2022年度公募 seeds-2599 - 【関東】 鉄触媒を利用したシランカップリング剤、シリコーンゴム、シリコーン樹脂の製造
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

鉄触媒技術を通じた新産業の創出

60年以上続く白金技術からの脱却

シランカップリング剤、シリコーンゴム、シリコーン樹脂などの有機ケイ素部材の製造には希少な白金が触媒として利用されています。白金触媒は硫黄などのヘテロ原子が微量でも材料中に混入すると触媒被毒により性能を発揮せず、化学反応が進行しません。本技術開発により、鉄触媒を利用した有機ケイ素部材の製造法を確立し、貴金属に依存する有機ケイ素部材製造技術からの脱却を実現します。また、現在の白金触媒技術では製造不可能な窒素、リン、硫黄などのヘテロ原子を含有する有機ケイ素部材の製造に挑戦し、新しい有機ケイ素産業の創出を目指します。

USE CASE

最終用途例

高機能有機ケイ素部材

USE CASE 01有機材料と無機材料をつなぐ

APPLICATION

APPLICATION

シランカップリング剤

シランカップリング剤は、有機材料と無機材料の両方に結合することができるため、二つの材料をつなぐことで有機材料のような手触りかつ無機材料のような高強度の製品の開発などに利用できます。

USE CASE 02有機無機複合材料

APPLICATION

APPLICATION

シリコーンゴム、シリコーン樹脂

シリコーンはケイ素と酸素が連続的に結合した主鎖部分(シロキサン結合)とケイ素と炭素が結合した側鎖部分から構成される有機無機複合材料で、透明性、耐候性、耐熱性などの優れた機能性を有します。

STRENGTHS

強み

触媒性能と扱いやすさの両立

STRENGTHS 01

使いやすい高性能鉄触媒

当研究グループで独自に開発したPNN型配位子を持つ鉄錯体は空気中で保存でき、優れた触媒性能を有します。NEDOプレスリリースURL: https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101390.html

TECHNOLOGY

テクノロジー

高性能鉄触媒として製品化

TECHNOLOGY 01

酸素や湿気に対して安定かつ高活性

独自開発した鉄触媒は酸素や湿気に対して安定で、扱いやすいのが特徴です。開発した鉄触媒の一部については、国内試薬メーカーからの販売も開始しています。また、触媒活性は、ビニル化合物とシラン化合物の付加反応(ヒドロシリル化)に対して最大でTON 480,000、TOF 90,000/h を示します。これらは、鉄触媒では世界最高の値で、生成物選択性も白金触媒より優れています。

PRESENTATION

共同研究仮説

鉄触媒による有機ケイ素部材製造技術の確立

共同研究仮説01

白金触媒から鉄触媒への代替

低コスト、安定供給の実現

白金は供給の不安定さから、価格が変動しやすい資源です。鉄は安価であることに加え、安定供給が見込まれる資源です。現在白金触媒でシランカップリング剤、シリコーンゴム、シリコーン樹脂を製造しており、鉄触媒の代替利用をご検討いただける企業からのご連絡をお待ちしています。

共同研究仮説02

鉄触媒利用による新部材の開発

白金技術で製造不可能な新部材の開発

現在の白金技術では、窒素、リン、硫黄などのヘテロ原子が微量でも混入すると硬化(ヒドロシリル化)が進行しないため、製造可能な有機ケイ素部材が限られていました。これまで白金触媒で製造できなかった部材のニーズをお持ちで、鉄触媒での製造をご検討いただける企業からのご連絡をお待ちしています。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

神谷 昌宏 北里大学理学部(講師)
経歴

2021年4月-現在 北里大学理学部, 講師
2015年4月-2021年3月 北里大学理学部, 助教
2014年4月-2015年3月 ペンシルバニア大学, 博士研究員
2013年8月-2014年3月 ペンシルバニア大学, 訪問研究員
2013年4月-2013年7月 インディアナ大学, 訪問研究員
2013年3月 大阪市立大学大学院理学研究科後期博士課程 修了

【特許】
WO2025-070539 鉄錯体化合物およびその製造方法、ならびに有機ケイ素化合物の製造方法
特許7220902 3座配位子を有する鉄錯体化合物の製造方法、並びに有機ボロン酸エステルの製造方法

研究者からのメッセージ

鉄触媒で拓く新産業

現在、様々な産業で不可欠となっている貴金属は価格変動や供給の不安定さに対する懸念から、鉄などの安定供給が見込まれる資源への代替が強く求められています。有機ケイ素部材の製造についても代替技術の開発が盛んに行われていますが、60年以上続く白金触媒技術から脱却できておらず、製造可能な部材も限られています。これまで数多の技術の実用化を退けてきたこの分野に一緒に切り込んでいただけるパートナーを募集しております。