2022年度公募 seeds-2628 - 【関東】 新しい栄養価や味を付与するための、糖質が少なく、脂質を多く含む野菜の開発
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VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

低糖質・高脂質野菜を開発し、その栄養価、味、健康増進効果を追究する

低糖質・高脂質野菜による新しい付加価値の創造

低糖質・高脂質野菜は、脂質を多く含むことにより、高齢者が不足しがちな脂質を補うことが出来ます。加えて、脂質が持つ旨味を引き出すことで、これまでにない独自の味を持つことが期待できます。脂質を増やすと同時に、糖質を抑えることで、カロリーを減らすことなく、糖質制限を行うことが可能です。また、低糖質・高脂質野菜において増加する有用成分を発見することができれば、新たなサプリメントとしての活用が期待できます。

USE CASE

最終用途例

低糖質・高脂質野菜の作出

USE CASE 01低糖質・高脂質化した、新しい栄養価と味を持つ野菜の作出

APPLICATION

APPLICATION

低糖質・高脂質化したトマトやレタスを「新しい食材」として利用

新しい栄養価や味を持つ野菜として、低糖質・高脂質トマトおよびレタスの品種登録、さらに販売を目指します。

USE CASE 02低糖質・高脂質化のための簡便な処理方法の開発

APPLICATION

APPLICATION

水処理、塩処理によって、ハーブを簡単に低糖質・高脂質化する

ハーブ類を簡便な処理によって低糖質・高脂質化し、新しい栄養価、味を持つハーブとして販売することを目指します。

USE CASE 03低糖質・高脂質野菜による健康増進効果

APPLICATION

APPLICATION

低糖質・高脂質野菜で増加する新規の有用成分を利用する

低糖質・高脂質野菜において増加する有用成分を発見し、サプリメントとして活用することを目指します

STRENGTHS

強み

これまでには無い独自の品質を持つ低糖質・高脂質野菜の実現

STRENGTHS 01

低糖質・高脂質化を可能にする新たな挑戦

シロイヌナズナを用いた基礎研究により、植物の葉を低糖質・高脂質化することが可能になりました。この技術を有用作物に適用することにより、低糖質・高脂質野菜の作出が初めて実現できます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

低糖質・高脂質野菜の作出に向けた多様なアプローチ

TECHNOLOGY 01

ゲノム育種による低糖質・高脂質トマトおよびレタスの開発

シロイヌナズナを用いた基礎研究により、低糖質・高脂質化に関与する遺伝子が明らかになってきました。これらの知見を生かすことで、様々な植物を低糖質・高脂質化することが理論上可能になりました。本事業ではゲノム育種により、有用作物における低糖質・高脂質化を目指します。モデルケースとして、トマトとレタスを用いた低糖質・高脂質化の実現と販売を目標とします。(第62回日本植物生理学会大会(山口、島田ら、2021年3月)、第33回植物脂質シンポジウム(山口、島田ら、2021年9月))

TECHNOLOGY 02

水処理、塩処理による簡単な低糖質・高脂質化の実現

ゲノム育種による低糖質・高脂質化は有用である一方、開発のための労力、コストが大きいことが欠点です。シロイヌナズナにおいては、植物体を栄養を含まない水に浸す(水処理)または塩ストレスを与える(塩処理)を行うことで、低糖質・高脂質化を引き起こすことが可能です。この知見を利用すれば、様々な作物に対して簡便な処理を行うだけで、低糖質・高脂質化を実現することができます。

PRESENTATION

共同研究仮説

高付加価値を持つ新しい作物「低糖質・高脂質野菜」の開発と評価を行う

共同研究仮説01

低糖質・高脂質野菜の評価および販売

低糖質・高脂質野菜の栄養価や味を評価し、販売に結び付ける

栄養成分の評価や、味の測定により、科学的な知見をもって、低糖質・高脂質野菜を評価することを目指しています。そのために、低糖質・高脂質野菜の利用・販売や大量生産といった実利的な面でのサポートが必要です。

共同研究仮説02

低糖質・高脂質野菜から有用成分を抽出する

低糖質・高脂質野菜由来の有用成分を用いたサプリメント

低糖質・高脂質野菜における有用成分の分析、および抽出を目指しています。そのために、有用成分の機能解析を行うとともに、サプリメント開発へのサポートが必要となります。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

島田 貴士 千葉大学大学院園芸学研究院(助教)
経歴

2011年3月 京都大学大学院理学研究科 博士後期課程修了
2008年4月 日本学術振興会特別研究員(DC1、京都大学大学院理学研究科)
2011年4月 日本学術振興会特別研究員(PD、京都大学大学院農学研究科)
2014年4月 東京大学大学院理学系研究科・特任研究員
2016年4月 自然科学研究機構 基礎生物学研究所・特任研究員
2016年11月 千葉大学大学院園芸学研究科(2021年4月より千葉大学大学院園芸学研究院)・助教(現職)
2020年12月 千葉大学植物分子科学研究センター・助教(兼担、現職)

研究者からのメッセージ

基礎研究から応用研究へ展開する植物科学の実現に向けて

私はこれまで、シロイヌナズナにおける脂質の基礎研究を行ってきました。これらの知見により、糖質を蓄える植物を、脂質を蓄えるように「スイッチ」することが、理論上可能となりました。このような低糖質・高脂質野菜は、新しい栄養価、味を持つことが期待できます。しかし、有用作物への適用は、まだまだ大きな壁が立ちはだかっています。未来の野菜である低糖質・高脂質野菜を世に送るべく、多くの方々のご協力をお待ちしております。