2021年度公募 seeds-1198 - 【関東】 複合イメージセンシングを利用した、オンデバイス教師なし学習型AI外観検査ソリューションの研究開発
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VISIONビジョン

VISION

ビジョン

「高精度な外観検査」を手軽に、簡単に。低コストでどこでも使える外観検査AIで労働力不足解消に貢献

「複合イメージセンシング」と「教師なし学習」により、低コストで横展開容易な外観検査AIを実現する

電機産業や自動車産業では自動化が進み、労働生産性が日々改善しています。一方、食品産業では労働不足率が最も高いにもかかわらず自動化率は33%と低く、他の産業に比べて自動化が遅れています。労働者にとって過酷な環境であり、労働災害件数も他産業と比較して2倍以上も多い食品産業では、自動化は急務であるにも関わらず、自動化が進んできませんでした。食品産業では多種多様で不揃いな形状・外観・素材を扱うという特有の課題があるためです。工業製品と異なり、単純なルールでは自動化が出来ませんでした。

大量のデータから自動で多種多様な特徴と認識ルールを学習する深層学習技術が急速に発展してきており、食品産業の外観検査自動化にも応用が研究されています。しかしながらこうしたAI技術は、工場間など異なる環境間での横展開が困難であり、かつ学習のためのデータ収集が高コストであるという問題がありました。

本研究では、横展開容易で低コストなAI技術の開発を通じ、人手不足が深刻な食品産業の自動化促進を進め、少子化に伴う労働力不足という社会課題の解決に貢献します。特に外観検査に着目し、従来では視認性の悪かった多種多様な検査を可能にします。

「複合イメージセンシング技術」でどこでも手軽に、「教師なし学習技術」で低コストに

どこでも手軽に、低コストに使える外観検査AIソリューションを実現することが本研究の目的です。これまでの外観検査装置は外乱光や環境光に弱く、被写体からの反射により認識精度が大きく変わってしまうという課題がありました。そのため熟練作業者による現地の調整作業が必要で、設置の度にシステム構築に膨大なコストがかかっていました。加えて従来のAIは正常・異常を判別するためには、多くの正常・異常のラベルが付けられた訓練用データが必要でした。これらのコストの高さが食品産業での自動化を阻害していました。

本研究では、1)検査対象の特徴を際立たせ環境光や反射にロバストな「複合イメージセンシング」技術、2)ラベルデータなしで学習可能な「教師なし学習」技術の2つを開発します。システム構築にかかるコスト、AIの訓練にかかるデータ収集コストの大幅な削減を目指します。

本研究ではPoC実証系を立ち上げて、どこでも手軽に、低コストに設定できる外観検査装置の実証評価を予定しています。この評価では、食品データセットを作成し、3つの異なる環境で90%以上の正答率の達成を目指します。

USE CASE

最終用途例

低コストでどこでも使える外観検査AIで、受け入れ・出荷検査工程の自動化を実現

USE CASE 01低コストでどこでも使える外観検査AIで、受け入れ・出荷検査工程の自動化を実現

APPLICATION

APPLICATION

複合イメージセンシングと教師なし学習を軸に、手軽かつ低コストな検査を実現する

労働力不足が深刻な食品産業において、特に自動化率の低い検査工程の自動化を実現します。

熟練エンジニアによる調整・セットアップ作業なしに、現場のだれもが簡単に使える外観検査AI技術の実現を複合イメージング技術と教師なし学習技術で実現します。

STRENGTHS

強み

手軽にどこでも使えて高精度に認識できる複合イメージングAI技術

STRENGTHS 01

多彩な複合イメージング情報を駆使することで、環境光、外乱、反射に対するロバスト性を向上

カメラによる既存の外観検査装置は外部の光(太陽による影や照明反射)に敏感なため、外部の光を遮断し熟練エンジニアによる設置調整作業が必要でした。開発中の技術は、反射や外部光の影響を除去できるため、設置調整作業は不要です。

STRENGTHS 02

データのラベル付けが不要な、オンデバイス教師なし学習技術

ラベルが付与されていない正常画像のみで学習可能な、カメラデバイス上で動作可能な低計算量の教師なし学習技術を開発します。教師ラベル付け作業を省けるので大幅なエンジニアコストの削減が可能になります。

TECHNOLOGY

テクノロジー

「先端デバイス」と「AI」が融合することで実現できた、ピクセルレベル複合イメージフュージョン技術

TECHNOLOGY 01

乱反射や可視光で検知できない特徴量を偏光や可視光外波長で対応

先端イメージャーデバイスにより得た多次元データを、検査装置が置かれた設置環境に応じて自動で最適にフュージョンすることで、高い認識精度を実現するAI技術を開発しています。熟練エンジニアの設置作業コストを削減します。

PRESENTATION

共同研究仮説

どこでも手軽に、簡単に使える「外観検査AI」システムの開発を目指しています

共同研究仮説01

高価で熟練エンジニアが必要だった外観検査の低コスト化に挑戦します。

本研究では、どこでも手軽に、誰もが簡単に使える「外観検査AI」システムの開発を目指しています。認識対象、ユースケース、PoCでお知恵をいただければ幸いです。

RESEARCHER

研究者

小菅敦丈 東京大学大学院工学系研究科 附属システムデザイン研究センター
経歴

電機メーカー勤務を経て、2021年より東京大学大学院・講師。エッジAI技術、特にAIチップとセンシング技術を専門に研究。

日経エレクトロニクスのジャパン・ワイヤレス・テクノロジー・アワード 最優秀賞(2013年)、慶應義塾大学の藤原賞(2014年)、Broadcom FoundationのUniversity Research Competition(2015年)、電子情報通信学会の学術奨励賞(2020年)などを受賞。MIT Technology Review Japanが選ぶInnovators Under 35 に選出(2021年)。これまでに30本以上の査読付き論文を英語で発表。

電子情報通信学会の集積回路研究専門委員会メンバーとIEEE Asian Solid-State Circuits Conferenceの技術専門委員会メンバーを務める。

【個人ページ】

https://sites.google.com/view/atsutakekosuge/

研究者からのメッセージ

誰もが手軽に使えるエッジAI技術を研究しています。

AIは今後10年の産業を支える中核技術です。しかしAIは高度なIT技術に立脚しており、日本が得意とする“現場”に落とし込みビジネス化するには高いハードルがあります。誰もが手軽に使えるAI技術を開発し、現場で活きるエッジAIソリューションを実現します。