光をあてるだけであらゆるナノ結晶をポリマーフィルムにパターニング 近年、金属や無機のナノ結晶(粒子)の合成法が研究され、それらのサイズ・形状・組成などが容易に調整できるようになりました。その結果、様々な(光学的・電子的・磁気的・触媒的)性質を持ったナノ結晶が利用可能となっています。目的に沿ってナノ結晶を選定し、フィルムにパターニングすれば、例えば、電気伝導や熱伝導の方向を制御できるなど、色々な応用が考えられます。提案する方法は、原理的に、特定のモノマーやナノ結晶に限定されないと考えています。本研究でその特徴が明らかになれば、ワンステップで様々なナノ結晶をポリマーフィルムにパターニングすることのできる、機能性の光硬化材料の開発に繋がると期待しています。
USE CASE 03貴金属ナノ粒子 APPLICATION 触媒のパターニング パラジウムは無電解めっきの触媒として知られています。パラジウムなどの触媒をパターニングしたフィルムを無電解めっきに浸せば、パターンに沿って、銅やニッケルなどを析出させることができると考えられます。
TECHNOLOGY 01 重合反応の新しい活用方法 パターン光照射によって過渡的に生じる高分子の局所的な濃度差を駆動力にして、ナノ結晶をパターニングします。照射後は、ナノ結晶のパターンが刻まれたフィルムが生成します。光重合するモノマーに物質が分散や懸濁する限り、幅広い反応系に方法を展開することが可能です。また、照射条件の最適化により、コントラストの向上とパターンの細線化が可能です。
明瞭なパターンの誘起 対象とするナノ結晶やモノマーに最適な条件を見つけ、明瞭なパターンを描きたいと考えています。UV硬化業界などへの応用を想定しておりますが、用途や目的に応じて、幅広い業界の企業様と連携できればと考えています。
パターン光の操作 フォトマスクを用いた従来の照射方法では、照射光の図柄(や強度)を調節することが難しいのが現状です。本技術の特長を最大限に引き出すために、直接描写技術や光投影技術などを含めた露光技術や装置に精通した企業様との連携も希望しています。