多様な基質が利用できる基質適応範囲の広い反応系の開発
ブレンステッド塩基による芳香族カルボン酸の合成としては、古くは1860年に、フェノール類のカルボキシル化反応が実施できることが見出された。これは化学工業において今でも利用されている重要な反応である。例えば、この反応で得られる安息香酸類は医薬品、農薬、防菌剤、あるいは液晶ポリマーの原料として用いられる。しかし、これまでのところ、フェノール類以外の芳香族含有化合物への展開はごく限定的な状況にある。本研究では、多様な基質が利用できる基質適応範囲の広い反応系を開発することを目的とする。産業界の多分野で利用できる実用的な反応として確立することを目指す。