2023年度公募 seeds-4841 - 【関東】 オットーサイクル型船舶用水素エンジンの燃焼システムの開発
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VISION

ビジョン

2050カーボンニュートラルに向けた舶用エンジンの開発

水素噴流の混合気形成制御によるオットーサイクル型の燃焼技術の創出

海運のカーボンニュートラル実現に向けて、水素が注目されています。水素エンジンは、燃焼安定性に優れたディーゼルサイクル型を対象に開発が進められていますが、この方式では30MPa程度の高い噴射圧力が必要となっています。より低い噴射圧力で水素を供給するオットーサイクル型の燃焼方式が実現できれば、ボイルオフ水素を少ない圧縮動力で利用できるなどメリットがあります。一方で、この方式では異常燃焼が発生するため、それを回避する高度な混合気制御が要求されています。この研究では、異常燃焼の発生を回避する混合気形成制御手法を提案し、オットーサイクル型の筒内直噴式水素エンジンの実現を目指します。

USE CASE

最終用途例

船舶用水素エンジン、大型エンジン

USE CASE 01低い噴射圧力による大型水素エンジンの実現

APPLICATION

APPLICATION

水素噴流の制御による自着火を回避した混合気形成手法の提案

エンジンの燃焼室内に相当する高温・高圧場で且つ旋回流中で発達する水素噴流の挙動を可視化し、現象面に立脚してオットーサイクル型の燃焼方式を可能にする混合気形成手法を提案します。

STRENGTHS

強み

低い噴射圧力による水素燃焼の実現

STRENGTHS 01

圧縮動力の低減、噴射系の簡素化、噴射系の耐久性向上

ディーゼルサイクル型に比べて低い噴射圧力で水素を燃焼室内に供給するため、水素の圧縮動力を抑えることが可能です。また、噴射系の耐久性が向上したり、噴射系が簡素化できるなどメリットが得られます、燃焼の形態は予混合燃焼となるため、希薄化を図ることで低NOx化が可能となります。

TECHNOLOGY

テクノロジー

大型可視化装置を用いた水素噴流の可視化

TECHNOLOGY 01

可視化にもとづく現象面に立脚した水素噴流混合気の制御技術

提案する燃焼方式では、異常燃焼の発生を抑えるための高度な混合気制御が要求されます。噴射条件を制御することで理想とする混合気を形成するには、噴射条件に対する効果を適切に評価する必要があり、水素噴流の挙動を可視化することが有効となります。当所では、大型エンジンの実機に相当する燃焼場を再現できる大型の定容燃焼装置を開発しています。この装置を用いることで、実機に相当する雰囲気下で拡散する水素噴流の挙動を詳細に解析でき、提案する燃焼方式が成立するための混合気形成手法を提示できると考えています。

PRESENTATION

共同研究仮説

オットーサイクル型の燃焼方式を適用したエンジンの実用化を目指しています。

共同研究仮説01

筒内直接噴射式オットーサイクル型水素エンジンの実証試験

提案する燃焼方式を実機に適用した試験の実施を考えております。

本共同研究の中で見出された燃焼方式を実機に適用し、性能を評価したり、実用化に向けた噴射諸元の検討を共同研究の中で実施できればと考えております。

RESEARCHER

研究者

川内 智詞 海上・港湾・航空技術研究所 主任研究員
経歴

経歴
2009.4 – 現在 海上技術安全研究所
2012.9 九州大学 博士(工学)
2014.4 – 2015.4 ミュンヘン工科大学 客員研究員

研究者からのメッセージ

次世代水素エンジンの開発に向けた現象理解と学理にもとづいた燃焼方式の提案

大型エンジンの燃焼室内における水素噴流の拡散過程や着火・燃焼過程には不明な点が多く残されています。世界最大級の可視化装置を用いて、エンジン燃焼室内の現象を明らかにし、学理にもとづく性能に優れた燃焼方式を確立したいと考えております。