2022年度公募 seeds-2423 - 【関東】 昆虫細胞を利用した匂いバイオセンサの長期的な利用を可能とするセンサシステムの開発
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VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

昆虫細胞を利用したバイオセンサによるにおいの高感度検出を社会実装へ

においバイオセンサを実環境での活用へと展開

においを計測するセンサ技術はこれまでに様々研究開発が進められてきました。しかし、それらを活用して実社会での応用利用がなされた例はそれほど多くありません。また、バイオセンサ技術の研究開発も盛んに行われていますが、においセンサ分野での実用化には様々な課題が残されています。本研究を通じて、より多くの人にとって使いやすいにおいバイオセンサを開発し社会実装することで、様々な分野でのにおい情報活用を実現します。

USE CASE

最終用途例

高感度なにおいの長期モニタリングを実現

USE CASE 01水源地におけるカビ臭モニタリング

APPLICATION

APPLICATION

においの第1次スクリーニングとして活用

水道水に含まれるカビ臭は微量でも大きな問題となりますが、水源地などで本センサシステムを活用することで、カビ臭発生の長期的モニタリングを実現し、においの第1次スクリーニングとしての活用が期待されます。

STRENGTHS

強み

昆虫の持つ優れた嗅覚を長期的に活用できるセンシング技術

STRENGTHS 01

これまで課題であったバイオセンサの長期利用を実現する

私たちの研究グループが保有している昆虫細胞型においセンサは、センサとして必要な機能が培養細胞内に遺伝子導入されているので、継代培養をすることで長期間にわたりセンサ利用することが可能です。細胞の継代培養を自動化する機能をシステムとして組み込むことで、長期でのにおいモニタリングを実現します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

昆虫細胞を利用したにおいセンサとそれを用いたにおいセンシング技術

TECHNOLOGY 01

においを検出するセンサとなる昆虫由来の細胞系統

私たちの研究グループでは、昆虫の嗅覚受容体を発現した培養細胞を利用することで、においを検出するセンサ素子である「センサ細胞」を開発しており、複数の系統化された細胞を保有しています。このセンサ細胞は周囲に存在するにおい分子濃度に応じて蛍光強度変化を示し、においを蛍光として高感度に検出することができます。

TECHNOLOGY 02

細胞応答をもとにしたにおい識別やにおい成分濃度定量技術

センサ細胞のにおい分子に対する応答を利用して、においの識別やにおい成分の濃度を定量することができます。複数の異なるにおい受容体を発現したセンサ細胞のそれぞれの応答をパターンとして多次元データ解析することで、においを識別することができます。また、能動センシングなどの計測技術を活用することで、においに含まれる各成分濃度を定量することもできます。

PRESENTATION

共同研究仮説

においセンシング技術による新しい情報の活用へ

共同研究仮説01

水のカビ臭など異常を検出するにおいバイオセンシング

水源のカビ臭モニタリング

人は水道水のカビ臭には鋭敏な感覚を持っています。したがって、カビ臭発生時の迅速な対処は重要であり,定期的な検査など多大なコストがかけられています。本研究の昆虫細胞利用型の匂いバイオセンサを活用してカビ臭モニタリングすることで、カビ臭を迅速に検出し、その対処に役立てられる可能性があります。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

祐川 侑司 東京大学先端科学技術研究センター
(特任助教)

経歴

2019年9月 東京工業大学工学院情報通信系 博士課程修了
2017年4月〜2020年3月 日本学術振興会 特別研究員
2019年10月〜2020年3月 東京工業大学科学技術創成研究院 特別研究員
2020年4月〜2022年7月 東京大学先端科学技術研究センター 特任研究員
2022年8月〜現在 東京大学先端科学技術研究センター 特任助教

研究者からのメッセージ

昆虫の優れた嗅覚を活用することにより社会課題の解決へ

「におい」は私たちの生活になくてはならない感覚です。一方、「昆虫」は私たちの身近に存在している、においを感じ取るスペシャリストです。昆虫の嗅覚を実用的なセンサとして活用することで、様々な社会課題を解決できる可能性があります。