことができます。

STRENGTHS 03

マルチモダリティ

ダイヤモンド中のNVセンターは量子センサであるため、その状態が磁場や温度など様々な物理量によって影響を受けます。裏を返せば、これらの物理量を同時に計測できる可能性があるということです。

TECHNOLOGY

テクノロジー

小型デバイス化が可能な量子センサ

TECHNOLOGY 01

LED励起

NVセンターの量子状態は緑光を用いて初期化・読み出しを行います。基底状態から励起状態に励起される際、スピンの状態がms = 0であればほとんど100%の確率で赤色光を発光しますが、ms = +/-1であればその確率が減少します。実験室では532nmの波長を持つレーザーを使うことが多いですが、LEDなどの光源でも励起できるため、小型化に向いています。

TECHNOLOGY 02

マイクロ波制御

NVセンターの量子状態はマイクロ波を用いてコヒーレントに制御します。スピンのms = 0とms = +/-1とのエネルギー差に相当する周波数を持ったマイクロ波を用います。実験室では金属ループに高周波を流して発生させますが、マイクロ波の強度自体は小さくて済むため、ダイヤモンドに直接組み込むなど、小型化に向いていると考えられます。

PRESENTATION

共同研究仮説

デバイスプロトタイプの共同開発やユースケース発掘

共同研究仮説01

デバイスプロトタイプの共同開発

応用を想定した小型プロトタイプを開発

実際のユースケース実証に向けて、小型デバイスのプロトタイプを一緒に作成して下さる企業様を探しています。

共同研究仮説02

ユースケース実証

最初のユースケースの共同実証

将来のさらなる需要の発掘に向けて、最初のユースケース実証に共同で取り組んで下さる企業様を探しています。

LABORATORY

研究設備

実験室内に量子イメージング装置を保有

LABORATORY 01

量子イメージング装置

ナノスケール分解能を持つ磁場・温度・圧力の量子イメージング装置を運用しています。

LABORATORY 02

高温高圧印加装置

数百GPa、数百℃まで印加できる、量子イメージング装置組み込み型の加圧加温装置を運用しています。

LABORATORY 03

小型デバイス作製環境

共用設備としてリソグラフィなどの加工ができます。簡単なアイデアであればすぐに試せる環境が整っています。

RESEARCHER

研究者

荒井慧悟 東京工業大学工学院 准教授
経歴

■経歴
2016.1 マサチューセッツ工科大学 Ph.D.(物理学)
2016.4 ハーバード・スミソニアン ポストドクトラルフェロー
2017.1 ボストン・コンサルティング・グループ
2020.2 東京工業大学 助教
2022.4 東京工業大学 准教授(現在に至る)

■ホームページ
https://keigoarai.net

研究者からのメッセージ

量子の技術シーズを社会に届けたい

量子物理学の研究者および戦略コンサルタントとして働くなかで、ディープテックを社会に送り出す気風を経験し、私自身も専門の量子技術を社会につなげたいと強く想うようになりました。当技術に興味を持って下さる企業様からのご連絡をお待ちしております。